唯一残る都電荒川線を貸切&全停留場を巡ります

都電荒川線は東京に残る唯一の都電で、三ノ輪橋~早稲田間(12.2km・30停留場)を運行しています。地域の身近な足として長年親しまれ、沿線には、桜やバラなど花の見どころや歴史・文化に触れられる名所旧跡、生活感あふれる昔ながらの商店街など多様で魅力あるスポットが満載です。

荒川線は、王子電気軌道によって敷設された路線を東京市が買収し、都電27系統(三ノ輪橋 – 赤羽)ならびに32系統(荒川車庫前 – 早稲田)と称して2路線を別々に運行していました。交通渋滞深刻化ならびに赤字公共事業整理を背景に、1967年から都電を相次ぎ廃止しました。現在の荒川線の区間も廃止予定でしたが、自動車通行への支障が少ないこと、明治通りの渋滞が恒常的で路線バスは定時運行が困難であることなどから大部分が存続することとなりました。1974年10月1日より、27系統と32系統を統合して三ノ輪橋 – 早稲田間での一体運行を開始し、同時に「荒川線」の名称が制定されました。

都電(東京都電車)の歴史についてはこちら

貸切で選択できる車両一覧

各駅の説明

SA-01 三ノ輪橋
1913年開業

SA-02 荒川一中前
別名、ジョイフル三ノ輪前。2000年に開設された都電荒川線で最新の停留場。三ノ輪銀座商店街(通称・ジョイフル三ノ輪)が寂れてきているため、停留場を誘致した。停留場開設の経済的効果は微々たるものであった、と報告されている。

SA-03 荒川区役所前
近くに荒川区役所がある

SA-04 荒川二丁目
別名、ゆいの森あらかわ前。近くに吉村昭記念文学館がある。吉村昭は荒川区生まれの作家。

SA-05 荒川七丁目
東京都下水道局三河島水再生センターがある。1922年(大正11年)に稼動を開始した日本で最初の近代的な下水処理場であり、旧施設が国の重要文化財に指定されている。

SA-06 町屋駅前
京成電鉄の本線と東京メトロの千代田線の2路線が乗り入れ、両線の駅施設の間に都電荒川線の町屋駅前停留場が隣接する。

SA-07 町屋二丁目
間開業時に町屋停留場として開業。

SA-08 東尾久三丁目
近くに「北豊島中学校・高等学校」という中高一貫の女子高がある。1932年の大東京市(東京35区時代)までの東京15区時代は、現在の豊島区、北区、荒川区、板橋区、練馬区は北豊島群と呼ばれていた。

SA-09 熊野前
別名、東京都立大学荒川キャンパス前。東京都交通局日暮里・舎人ライナーの駅でもある。かつて東尾久地域に存在した「熊野神社」にちなむ。この神社は王子電気軌道開通前の明治初期に廃社され、行政上の地名としては現存しないが、周辺商店街などに名を残している。

SA-10 宮ノ前
荒川線で唯一、ホームが上下とも道路上にある

SA-11 小台
小台(おだい)は、北の隅田川を挟んだ対岸の足立区の地名で、足立区小台には東京都交通局日暮里・舎人ライナーの足立小台駅があるが、当停留場からは大きく離れている。

SA-12 荒川遊園地前
付近にある遊園地「あらかわ遊園」に因む。1913年、王子電気軌道開業時に「荒川遊園前停留場」として開業。1922年5月 – 失火で操業停止した旧煉瓦工場跡地に、工場経営者の広岡勘兵衛が私立遊園地「荒川遊園」を開園(王子電気軌道株式会社が建設したとの異説あり)。

SA-13 荒川車庫前
荒川区最西端かつ最北端の停車場。

SA-14 梶原
1913年(大正2年)4月1日:王子電気軌道三ノ輪(現・三ノ輪橋) – 飛鳥山下間開業時に、終点の飛鳥山下停留場として開業。都電もなかで有名な菓子店「明美製菓」がある。都電車両の形をしているため、一口では頬張れないほどの大きさである。

