SPEXA 2027完全ガイド|国際宇宙ビジネス展の展示・カンファレンス・参加方法を解説

国際宇宙産業展ISIEX 2027の会場となる東京ビッグサイト

SPEXA 2027は、2027年5月12日(水)から14日(金)まで東京ビッグサイトで開催される「SPEXA -[国際]宇宙ビジネス展-」です。ロケット、人工衛星、地上システム、部品・素材、衛星データ、宇宙空間利用など、宇宙産業の製品・技術・サービスが集まります。

一般向けの科学イベントというより、企業・官公庁・研究機関・大学などが製品比較、導入検討、商談、情報収集を行うBtoB(企業間取引)中心の展示会です。大学生・大学院生も来場対象に含まれています。2027年の来場登録は2027年2月頃に開始予定で、来場登録と入場は無料と案内されています。

SPEXA 2027の会場となる東京ビッグサイト
東京ビッグサイト。SPEXA 2027の開催会場。

SPEXA 2027の開催概要

名称SPEXA -[国際]宇宙ビジネス展-
会期2027年5月12日(水)~14日(金)
時間10:00~17:00
会場東京ビッグサイト 南ホール
主催RX Japan
来場登録2027年2月頃に開始予定
入場来場事前登録が必須。来場登録・来場は無料

2026年は322社が出展し、3日間の来場者数は16,422名でした。公式英語版の開催総括では、出展者は17の国・地域、来場者は37の国・地域から集まり、50のカンファレンスセッションを開催したと報告されています。2027年の個別出展社や講演者は今後の発表分を確認し、未発表事項は2026年実績と分けて見る必要があります。

2026年は何が見られた?模型・CubeSat・世界の宇宙機関まで

2026年の会場は「開発・インフラ支援エリア」と「衛星データ・宇宙空間 活用エリア」の2エリアで構成されました。特別展示では、火星衛星探査計画MMXの模型と実物大の「はやぶさ2」模型が並び、宇宙機の大きさや構造を一般来場者にも想像しやすい形で紹介しました。

CubeSatサロンでは小型衛星の開発・利用、教育、研究、宇宙産業参入、起業、投資まで相談でき、SPEXAディスカバリー(ピッチステージ)では出展者が5分で技術や事業を紹介しました。世界の宇宙機関パビリオンでは海外機関との情報交換や連携機会が設けられ、展示会が国内企業だけの製品比較から国際的な事業連携の場へ広がっていることが分かります。

JAXA協力企画では、宇宙戦略基金(Space Strategy Fund)の採択企業・機関のうちSPEXA出展者をまとめて紹介しました。宇宙戦略基金は、民間企業や大学などによる宇宙技術開発を複数年度で支援し、輸送、衛星、探査などの競争力を高めるための制度です。会場では基金そのものを制度説明として見るだけでなく、支援対象の技術が実際の製品・事業へどうつながるかを出展ブースで確認できます。

SPEXAとは?何が集まる?

宇宙産業は、ロケット会社や人工衛星メーカーだけで成り立つ産業ではありません。衛星に搭載する電子機器やセンサー、素材・部品、地上局、通信設備、衛星データ解析、打ち上げ、軌道上サービスなど、多くの企業が一つの事業を支えます。

SPEXAでは、こうした製品・技術・サービスを同じ会場で比較できます。公式の来場案内も、製品・技術・サービスの比較検討と導入、ネットワーキング、課題解決のための情報収集を主な目的として掲げています。

宇宙ビジネスの中心となる人工衛星を理解するための日本初の人工衛星「おおすみ」実験模型
日本初の人工衛星「おおすみ」の実験模型。SPEXA 2027の展示品ではなく、人工衛星の歴史を説明する参考画像です。

CubeSatとは?

