ガムランの響きは、青銅の鍵盤楽器や大小のゴング、太鼓、笛、弦、歌が異なる速さで重なることで生まれます。低い大ゴングが長い周期を区切り、その内側を旋律と細かな装飾が満たします。
「循環する時間」は、ガムランを理解する有効な入口です。周期ごとに音の密度、テンポ、舞踊、物語が変わり、回帰と前進が同時に進みます。
30秒で分かるガムラン
| ポイント | 初心者向けの説明 |
|---|---|
| 何を指すか | インドネシアの伝統的な合奏音楽と、その演奏に使う楽器一式です。 |
| 中心の楽器 | 青銅製の鍵盤打楽器、大小のゴング、ゴングチャイム、太鼓です。竹笛、木琴、弦楽器、歌も加わります。 |
| 主な地域 | 中部ジャワ、バリ、西ジャワのスンダ地域が特によく知られています。 |
| 音の特徴 | 楽器一式ごとの調律、重なり合う旋律、ゴングが区切る周期、太鼓による合図です。 |
| 演奏される場 | 宮廷、寺院、村の儀礼、婚礼、舞踊、ワヤン、劇場、学校、コンサートです。 |
| 最初の聴き方 | 大ゴングの帰着点、太鼓の合図、低音と高音の役割、音の密度の変化を追います。 |
ガムランは、一人の独奏を中心に据えるより、多くの奏者が役割を分担して一つの時間構造を作る音楽です。
ガムランとは何か|合奏と楽器一式を指す言葉
UNESCOの無形文化遺産資料は、ガムランをインドネシアの伝統的な打楽器オーケストラであり、同時に演奏に使う楽器一式でもあると説明しています。中心となるのは、金属製の鍵盤打楽器、ゴング、ゴングチャイム、太鼓、シンバルです。木琴、竹笛、弦楽器、独唱や合唱が加わる編成もあります。
一組のガムランは、同じ調律体系に属する楽器をまとめて製作・調整した音響単位です。別の一組から楽器を持ち寄ると音程が合わない場合があるため、個々の楽器より「一式」としてのまとまりが重視されます。
一つのジャンル名であり、多数の地域様式の総称でもある
インドネシアには、地域、宮廷、寺院、村落、芸能ごとに異なるガムランがあります。中部ジャワの宮廷系ガムラン、バリのゴン・クビャール、西ジャワのガムラン・デグンは、その代表例です。
「ガムランは静かな音楽」「ガムランは激しい音楽」という説明は、特定の地域様式だけを見た印象です。本記事では、共通点を示したうえで、中部ジャワ、バリ、スンダの違いを分けて説明します。
主な楽器と役割|大きな時間から細かな装飾まで
ガムランでは、楽器ごとに担当する時間の幅が異なります。次の表は、主に中部ジャワのガムランを基準にした整理です。バリやスンダでは名称と編成が変わります。
| 役割 | 主な楽器 | 聴こえ方 |
|---|---|---|
| 最大の周期を区切る | ゴング・アグン | 低く長い余韻で、曲の大きな帰着点を示します。 |
| 周期内部の節目を示す | クノン、クンプル、クトゥ、クンピャン | 大ゴングまでの時間を複数の区切りに分けます。 |
| 旋律の骨格を担う | スルントゥム、サロン・ドゥムン、サロン・バルン | 曲の基礎となる旋律を比較的明瞭に示します。 |
| 旋律を装飾する | ボナン、グンデル、ガンバン、サロン・プキン | 骨格の周囲に細かな音型や流れる線を加えます。 |
| 旋律を歌わせる | ルバブ、スリン、独唱、合唱 | 長く伸びる音や歌詞によって、金属音に柔らかな線を重ねます。 |
| 全体を導く | クンダン | テンポ、強弱、場面転換、舞踊の動きを合図します。 |
東京藝術大学小泉文夫記念資料室の教材では、中部ジャワの楽器配置、各楽器の写真、演奏映像を確認できます。楽器名を覚えるより、どの時間幅を担当しているかを聴き分けると合奏の構造が見えます。
ゴング類は音楽の句読点を作る
大ゴングだけが周期を作るのではなく、クノン、クンプル、クトゥ、クンピャンなどが異なる間隔で鳴り、長い時間を階層化します。小さな区切り、中ほどの区切り、最大の帰着点が重なる構造です。
クンダンは指揮棒を使わない合奏を導く
太鼓のクンダンは拍を刻むだけでなく、速度、強弱、開始と停止、舞踊の転換を示します。奏者はクンダンの音型と互いの呼吸を聴き、合奏を揃えます。
なぜ西洋の平均律と違って聴こえるのか
ガムランの独特な響きは、音階だけでなく、楽器一式ごとの調律、旋律の組み立て方、楽器間の音程差、周期構造によって生まれます。以下の理論用語は、主に中部ジャワのガムランを基準にしています。
