芝公園・東京タワー歴史散歩|冬のイルミネーション開催レポート

芝公園・東京タワー イルミネーション散歩

2024年12月19日19時30分、13人で東京プリンスホテルから芝公園、ザ・プリンス パークタワー東京、東京タワーへ歩きました。イベント名は「芝公園と東京タワーを散策します」。冬のイルミネーションと芝公園一帯の歴史を楽しむ夜散歩です。

今回はたくさんの参加者とともに、冬の芝公園を抜け、東京タワーのイルミネーションまで歩きました。展望台には上らず、地上から東京タワーの鉄骨や光を見上げながら、芝公園一帯に重なる江戸・明治・昭和の歴史もたどりました。

開催概要

  • 開催日:2024年12月19日 19:30
  • 参加人数:13人
  • コース:東京プリンスホテル~芝公園~ザ・プリンス パークタワー東京~東京タワー
  • テーマ:芝公園と東京タワーを散策します
  • 東京タワー展望台:利用なし

東京プリンスホテルからスタート|60周年のロスフラワー装飾

集合場所は東京プリンスホテルのロビーでした。ホテルは1964年に芝公園の地で開業し、2024年9月1日に60周年を迎えています。訪れた12月には、60周年を記念したサステナブルデコレーションがロビーを彩っていました。

東京プリンスホテルの60周年ロスフラワー装飾
東京プリンスホテルのロビーを彩る、開業60周年記念のロスフラワー装飾。

この装飾には、まだ美しい状態でありながら廃棄予定となった「ロスフラワー®」が使われています。東京プリンスホテルは株式会社RINと協業し、60年の「時を紡いできた」ホテルを球体と円で表現。円には文字盤を思わせる意匠を施し、時計のように時間を重ねてきたホテルの歩みを表していました。2024年冬の装飾にはバラ、ケイトウ、ブルーアイス、ヒムロスギが使われています。

東京プリンスホテル60周年スペシャルデコレーションの案内
60周年スペシャルデコレーションの案内。ロスフラワーを使い、60年の「時」を表現しています。
東京プリンスホテルの60周年装飾を見る参加者
東京プリンスホテルのロビーで、60周年記念のサステナブルデコレーションを見学。

芝公園へ|江戸の寺院空間と明治の公園が重なる場所

ホテルを出て、夜の芝公園へ向かいました。園路の照明と冬木立の間を進むと、都心でありながら落ち着いた夜の景色が続きます。

夜の芝公園を歩く参加者
東京プリンスホテルから芝公園へ。街灯に照らされた園路を歩きました。

芝公園は1873年(明治6年)の太政官布達を受けて設けられた、日本最初期の公園の一つです。江戸時代、この一帯は徳川将軍家の菩提寺である増上寺を中心に、子院や学寮、将軍霊廟が広がる寺院空間でした。現在も公園と増上寺周辺を歩くと、都市公園の景観の中に江戸時代の建築や墓所の痕跡が残っています。

芝公園から眺めた冬の東京タワー
芝公園から眺めた東京タワー。冬の夜空にカラフルなライトアップが映えます。

ザ・プリンス パークタワー東京を抜けて東京タワーへ

芝公園を進み、ザ・プリンス パークタワー東京の周辺へ。館内にはクリスマスツリーが並び、ホテルを出ると東京タワーの光がさらに近づいてきました。

ザ・プリンス パークタワー東京のクリスマスツリー
ザ・プリンス パークタワー東京で見たクリスマスツリー。

東京タワーの冬イベント|Orange illumination 2024

東京タワー正面玄関前広場では、2024年11月15日から12月25日まで「TOKYO TOWER Winter Fantasy ~Orange illumination 2024~」が開催されていました。高さ10メートルの「リトル東京タワー」を中心に、モミの生木や光のオブジェが配置され、LED約42,000個が会場を照らす冬季イベントです。

東京タワー ウィンターファンタジー2024の会場
東京タワー正面玄関前広場の「TOKYO TOWER Winter Fantasy ~Orange illumination 2024~」。