CubeSat(キューブサット)は、約10センチ角を基本単位として設計する小型人工衛星の規格です。共通規格によって衛星の設計や打ち上げへの搭載方法を標準化しやすく、大学、研究機関、スタートアップが衛星開発へ参加する入口を広げました。

小型衛星を多数運用する事業では、衛星本体だけでなく、量産、打ち上げ、地上局、通信、データ処理まで一体で考える必要があります。多数の衛星を協調運用して広い地域を高頻度で観測・通信する仕組みは「衛星コンステレーション」と呼ばれます。地球観測では同じ場所を短い間隔で撮影しやすくなり、通信では広い地域をカバーできます。SPEXAで部品メーカー、衛星運用会社、通信会社、IT企業まで並ぶ理由の一つです。

多数の小型衛星を宇宙へ運ぶロケット打ち上げの例
Starlink衛星を搭載したFalcon 9の打ち上げ。SPEXAの展示写真ではなく、現代の衛星ビジネスを説明する参考画像です。

衛星データは誰が使う?

人工衛星が集めるデータは、農業、防災、金融、保険、物流、インフラ監視など地上の産業でも使われます。農地の生育状況を広域で確認したり、災害後の被害範囲を把握したり、同じ地域の変化を継続観測したりできます。

宇宙ビジネスには「宇宙で機械を動かす事業」だけでなく、「宇宙から得たデータを地上の仕事へ使う事業」も含まれます。2026年のSPEXAも「衛星データ・宇宙空間 活用エリア」を設けていました。

商業宇宙ステーションとは?

国際宇宙ステーション(ISS)は各国の政府機関が中心となって運用してきました。ISS後を見据え、民間企業が運営する商業宇宙ステーションの計画が進み、研究、製造、宇宙実験、民間利用などの用途が検討されています。

SPEXAのカンファレンスでも商業宇宙ステーションや有人宇宙活用がテーマになっています。ロケットや衛星の製造だけでなく、宇宙空間そのものを事業の場所として使う段階へ産業が広がっているためです。

月面ビジネスは何をする?

月面活動が増えると、探査機を送るだけでなく、輸送、通信、測位、電力、建設、資源調査などのインフラが必要になります。地球上で都市や産業を支える技術の一部を、月面環境へ適応させる仕事が生まれます。

建設会社、通信会社、素材メーカー、機械メーカーなど、一見すると宇宙専業に見えない企業が宇宙事業へ参入する背景にも、こうした需要があります。

なぜ建設・通信・金融会社まで宇宙へ?

宇宙市場が広がると、ロケットと人工衛星だけでは事業を完結できません。月面基地には建設技術、衛星通信には通信インフラ、衛星や打ち上げには保険・金融、衛星データの利用にはITや解析技術が必要です。

2026年のSPEXAには、宇宙業界の企業に加えて製造、通信、建設、官公庁・自治体など異業種からも来場しました。宇宙産業へ新規参入したい企業向けの展示企画も設けられています。

SPEXAではカンファレンスも聞ける

SPEXAは展示だけでなく、宇宙ビジネスの実務や政策を扱うカンファレンスも大きな柱です。2026年は40以上開催され、日本の宇宙産業戦略、ロケット・人工衛星の設計開発、衛星データ利活用、月面探査、商業宇宙ステーション、海外動向などが扱われました。

カンファレンスは無料で、展示会への来場登録があれば参加できる案内です。2027年の具体的な講演者・プログラムは今後の公式発表で更新されます。

2024・2025・2026|3年間でどう拡大した?

SPEXAは2024年4月24日~26日に東京ビッグサイトで初開催されました。出展者は83社、来場者は11,588名と報告され、NEC、スカパーJSAT、QPS研究所など宇宙関連企業に加え、物流、加工、ITなど新規参入を目指す企業も出展しました。70を超えるカンファレンスでは、宇宙政策、衛星データ、一次産業、自治体、マーケティングなど、宇宙技術を地上産業へ広げる議論が行われました。