スレンドロとペロッグ|二つの音階・調律体系
スレンドロは五つの音を基礎とし、各音の間隔が比較的均等に聴こえる体系です。ペロッグは七つの音の集合を持ち、実際の曲ではその中から五音程度を中心に使います。狭い音程と広い音程が混じるため、スレンドロとは異なる緊張感が生まれます。
どちらもピアノの平均律へ正確に置き換えるための体系ではなく、一組の楽器全体が固有の音程関係を持ちます。同じ「スレンドロ」の楽器一式でも、別のガムランとは音高や音程幅が異なります。
パテット|同じ音階の中で旋律の重心を変える
中部ジャワでは、音階をララス、旋法的な枠組みをパテットと呼びます。パテットは、中心になりやすい音、落ち着きやすい音、旋律の動き方、演奏される場面や時間帯と関わります。同じ音階の中で、どの音へ向かい、どこで落ち着くかを組織するのがパテットです。
バルンガン|複数の楽器が共有する旋律の骨格
バルンガンは、中部ジャワの曲で繰り返される基本的な旋律の骨格です。サロンやスルントゥムが比較的明瞭に示し、ボナン、グンデル、ルバブ、歌などが各楽器の語法で広げます。同じ曲の核を、粗い時間幅と細かな時間幅で同時に表すことで、厚い音の層が生まれます。
ゴングが時間を区切る|循環と変化が共存する構造
コロトミーとゴンガン
特定の打楽器が決まった位置で鳴り、時間の骨組みを示す仕組みは、英語で colotomic structure、日本語でコロトミーまたはコロトミック構造と呼ばれます。中部ジャワでは、大ゴングから次の大ゴングまでの大きな単位をゴンガンと呼ぶ場合があります。
大ゴングは周期の最後に置かれる強い重心です。西洋の拍子を一拍目から数える感覚とは異なり、ゴングへ向かって時間が満ち、到達すると次の周期が始まります。
同じ場所へ戻りながら音楽は前へ進む
周期の骨格が繰り返されても、装飾、歌、テンポ、音量、音の密度は変化します。ワヤンでは物語が進み、舞踊では身体の動きが変わります。ガムランの時間は、円環と直線のどちらか一方ではなく、回帰を基礎に変化が積み重なる構造です。
イラマ|テンポと音の密度の関係
中部ジャワのイラマは、基本となる拍の進み方と、装飾楽器が音を入れる密度との関係を表します。表面のテンポが遅くなると、装飾楽器は一拍の内部へより多くの音を入れる場合があります。時間が広がり、その内側の動きが細かくなる感覚です。
ジャワ・バリ・スンダの違い
次の比較は、各地域で特に知られた代表的傾向です。中部ジャワにも速く力強い曲があり、バリにも静かな古典様式があります。
| 比較 | 中部ジャワ | バリ | 西ジャワ・スンダ |
|---|---|---|---|
| 代表的な編成・様式 | 宮廷系の大編成、ワヤン伴奏 | ゴン・クビャール、古典的な寺院・舞踊の編成 | ガムラン・デグンなど |
| 代表的な印象 | 深い余韻、歌や弦を含む多層的な響き | 急な強弱、鋭い音色、精密な交互奏 | 小編成の透明感、スリンを含む柔らかな響き |
| 合奏の特徴 | バルンガン、ゴング周期、イラマ | ペア楽器のうなり、コテカン、急激な転換 | デグン固有の楽器編成と旋律語法 |
| 結びつく場 | 宮廷、ワヤン、舞踊、儀礼、婚礼 | 寺院儀礼、舞踊劇、村の行事、観光公演 | 宮廷文化、儀礼、舞台、放送や現代作品 |
| 初心者の聴きどころ | 大ゴング、太鼓、歌と金属音の層 | コテカン、停止と再開、舞踊との同期 | 竹笛と金属音の関係、間を生かした旋律 |
中部ジャワ|宮廷とワヤンが育てた多層的な音
ジョクジャカルタとスラカルタの宮廷では、ガムランが舞踊、儀礼、ワヤン、礼法と結びつきました。ゴング周期の上にバルンガン、装飾楽器、ルバブ、歌が重なり、同じ時間を異なる密度で進みます。
「ジャワガムランはゆっくり」という印象は、宮廷系の静かな曲から生まれやすい説明です。実際には、軽快なランチャランや、大きな音量と速いテンポへ進む演奏もあります。
バリ|ゴン・クビャールの急変とコテカン
20世紀初頭に北バリで発展したゴン・クビャールは、爆発する、閃くという名の通り、急な強弱、停止、テンポ変化を特徴とします。二つのパートを互い違いに組み合わせるコテカンは、複数の奏者で一続きの高速音型を作ります。
バリでは、同種の鍵盤楽器をわずかに異なる高さへ調律し、同時に鳴らして「オンバッ」と呼ばれるうなりを作る編成があります。きらめく音色は、速さだけでなく、調律されたうなりからも生まれます。