リトル東京タワーは16時から22時30分まで15分ごとに、オリジナルBGMに合わせたライティングショーを実施。東京タワー本体を間近に見上げながら、小さな東京タワーやクリスマスツリーの灯りも同時に楽しめる空間になっていました。

東京タワーの足元とクリスマスイルミネーション
東京タワーの足元を彩る冬のイルミネーション。
東京タワー ウィンターファンタジー2024の光のガゼボ
会場を彩る光のガゼボ。ミラー状のオーナメントが周囲の光を映します。
クリスマスツリー越しに見える東京タワー
クリスマスツリー越しに見上げる東京タワー。足元ならではの迫力ある景色です。
東京タワーのクリスマス会場とフードトラック
東京タワーのクリスマス会場。イルミネーションの下にフードトラックが並んでいました。
真下から見上げた夜の東京タワー
東京タワーの真下から見上げた鉄骨構造。地上からでも塔のスケールを実感できます。
東京タワーのクリスマスイルミネーションとスノーマン
東京タワーのクリスマスイルミネーション。光に包まれた会場でスノーマンが迎えていました。

冬の夜散歩を13人で締めくくる

最後は東京タワーのイルミネーションを背景に記念撮影。13人で冬の芝公園から東京タワーまで歩きました。江戸時代の将軍霊廟、明治の公園、昭和の電波塔を短い距離でつなぎ、夜景や季節の装飾も一緒に楽しめるコースでした。

東京タワー ウィンターファンタジー2024での集合写真
2024年12月19日、東京タワーの冬のイルミネーション会場で記念撮影。13人で夜散歩を楽しみました。

今回の散歩コース

  1. 東京プリンスホテル ロビー
  2. 旧台徳院霊廟惣門
  3. ザ・プリンス パークタワー東京周辺
  4. 東京タワー

この開催ではTimeWalkは利用していません。周辺を自分で歩く際は、記事末尾で紹介しているTimeWalkから現在地周辺の歴史スポットを探せます。

芝公園は増上寺の境内から生まれた

芝公園は1873年(明治6年)、太政官布達を受けて上野・浅草・深川・飛鳥山とともに指定された、日本で最初の公園の一つです。開園日は同年10月19日。現在は増上寺を囲むような形ですが、当初は増上寺の境内を含む広い範囲が公園でした。

江戸時代のこの一帯は、徳川将軍家の菩提寺である増上寺を中心に、子院や学寮、将軍霊廟が広がる大きな寺院空間でした。戦後、政教分離によって寺院の境内が公園区域から外れ、現在のような環状の芝公園になりました。公園の中に古い門や樹木が点在しているのは、こうした土地利用の変化を受け継いでいるためです。

芝公園から望む東京タワー
芝公園から望む東京タワー。撮影:Ymblanter / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)

現在の芝公園には、4世紀後半に築かれたと考えられる芝丸山古墳も残っています。東京タワーの足元には、古墳、徳川将軍家の寺院空間、明治の公園、昭和の電波塔という異なる時代の痕跡が近接しています。

旧台徳院霊廟惣門|徳川秀忠の霊廟を伝える重要文化財

ザ・プリンス パークタワー東京の近くに立つ旧台徳院霊廟惣門きゅうたいとくいんれいびょうそうもんは、二代将軍徳川秀忠とくがわひでただの霊廟に設けられた正面の門です。台徳院は秀忠の院号で、惣門は1632年(寛永9年)に造られました。国の重要文化財に指定されています。

文化庁の国指定文化財等データベースでは、三間一戸の八脚門、入母屋造で、前後に唐破風を付けた構成とされています。大きな屋根と朱塗りの木部、左右に安置された仁王像が、かつての霊廟の格式を伝えます。

戦前の増上寺・旧台徳院霊廟惣門
戦前の旧台徳院霊廟惣門。二代将軍徳川秀忠の霊廟正門として1632年に造営されました(Wikimedia Commons/Public Domain)

