JAXA相模原キャンパスの「宇宙科学探査交流棟」は、宇宙科学研究所(ISAS)の探査機・科学衛星・ロケット・研究成果を一般向けに公開する無料施設です。個人見学は予約不要で、展示解説ツアー、宇宙探査実験棟見学ツアー、壁面シアターも無料で利用できます。
宇宙科学探査交流棟の基本情報
- 所在地:神奈川県相模原市中央区由野台3-1-1
- 観覧料:無料
- 開館時間:10:00〜17:00(最終入館16:45)
- 個人見学:予約不要
- 一般駐車場:無料、予約不可、満車時は利用不可
- 展示解説ツアー:予約不要・無料
- 宇宙探査実験棟見学ツアー:予約不要・無料
- 壁面シアター:無料
開館日は月ごとに変わります。特別公開や実験、設備点検で臨時休館やツアー休止があるため、訪問前に公式カレンダーと当日の案内を確認してください。
2018年2月に開館|展示室と研究交流機能を統合
宇宙科学探査交流棟は2018年2月に開館しました。それまで相模原キャンパスで親しまれていた宇宙科学研究所の展示室を発展させ、一般向け展示と、大学・研究機関・民間企業とJAXA職員が交流する機能を一つの建物に統合した施設です。
JAXAは開館時、宇宙科学の技術開発・科学成果・将来計画を紹介するだけでなく、研究者、企業、大学などが出会い、共同研究開発のきっかけを生む場所として整備したと説明しています。一般見学施設であると同時に、研究開発コミュニティーの交流拠点という役割を持っています。
相模原キャンパス自体は1989年から続く
宇宙科学研究所は1989年に東京都内から相模原へ移転しました。相模原キャンパスでは、科学衛星、惑星探査機、ロケット、大気球、宇宙工学などの研究が進められ、「はやぶさ」「はやぶさ2」、小型月着陸実証機SLIMなどのミッションとも深く関わっています。
交流棟は、こうした研究の成果を常設で一般公開する窓口です。年1回の特別公開に行けなくても、通常開館日に現役の宇宙科学研究拠点へ入って展示を見られます。
どんな展示がある?
館内では、科学衛星、惑星探査機、ロケット、観測機器、実物資料、模型、映像を使い、日本の宇宙科学ミッションを紹介しています。小惑星探査、月・惑星探査、X線・赤外線・電波などによる宇宙観測、宇宙輸送、大気球といった分野を、ミッションごとに追えます。
屋外にはM-VロケットやM-3SIIロケットの原寸級展示があり、日本の固体燃料ロケット開発の大きさを実物スケールで確認できます。展示室内だけを見て帰ると、ロケット展示を見落とすため、屋外展示も確認しておくと全体像をつかめます。
「はやぶさ2」の着陸を操作で体験
体験型コンテンツ「タッチダウン・チャレンジ~君の手で、はやぶさ2をリュウグウに導こう~」では、小惑星探査機「はやぶさ2」が小惑星リュウグウへ接近・着陸した過程を、操作を通して体験できます。
「はやぶさ2」は直径約900mの小惑星リュウグウから試料を採取し、2020年に地球へ帰還させました。着陸地点の選定では地表の岩塊や安全領域が問題となり、探査機を狭い範囲へ正確に降ろす必要がありました。体験展示は、この着陸操作が単なる「降下」ではなく、地形、位置推定、通信遅延を考慮する精密な探査だったことを理解する内容です。
展示解説ツアーは約45分
展示解説ツアーでは、解説員が交流棟の主要展示を案内します。2026年9〜10月は、土日祝が10:45と13:00、平日は13:00開始、各回約45分で案内されています。予約は不要です。
模型を見ただけではわかりにくい探査機の目的、ロケットの違い、科学衛星が何を観測するのかをまとめて聞けます。
宇宙探査実験棟見学ツアー
「実験棟見学ツアー」は、キャンパス内の大型室内実験施設「宇宙探査実験棟」を見学する無料ツアーです。展示用に再現した研究室ではなく、実際の探査技術研究に使われる施設を見られる点が交流棟だけの見学と異なります。
研究・実験が優先されるため、日程変更や休止があります。参加を目的に訪れる場合は、当日ではなく事前に実施予定を確認してください。
壁面シアター
交流棟内の壁面を使ったシアターでは、宇宙科学ミッションや研究を映像で紹介します。予約不要・無料で、上映スケジュールは月ごとに更新されます。
過去2年で展示・イベントはどう変わった?
2024年|「はやぶさ2」タッチダウン体験と「はやぶさWEEK」
2024年4月には「タッチダウン・チャレンジ」の映像体験版が公開されました。6月9〜16日には「はやぶさWEEK」を設定し、「はやぶさ」「はやぶさ2」に関する展示や企画を強化しています。
7月には夏休みミニ講演会を実施し、11月2日の相模原キャンパス特別公開では交流棟内に「学び!楽しむ♪交流ステージ」が設けられました。通常見学に加え、研究者が直接説明する短時間イベントを増やした年でした。
2025年|「はやぶさ2#」やSLIM・SORA-Qを取り上げる
2025年夏には「はやぶさ2#(はやぶさ2シャープ)」に関するミニ講演会を実施しました。「はやぶさ2」はリュウグウから地球へカプセルを届けた後も探査を継続しており、拡張ミッションの内容が一般向けに紹介されています。
10月11日の特別公開では交流棟でスペシャルライブステージを開催。年末から2026年初頭には、SLIMと小型変形型月面ロボットLEV-2(SORA-Q)を扱うミニトークも企画されました。常設展示を固定したままにせず、進行中・終了直後のミッションを短期企画で補う運用が続いています。
相模原市立博物館との位置関係
JAXA相模原キャンパスの向かいには相模原市立博物館があります。博物館は常設展示が無料で、JAXA協力の宇宙展示、プラネタリウム、星空観望会などを実施しています。交流棟は宇宙科学研究所のミッション、博物館は地域史・自然史・天文普及まで扱うため、展示内容は重複するだけではありません。
アクセス
JR横浜線「淵野辺駅」南口から徒歩約20分です。路線バスも利用できます。一般駐車場は無料ですが予約はできず、満車時は入れません。土日祝は売店・食堂の営業条件も平日と異なるため、利用予定がある場合は公式案内を確認してください。