バリのケチャ、ガムラン、ジェゴグを日本で体験できる催しについては、ケチャまつり完全ガイドで背景を解説しています。
西ジャワ・スンダ|デグンと竹笛の透明な響き
スンダ地域のガムラン・デグンは、中部ジャワやバリとは異なる楽器編成と音階感を持ちます。金属打楽器にスリンの長い旋律が重なり、余白を生かした透明な響きが特徴です。
「インドネシアのガムラン」をジャワとバリだけで代表させると、スンダの音楽文化が見えにくくなります。三地域を聴き比べることで、ガムランが単一様式ではなく、多数の地域文化を包む総称だと分かります。
ガムランの歴史|古代の図像から現代の無形文化遺産まで
8世紀のボロブドゥールに見える古い楽器文化
UNESCOの登録資料は、8世紀のボロブドゥール寺院の浮彫を、ガムランの実践に関わる考古学的証拠として挙げています。浮彫には打楽器、笛、弦楽器を含む演奏場面があります。古代ジャワに複数の楽器を組み合わせる音楽文化があり、後世の宮廷・儀礼・芸能の中で編成と技法が発展したことを示す手掛かりです。
ジャワとバリの王国・宮廷で編成が発達した
ヒンドゥー・仏教王国、イスラーム化後のジャワ宮廷、バリの諸王国では、音楽、舞踊、文学、宗教儀礼、王権が結びつきました。宮廷は楽器の製作、曲、演奏技法、舞踊を蓄積し、村落や寺院も独自の実践を支えました。
シュリーヴィジャヤ、マジャパヒト、ジャワとバリの王国史は、東南アジア王国史で地域間の交易と宗教文化を含めて整理しています。
植民地期の展示と録音が「異国の音」を作った
19世紀から20世紀初頭、オランダ領東インドの芸能はヨーロッパの博覧会や植民地展示で紹介されました。現地の儀礼や社会関係から切り離された舞台では、ガムランが「異国的で神秘的な音」として消費される面もありました。
1889年のパリ万国博覧会でジャワのガムランを聴いたクロード・ドビュッシーは、その音色、反復、旋法、層の発想から刺激を受けたとされます。ピアノ曲「パゴダ」は、その受容を考える代表例です。ただし、ジャワ音楽をそのまま移植した作品ではなく、西洋音楽の語法で再構成された表現です。
20世紀の変化|ゴン・クビャール、放送、学校教育
バリでは20世紀初頭にゴン・クビャールが広がり、舞踊と音楽の新しい様式が生まれました。インドネシア独立後は、芸術学校、大学、放送、文化政策、国際交流を通じて、地域のガムランが「インドネシア文化」として紹介される機会が増えました。
植民地支配、日本軍政、独立革命という近代史の流れは、インドネシア独立に加わった日本人たちでも扱っています。
2021年のUNESCO登録
ガムランは2021年、UNESCOの人類の無形文化遺産の代表一覧表に記載されました。登録対象には演奏者だけでなく、作曲・指導、調律、楽器製作、木彫、彩色、学校や地域での伝承も含まれます。
登録は古さや優劣を競う認定ではなく、文化を継承する人々と仕組みを守るための国際制度です。制度の意味は、世界の無形文化遺産入門で詳しく解説しています。
宮廷・村・寺院・劇場|ガムランが鳴る場所
宮廷と村落は対立する二つの世界ではない
ジャワの宮廷は曲、舞踊、礼法を蓄積する中心となり、村落では婚礼、祭り、共同体の行事、ワヤンなどでガムランが演奏されました。宮廷の奏者と地域の奏者、都市と村、伝統芸能と教育は相互に影響してきました。
バリでは寺院儀礼、葬送、婚礼、舞踊劇、村の組織がガムランと結びつきます。演奏は舞台上の作品であると同時に、儀礼を成立させ、人を集め、共同作業を行う実践です。
ワヤン・クリ|ダランが物語と音楽を動かす
ワヤン・クリは、革製の人形を灯火と幕で映す影絵人形劇です。ダランと呼ばれる人形遣いが、人形操作、登場人物の声、語り、歌、冗談、場面転換を担い、ガムランへ合図を送ります。
題材には『マハーバーラタ』『ラーマーヤナ』由来の物語が多く、ジャワやバリの宗教観、社会、政治、笑いの文化に合わせて再構成されてきました。ガムランは戦闘、旅、恋愛、神々や道化の登場を音で区別し、長い上演の時間を支えます。
舞踊|身体の動きが太鼓と同期する
ジャワの宮廷舞踊では、視線、指先、足運び、静止が大きなゴング周期の中に置かれます。バリ舞踊では、目、指、首、肩、足の細かな動きと急な停止が、クンダンや合奏の変化に鋭く同期します。
