江古田の獅子舞の歴史|東京都指定無形民俗文化財と氷川神社の祭礼

中野区江古田の氷川神社にある神楽殿。江古田の獅子舞が伝承されてきた神社の建物

中野区江古田に伝わる「江古田の獅子舞」は、三匹の獅子が舞う民俗芸能です。江古田氷川神社の祭礼で受け継がれ、平成29年(2017)3月に東京都指定無形民俗文化財となりました。獅子の舞だけでなく、地域を巡る行列や笛・太鼓などの音楽も、祭礼の重要な構成要素です。

江古田の獅子舞はどんな芸能か

江古田の獅子舞は、大獅子・中獅子・女獅子の三匹による三匹獅子舞です。獅子役は頭をかぶり、笛方や花笠などの役とともに祭礼を構成します。中野区の歴史資料では、四方固めの舞や庭草の舞など複数の演目が紹介されています。獅子舞を伴う巡行には氏子や祭礼の関係者が参加し、村の行事として伝承されてきました。

江古田氷川神社と獅子舞の巡行

中野区江古田の氷川神社にある神楽殿。江古田の獅子舞が伝承されてきた神社の建物
江古田氷川神社の神楽殿(2023年撮影。獅子舞の演舞風景ではありません)。撮影:Asanagi。Wikimedia Commons/CC0 1.0。

江古田の獅子舞は、江古田氷川神社に関係する祭礼として伝承されています。古い記録には、地域の旧家から行列が出発し、新青梅街道などを経て神社へ向かう姿が記されています。神社では神前に舞を奉納し、神楽殿の前でも演舞しました。行列には獅子役、笛方、太鼓、花笠など多くの役がありました。

江古田氷川神社の神楽殿は弘化4年(1847)の建立とされ、中野区指定有形文化財として紹介されています。建物と芸能の両方が保存され、江戸時代からの祭礼の姿を考える資料となっています。

江戸時代の獅子舞巡行絵巻

江古田の獅子舞には、巡行の様子を描いた絵巻が伝わっています。「江古田獅子舞巡行絵巻」は平成22年(2010)に中野区指定有形文化財となり、中野区立歴史民俗資料館に収蔵されています。獅子舞がどのような行列で行われ、人々がどのような役割を担ったのかを示す資料です。

東京都指定無形民俗文化財としての継承

東京都は2017年に江古田の獅子舞を無形民俗文化財に指定しました。獅子舞保存会が伝承を担い、中野区立図書館では関連する地域資料や映像資料も案内されています。実際の奉納日や見学方法は年ごとの行事案内を確認する必要があります。江古田の獅子舞は、江古田の集落と氷川神社の歴史を知るうえで重要な民俗芸能です。

江古田氷川神社周辺の史跡や、近くに残る近代の文化財については、江古田・哲学堂周辺の歴史と文化財で地域の歴史に沿って紹介しています。

参考資料