台徳院霊廟には門だけでなく、拝殿や本殿、宝塔など壮大な建築群が並んでいました。その多くは1945年の空襲で失われ、現在の芝に残る惣門は、江戸時代の霊廟空間を現地で感じられる貴重な遺構です。増上寺の徳川将軍家墓所や三解脱門まで含めて歩く場合は、増上寺の見どころと歴史|徳川将軍家墓所・三解脱門・史跡散歩で詳しく紹介しています。

東京タワー誕生|テレビ時代を支えた333メートルの総合電波塔

東京タワーは1958年(昭和33年)12月23日に完成・開業した、高さ333メートルの総合電波塔です。1950年代にテレビ放送が急速に広がるなか、各放送局の電波塔を一本化する構想から建設されました。翌1959年にはテレビ各局の電波発射が始まっています。

設計指導を担ったのは、構造設計の第一人者内藤多仲ないとうたちゅうです。東京タワーは約1年半の工期で完成し、当時はパリのエッフェル塔を上回る世界最高の自立鉄塔でした。333メートルという高さは、東京を中心に関東一円へテレビ電波を届けるために必要な高さとして検討されたものです。

2013年には国の登録有形文化財となりました。文化庁は、鉄骨造・高さ333メートル・脚間80メートルの工作物として登録し、「国土の歴史的景観に寄与しているもの」と評価しています。観光名所として親しまれる姿そのものが、戦後東京の放送と都市景観の歴史を伝える文化財です。

東京タワーのライトアップ|冬はオレンジ色のランドマークライト

東京タワーの定番照明「ランドマークライト」は1989年1月1日に点灯を開始しました。塔体を180灯で照らし、夏は白を基調とするシルバーライト、冬は高圧ナトリウムランプによる温かいオレンジ色の光に変わります。現在の公式案内では、夏型は毎年7月7日から、冬型は10月初旬から点灯します。

2019年に始まった「インフィニティ・ダイヤモンドヴェール」は、塔体17段に設置された268台のLEDライトを使い、多彩な色と動きを表現するライトアップです。特別な点灯内容もあるため、訪問日の演出は東京タワー公式のライトアップ案内で確認できます。

夜にライトアップされた東京タワー
夜にライトアップされた東京タワー。撮影:JordyMeow / Wikimedia Commons(CC BY-SA 3.0)

地上から見る東京タワーの楽しみ方

展望台に上らなくても、芝公園側から近づくと東京タワーの鉄骨構造を下から大きく見上げられます。遠景では一本の塔に見える輪郭が、足元では四本の脚と細かなトラスへ分かれ、巨大な構造物を地面から支える形がよく分かります。

芝公園や増上寺周辺からは、寺院建築や樹木越しに東京タワーが立ち上がる景観も見られます。同じエリアの夜散歩の雰囲気は、増上寺七夕祭り「和紙キャンドルナイト」開催レポートや、竹芝~大門~芝公園の歴史夜散歩開催レポートでも紹介しています。

東京タワーへのアクセス

東京タワー公式案内では、都営大江戸線・赤羽橋駅から徒歩5分、東京メトロ日比谷線・神谷町駅から徒歩7分、都営三田線・御成門駅から徒歩6分、芝公園駅から徒歩10分です。増上寺や芝公園と組み合わせる場合は、御成門駅・芝公園駅・大門駅などから入り、史跡をたどりながら東京タワーへ向かう歩き方もできます。

参考にした主な公式情報

TimeWalkで現在地から歩ける史跡を探す

今回の開催ではTimeWalkは利用していません。TimeWalkは、現在地や指定地点の近くにある歴史スポットを地図で探し、自分で歴史散歩を楽しめるWebアプリです。別の日に芝公園や東京タワー周辺を歩くときは、現在地から歩ける史跡を地図で探すことができます。

芝公園から東京タワーへ、三つの時代を歩く

旧台徳院霊廟惣門には江戸時代の将軍霊廟、芝公園には明治初期の公園制度、東京タワーには昭和のテレビ時代が刻まれています。2024年12月19日は、そこに東京プリンスホテル60周年の装飾と東京タワーの冬のイルミネーションが重なりました。13人で、芝公園の歴史と冬の夜景を一緒に歩いた開催となりました。