映像で鑑賞すると、太鼓の合図、踊り手の動き、大ゴングの帰着点が結びつき、ガムランが伴奏以上の役割を持つことを確認できます。
西洋クラシック音楽・日本音楽との比較
比較は理解の補助です。西洋音楽、日本音楽、ガムランの各内部には多様な時代と様式があります。ここでは、典型的な西洋クラシック音楽と中部ジャワのガムランを中心に比べます。
| 観点 | 典型的な西洋クラシック音楽 | 中部ジャワのガムラン |
|---|---|---|
| 時間の組織 | 拍子、和声進行、主題展開、終止が方向感を作る | ゴング周期と音の密度の変化が方向感を作る |
| 調律 | 現代の演奏では平均律を広く使用する | スレンドロ、ペロッグを楽器一式ごとに調律する |
| 合奏の組み立て | 旋律、和声、対位法を楽譜上で組織する | 旋律の骨格を異なる密度と音色で同時に広げる |
| 指揮と合図 | 指揮者が視覚的に統率する編成が多い | クンダン、呼吸、共有された型が合奏を導く |
| 作品と場 | 作品を異なる場所・編成で再演する制度が発達した | 楽器一式、共同体、儀礼、舞踊、物語との結びつきが強い |
日本の雅楽、能楽、祭囃子にも、音、舞、儀礼、場が一体になる例があります。ただし、音階、歴史、演奏制度はガムランと別の体系です。共通点と相違点は、日本音楽史まるわかりガイドと西洋だけじゃない音楽史で比較できます。
世界への広がり|研究、大学教育、現代作品
20世紀後半以降、ガムランは欧米、日本、オーストラリアなどの大学、博物館、演奏団体へ広がりました。民族音楽学では、録音や楽譜だけで分析する方法に加え、研究者自身が演奏を学ぶ実践が重視されました。
海外のガムラン団体では、伝統曲の演奏、新作、電子音楽、演劇、舞踊との共同制作が行われています。インドネシアの作曲家も、地域の楽器と現代的な作曲法を結びつけてきました。
ガムランを「静かな癒やしの音楽」だけで捉えると、ゴン・クビャールの激しさ、ワヤンの劇性、スンダの響き、現代作品の実験性が抜け落ちます。地域と場を確認して聴くことが、音楽の意味を理解する近道です。
初めて聴くときの五つのポイント
1.大ゴングの帰着点を探す
最も低く長いゴングが鳴る位置を覚えます。次の周期で同じ場所へ戻る感覚が生まれます。
2.太鼓の合図を聴く
テンポ、音量、停止、再開が変わる直前にクンダンへ注目します。舞踊の映像では、身体の動きとの対応も見えます。
3.低音・中音・高音を分ける
低い楽器は長い時間を区切り、中音域は旋律の骨格を示し、高い楽器は細かな装飾を加えます。三層を順に聴くと密集した音が整理されます。
4.ジャワ・バリ・スンダを聴き比べる
中部ジャワの歌を含む大編成、バリのゴン・クビャール、スンダのデグンを続けて聴くと、地域差が明確になります。
5.演奏される場を確認する
コンサート、寺院儀礼、舞踊、ワヤンでは、同じ楽器でも役割が変わります。曲名だけでなく、地域、編成、上演目的を確認します。
よくある誤解
誤解1:ガムランは一つの楽器である
ガムランは、複数の楽器からなる一式と、その合奏を指します。ゴングやサロンはガムランを構成する個別の楽器です。
誤解2:ジャワとバリは同じ音楽である
楽器名、調律、編成、演奏技法、儀礼との関係が異なります。さらにスンダ、東ジャワ、ロンボクなどにも地域様式があります。
誤解3:楽譜を使わないため単純である
数字譜などの記譜法があり、口伝、模倣、身体記憶、合図も重視されます。複数の奏者が互いの音を聴いて一つの高速音型や長い周期を作る高度な共同作業です。
誤解4:音程が外れている
楽器一式ごとに設計された調律体系です。バリのペア楽器では、意図的な音程差がうなりを生みます。
誤解5:古代から同じ形で続いている
古い楽器文化を受け継ぎながら、宮廷、村落、植民地支配、観光、学校教育、放送、現代作曲の影響を受けて編成と演奏法が変化してきました。
現代の継承と日本での体験
インドネシアでは、家庭、地域の団体、寺院、学校、芸術大学を通じてガムランが継承されています。奏者だけでなく、楽器製作者、調律師、彫刻師、塗師、舞踊家、ダラン、教師が文化を支えます。
日本でも演奏団体、大学、文化施設、ワークショップで体験できます。録音で構造を覚えた後、生演奏で大ゴングの振動とペア楽器のうなりを聴くと、ガムランが空間全体を使う音楽だと分かります。
FAQ
ガムランはどこの国の音楽ですか?
