JAXA宇宙教育センターの無料オンライン講座「JAXAアカデミー」は、2026年10月23日(金)に「月探査の未来へ―LUPEXと月探査最前線―」を開催します。月極域探査機LUPEX、月の水資源、月の起源と進化、月面ローバー開発を、研究者・技術者が2時間にわたって解説します。高校生〜大学2年生向けの内容ですが、一般の人も参加できます。
JAXAアカデミー2026「月探査の未来へ」の開催概要
- 開催日:2026年10月23日(金)
- 時間:18:30〜20:30
- 開催方式:Zoomウェビナー
- 参加費:無料
- 主対象:高校生〜大学2年生
- 一般参加:可能
- 定員:先着1,000名
- 申込期間:2026年9月30日(水)〜10月23日(金)のセミナー終了まで
JAXAアカデミーとは
JAXAアカデミーは、宇宙・航空を題材に、研究者や技術者の講義、オンライン実習、ホームワークなどを組み合わせる教育プログラムです。公式サイトの年度別アーカイブでは少なくとも2022年度から継続的な講座を確認できます。
扱う分野は、惑星探査、軌道設計、地球観測、ロケット、宇宙飛行、天体観望などです。子ども向けの「JAXAアカデミーキッズ」と、高校生・大学生を主対象にしながら一般にも開く講座があり、オンライン開催では全国から参加できます。
2022年度には、惑星防衛をNASA・ESA・JAXAの研究者が議論するオンラインセミナー、スイングバイの軌道設計課題、「はやぶさ2」が持ち帰ったリュウグウ試料データを使うホームワーク、MMXを題材にした小学生向け講座などが行われました。単発の広報イベントではなく、実際の宇宙ミッションやデータを教育素材として使う点が特徴です。
過去2年度のJAXAアカデミー
2025年度|ロケット開発と「無重力で紙飛行機」
2025年度は、高校生・大学生向けに「ガチで学ぶ90分!高校生・大学生のためのロケット開発入門」を実施しました。JAXAでロケット開発や打ち上げ運用に携わる講師が、ロケットの仕組みや開発現場を解説し、第一宇宙速度を計算する中学数学・高校物理レベルのワークシートも公開しました。
同年度には「紙飛行機×無重力=? 飛行力学から考えよう!」も開催。ISSに滞在していた油井亀美也宇宙飛行士が「きぼう」日本実験棟からリアルタイムの飛行実験に参加し、JAXA航空技術部門の研究者が空気の流れ、揚力、重力の働きを地上と宇宙で比較しました。
2024年度|地球観測と世界同時の天体観望
2024年度は、JAXAの地球観測衛星データを自分で操作する「衛星リモートセンシングによる地球観測入門」を実施しました。「しずく」「しきさい」「だいち」などの長期観測データを地球観測ビューアで読み、エルニーニョ、ラニーニャ、南極の氷、熱波などを調べる内容です。
小中学生向けには、星の見え方や宇宙を見るさまざまな「眼」を学ぶ「宇宙の授業」とホームワークを実施。APRSAF-30の関連企画では、日本、オーストラリア、ベトナム、スリランカ、アゼルバイジャンなど各国の天文台を同時中継するオンライン天体観望会も行いました。
2026年はMMXに続いてLUPEXを扱う
2026年度のJAXAアカデミーでは、5月に火星衛星探査計画MMXをテーマにした講座が発表され、秋の講座では月極域探査機LUPEXを取り上げます。火星の衛星と月という異なる天体を、探査機の開発と科学研究の両面から扱う年度になっています。
LUPEXは何を調べる探査機?
LUPEXは月の南極域を探査し、水資源の存在量、分布、状態を調べる国際協働ミッションです。月の極域では、太陽光がほとんど届かない永久影の領域などに水が存在する可能性が、これまでの探査や観測から示されています。
重要なのは「水があるか」だけではありません。どこに、どの深さに、どれほどあり、氷なのか鉱物に含まれる形なのかを把握する必要があります。将来の有人探査で現地資源を利用する可能性を検討するためにも、月面環境を直接測ることが必要です。
講座は月科学とローバー技術を分けて学ぶ
- 18:30〜18:35 開催挨拶・講師紹介
- 18:35〜19:05 「これまでの月探査で分かったこと」大竹真紀子氏
- 19:05〜19:35 「LUPEXプロジェクト」須藤真琢氏
- 19:35〜20:05 「LUPEXで明かされる科学」諸田智克氏
- 20:05〜20:30 まとめ・質疑応答
大竹真紀子氏は月周回衛星「かぐや」の分光観測データを使って月の起源・進化を研究しています。須藤真琢氏はLUPEXの月面探査ローバー開発に従事。諸田智克氏は「かぐや」「はやぶさ2」、LUPEXなどの惑星探査データから天体表面の進化を研究しています。
月面ローバーで必要になる技術
月面には舗装道路がなく、細かなレゴリス、斜面、クレーター、極端な温度変化があります。ローバーは走行性能だけでなく、電力、通信、熱制御、位置推定、障害物回避、観測装置の運用を同時に成立させる必要があります。LUPEXでは水資源を調べる科学観測と、重力のある天体表面を移動する探査技術の実証を同じミッションで行います。
参加方法
Zoomウェビナー形式のため、参加にはインターネット接続、メールアドレス、Zoomアカウントが必要です。定員は先着1,000名。主な対象は高校生〜大学2年生ですが、年齢による一般参加の制限はありません。