第2回の2025年は7月30日~8月1日に開催され、公開資料では180社以上、約10,800名へと規模が拡大しました。会場では、衛星画像をAIで解析して建物を自動図化したり3Dデータを作ったりする展示が登場し、「宇宙から撮った画像」が地図やインフラ管理の道具へ変わる過程を目の前で見られました。カンファレンスでは、ソフトバンクが地上の携帯網と衛星・HAPSを組み合わせる構想、TellusがAI×宇宙データの将来、富士通がAI搭載衛星と宇宙天気を紹介。天地人は衛星データから水道管の老朽化リスクを見つける事例を自治体とともに説明し、宇宙技術が道路の下の水道管までつながることを実感できる内容でした。

第3回の2026年は322社、16,422名まで拡大し、出展者は17の国・地域、来場者は37の国・地域に広がりました。特別展示では、火星の衛星フォボスから試料を持ち帰るMMXの模型と、実物大の「はやぶさ2」模型が並び、宇宙探査機の大きさを人の身体と比べながら見られました。CubeSatサロンでは手の届く小型衛星から事業参入や教育利用まで相談でき、5分間のピッチステージでは次々と異なる宇宙ベンチャーの技術が紹介されました。世界の宇宙機関パビリオンやJAXA協力の宇宙戦略基金企画も加わり、ロケットや衛星を眺めるだけでなく「誰と組んで、何を事業にするか」まで会場で動いている展示会になりました。

初参加2~3時間なら、模型→CubeSat→衛星データ→ピッチの順で回る

宇宙業界に詳しくない人は、まず大型模型や探査機の展示から入ると会場の縮尺をつかみやすくなります。2026年実績を参考にすると、MMXや実物大はやぶさ2のような目で見て分かる展示で宇宙機の構造を確認し、次にCubeSatサロンで「小さな衛星なら誰が何に使えるのか」を聞く流れが理解しやすいでしょう。

その後は衛星データ・宇宙空間活用エリアへ移り、農業、防災、インフラ、通信など地上の仕事につながるサービスを2~3社見ると、宇宙ビジネスがロケット製造だけではないことが分かります。最後にSPEXAディスカバリーのような短時間ピッチや興味のあるカンファレンスを1本加えると、「作る→飛ばす→使う→事業にする」という流れを2~3時間で追えます。

ISIEXとの違い|主催・開始年・同時開催で比べる

同じ東京ビッグサイトで開かれる宇宙産業展示会には、国際宇宙産業展ISIEXもあります。SPEXAはRX Japan主催で2024年開始。展示、カンファレンス、ピッチ、CubeSat相談、ネットワーキングを組み合わせ、宇宙ビジネスへの新規参入や商談を強く意識した構成です。

ISIEXは日刊工業新聞社主催で2022年開始し、G空間EXPO、防災産業展、グリーンインフラ産業展などと同時開催されます。月面開発フォーラムや国際宇宙カンファレンスとの連携もあり、宇宙産業を地理空間情報、防災、社会インフラと続けて見られる点が特徴です。衛星、ロケット、月面、宇宙データなど展示分野は重なりますが、SPEXAは宇宙ビジネスそのものを一日深掘りしやすく、ISIEXは周辺産業とのつながりを横断して見やすいという違いがあります。

SPEXAは一般向けイベントとどう違う?

SPEXAは、宇宙模型や体験展示を主目的にした一般向け科学イベントとは性格が異なります。主な来場対象は、宇宙関連企業の経営・設計・研究・製造部門、宇宙を活用する事業者、投資家、大企業の新規事業部門、政府・自治体・研究機関・大学関係者などです。

初めて行く場合は、「珍しい宇宙機を見る場所」だけでなく、「どの会社が、誰のどんな課題を解決しようとしているか」を見ると会場の意味が分かりやすくなります。名刺交換や商談を前提としたブースも多いため、見学目的でも企業説明の流れを妨げない回り方が向いています。

まとめ

SPEXAは、ロケット、人工衛星、地上設備、部品・素材、衛星データ、月面開発、宇宙空間利用まで、宇宙を産業として成立させる企業・技術を一度に比較できる展示会です。

2027年は5月12日(水)~14日(金)に東京ビッグサイトで開催され、来場登録は2027年2月頃に開始予定です。出展社やカンファレンスの詳細が公開されたら、注目分野と回り方を追記します。

公式情報・参考資料