SA-15 栄町
化粧品会社のコーセーとアルビオンの研究所がある。

SA-16 王子駅前
遅延時など、複数の電車の乗降ができるように有効長が長い。早稲田方面は当停留場を出てすぐ左にカーブし、明治通り上の併用軌道区間に入る。ちなみに近くのJR王子駅の開業は1883年で、現在の東北本線で最も古い駅の一つ。

SA-17 飛鳥山
1911年(明治44年)、王子電気軌道の最初の開業区間として、大塚停留場(現・大塚駅前停留場)までの区間が営業を開始した際に起点の停留場として開業

SA-18 滝野川一丁目
何いもない

SA-19 西ヶ原四丁目
何いもない

SA-20 新庚申塚
中山道(国道17号)新道整備に伴い、1929年(昭和4年)に新道との交差点に接する形で開設された。

SA-21 庚申塚
近くに巣鴨地蔵通り商店街(旧中山道)がある

SA-22 巣鴨新田
近くに進学校として有名な巣鴨高等学校がある

SA-23 大塚駅前
1911年(明治44年)8月20日:王子電気軌道飛鳥山上(現・飛鳥山) – 大塚間開業時に大塚停留場として開業。ちなみにJR大塚駅は1903年(明治36年)4月1日:日本鉄道の駅として開業。花街として繁栄した。

SA-24 向原
むこうはら。1925年(大正14年)11月12日:王子電気軌道大塚駅前 – 鬼子母神前間開業時に開業。近くにサンシャインシティ。

SA-25 東池袋四丁目
サンシャインシティへの最寄停留場であり、「サンシャイン前」の停留場副名称を持つ。

SA-26 都電雑司ヶ谷
旧雑司が谷宣教師館。豊島区役所

SA-27 鬼子母神前
きしぼじんまえ。1925年(大正14年)11月12日:王子電気軌道大塚駅前 – 鬼子母神前間開業時に開設。当時は終点。駅名の元となっている法明寺の鬼子母神堂は「きしもじん」と読みこちらが本来正しい。

SA-28 学習院下
1928年(昭和3年)12月25日に王子電気軌道が鬼子母神前から面影橋まで延伸した際に設置された。学習院大学、大正製薬本社、ビックカメラ本社がある。

SA-29 面影橋
1928年(昭和3年)12月25日:王子電気軌道の鬼子母神前 – 面影橋間開業時に終点として開業。停留場名の由来となった面影橋は、江戸時代から代替わりしながらこの位置に架かる橋である。橋の対岸には太田道灌ゆかりの山吹伝説の碑がある。

SA-30 早稲田
1918年(大正7年)7月6日:東京市電江戸川線の江戸川橋 – 早稲田間開業と同時に開業。1930年(昭和5年)3月30日:王子電気軌道が面影橋 – 早稲田間を開業。早稲田キャンパスまでは徒歩3分、東西線の早稲田駅までは徒歩11分。

明美製菓の商品

都電もなか

都電もなか
第20回全国菓子大博覧会厚生大臣賞受賞。最高級の北海道小豆と白玉から作った、口当たりの良い求肥入りです。

王子の狐

王子の狐
こし餡入り薯蕷(じょうよ)まんじゅう。チョコンと乗ったかんざしが四季の変化を表現し、白キツネの頭の様子を拵えたお菓子です。

飛鳥山  吉宗桜三昧

飛鳥山 吉宗桜三昧
第23回全国菓子大博覧会名誉総裁賞受賞。見た目もあざやかに、羽二重餅(はぶたえもち)と香りほのかな特製桜饀の絶妙なハーモニーが楽しめます。

この記事を書いた人
ゆる歴史散歩会 会長
なかまつ

北海道大学工学部卒。美術館は週に2回、海外旅行は年に6回行く、ゴリゴリの理系出身のIT系ビジネスマン。隣が図書館のため毎月10冊の本を借りている。趣味の延長で、東京の歴史や芸術を楽しむゆる〜いイベントを企画している。

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