インドネシアの音楽です。中部ジャワ、バリ、西ジャワのスンダ地域が特によく知られ、地域ごとに編成、調律、演奏技法が異なります。
ガムランという名前の意味は何ですか?
ジャワ語で打つ、たたく行為に関係する語から生まれたと説明されます。現在は合奏と楽器一式の両方を指します。
どの楽器が一番重要ですか?
役割によって重要性が変わります。大ゴングは周期の帰着点、クンダンは合奏の進行、サロン類は旋律の骨格、装飾楽器は音の密度を担います。
何人くらいで演奏しますか?
小編成から数十人規模まで幅があります。大編成では、ゴング、鍵盤打楽器、太鼓、笛、弦、歌を多くの奏者が分担します。
スレンドロとペロッグをピアノで弾けますか?
近似音を使った説明や編曲は可能です。実際のガムランは楽器一式ごとに固有の調律を持つため、ピアノでの再現は近似になります。
ガムランは宗教音楽ですか?
寺院や宗教儀礼で演奏される一方、宮廷、婚礼、ワヤン、舞踊、劇場、学校、コンサートでも演奏されます。地域と上演の目的によって役割が変わります。
ジャワとバリのどちらから聴くとよいですか?
大きな周期と余韻を聴くなら中部ジャワ、急な変化とコテカンを聴くならバリのゴン・クビャールが入口になります。続けてスンダのデグンを聴くと、地域差がさらに明確になります。
まとめ|ガムランは周期の中で変化する共同体の音楽
ガムランは、インドネシアの合奏音楽と楽器一式を指します。楽器ごとに担当する時間幅が異なり、大ゴングが長い周期を区切り、太鼓が進行を導き、旋律楽器と歌が音の層を作ります。
中部ジャワ、バリ、スンダでは、調律、楽器、演奏法、社会的な場が異なります。「循環する時間」は共通点を理解する入口ですが、周期の内部では音の密度、舞踊、物語が変化し続けます。古代の楽器文化、王国と宮廷、村落と寺院、植民地期、学校教育、現代作品が重なって、現在のガムランがあります。
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参考文献・参考サイト
- UNESCO Intangible Cultural Heritage “Gamelan”
- UNESCO “Decision of the Intergovernmental Committee: 16.COM 8.b.16”
- 東京藝術大学小泉文夫記念資料室「ガムラン」
- 東京藝術大学小泉文夫記念資料室「ジャワ島のガムラン1(楽器)」
- 東京藝術大学小泉文夫記念資料室「ジャワ島のガムラン2(リズム)」
- 東京藝術大学小泉文夫記念資料室「ジャワ島のガムラン3(メロディー)」
- 東京藝術大学小泉文夫記念資料室「バリ島のガムラン」
- Cornell University Department of Music “Gamelan”
- University of Michigan Center for Southeast Asian Studies “On the Spirit of Tuning”
- University of Michigan “Indonesia: Javanese Gamelan Music”
- Sumarsam “Temporal and Density Flow in Javanese Gamelan”
- Michael Tenzer “Theory and Analysis of Melody in Balinese Gamelan”
- Smithsonian Folkways “Music of Indonesia”
- 東京国立博物館 “Wayang Kulit: Heroes from the Mahabharata”
- NPO法人日本ガムラン音楽振興会
- ABC Classic “Classically Curious: Debussy and the Paris Expo of 1889”

