向島百花園「月見の会」2026現地レポート|月見台・絵行灯・夜の庭園を歩く

2026年9月、向島百花園むこうじまひゃっかえんで開かれた「月見の会」を訪れました。江戸時代から続く秋の伝統行事で、開催期間中は通常17時までの庭園が21時まで開園します。夕暮れから絵行灯やぼんぼりに灯りが入り、秋草の庭が夜の表情へ変わっていきます。

2026年の向島百花園「月見の会」

開催期間2026年9月24日(木)~26日(土)
開園時間9:00~21:00(最終入園20:30)
会場向島百花園
主な催しお供え式、茶会、箏の演奏、新内流し、絵行灯の点灯
2026年の中秋の名月9月25日

開催期間は「萩まつり」と重なっています。園内では約30メートルの萩のトンネルをはじめ、ススキや秋の七草なども見られます。昼の花園から夜の庭園へ変わる時間帯を歩けるのも、この行事ならではです。

夕暮れの園内へ――月見台には団子と秋の実り

園内で目を引くのが、萩のトンネル近くの藤棚前に設けられた月見のお供えです。団子、野菜、果物、ススキなどが並び、月を迎えるための設えがつくられていました。月見台の前には多くの来園者が集まり、足を止めて眺めたり撮影したりする姿が続きます。

2026年の公式プログラムでは、初日の9月24日17時から「お供え式」を実施し、団子や野菜のお供えと坂本真理さかもとまりさんによる篠笛しのぶえの演奏が予定されました。

2026年の中秋の名月は9月25日――満月は2日後

2026年の中秋の名月は9月25日でした。国立天文台の暦では、東京の月の出は16時43分、日の入りは17時34分です。夕方のまだ明るさが残る時間に月が昇り、園内が暗くなるにつれて空の月が目立っていきます。

この年は中秋の名月が9月25日、天文学上の満月が9月27日1時49分で、日付が2日ずれました。中秋の名月は太陰太陽暦8月15日の夜の月を指し、満月の日付と一致しない年があります。月見の会は9月24日から26日に設定され、中秋の名月を中央に置く日程でした。

約50基の絵行灯が夜の園路を照らす

17時50分からは、園内の絵行灯えあんどんに灯りが入ります。2026年は約50基。葛飾北斎かつしかほくさいの作品や、向島百花園・隅田川にちなんだ俳句や俳画が行灯に仕立てられました。制作にはすみだ北斎美術館も協力しています。

百花園は、佐原鞠塢さはらきくうと江戸の文人たちが育てた庭園です。園内には現在も句碑や歌碑が点在します。俳句や絵を灯りに仕立てた絵行灯が、夜の園路に文人趣味を重ねます。

向島百花園の成立、佐原鞠塢と文人たち、御成座敷や福禄寿尊堂、四季の花については、「向島百花園の歴史と見どころ」で詳しく紹介しています。

箏の音が響く夜の庭園

2026年の公式プログラムでは、期間中の18時から20時まで、売店前の四阿あずまやで箏そうの演奏が組まれました。演奏は栗田社中です。夜の庭園で聞こえる人の声や虫の音に、箏の音が重なります。

9月25日には「新内流ししんないながし」も公式プログラムに入りました。新内節を三味線とともに語る芸能で、月見お供え台周辺を舞台に勝新派社中が出演する内容です。

御成座敷では月見の茶会

9月25日と26日には、御成座敷おなりざしきで向島百花園茶会による茶会が設定されました。15時から20時まで、各回10人、1席1,500円。庭園の夜景を近くに感じながら、抹茶を味わう催しです。

御成座敷は酒井抱一さかいほういつの設計と伝わる建物を1958年に再建したものです。昼は歴史的な見どころとして歩き、月見の会では茶席として使われます。

夜の萩のトンネルと秋草を歩く

2026年の月見の会は、9月19日から10月12日までの「萩まつり」と同時期でした。向島百花園を代表する約30メートルの萩のトンネルや、ススキ、オミナエシ、フジバカマなどの秋草を、夜間開園の時間帯にも歩けます。

照明が限られた園路では、昼間より草木の輪郭が濃くなります。月見台や絵行灯の周辺に人が集まり、そこから少し進むと秋草の間を歩く静かな園路へ移ります。

園内には飲食できる店も

会場では飲食できる店も出ており、庭園を歩いたあとに食事や飲み物を楽しむ来園者の姿がありました。夜まで滞在する人が多い月見の会では、散策や演奏の合間に立ち寄る人で売店周辺も賑わいます。

向島百花園「月見の会」へ行くときの基本情報

月見の会の日程や催しは年ごとに変わります。2026年は3日間とも21時まで開園し、最終入園は20時30分でした。通常の入園料は一般150円、65歳以上70円です。

所在地東京都墨田区東向島3-18-3
最寄り駅東武スカイツリーライン「東向島」駅から徒歩約8分
2026年開催9月24日~26日
夜間開園21:00まで(最終入園20:30)
入園料一般150円、65歳以上70円

次回の開催日、雨天時の変更、茶会などの受付方法は、東京都公園協会の向島百花園公式サイトで発表されます。

参考資料