東京・青海の産業技術総合研究所(産総研)臨海副都心センターで、2026年9月12日(土)・13日(日)に一般公開が開かれます。入場は無料。研究室を見学するラボツアーは一部予約制ですが、一般公開の中心となる体験ブースは予約なしで参加できます。
9月12日のラボツアーは全枠受付終了ですが、体験ブース9テーマ、「産総研職員と話そう!」、隣接するテレコムセンタービルのサイエンスアゴラ内にある産総研ブースは予約不要です。ラボツアーが取れていなくても、最先端のAI、ロボット、デジタルツイン、量子技術、微生物、VR、超撥水などを体験できます。
9月13日は体験ブース6テーマに加え、次世代モーションキャプチャーのラボツアーと若手研究者のトークショーがあります。予約状況は変動するため、参加直前は産総研公式の一般公開2026ページで最新表示を確認できます。
- 開催概要|入場無料、体験ブースは予約不要
- 予約なしでも楽しめる?|一般公開の主役は体験ブース
- 9月12日の見どころ|AI、量子、ロボット、微生物まで9テーマ
- 実際に9月12日に行ってみた|10:00〜10:50の現地レポート
- 9月13日の見どころ|モーションキャプチャーと若手研究者トーク
- ラボツアーで何が見られる?|研究室に入る特別枠
- 産総研臨海副都心センターとは|AI・GX・バイオが集まる東京の研究拠点
- 産総研の歴史|1882年の地質調査所から現在へ
- 臨海副都心センター一般公開の歴史|研究を見る催しから「体験する」公開へ
- サイエンスアゴラ2026と一緒に回れる
- アクセス|テレコムセンター駅から徒歩3分
- よくある質問
- 公式情報・参考資料
開催概要|入場無料、体験ブースは予約不要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開催日 | 2026年9月12日(土)・13日(日) |
| 産総研会場 | 10:00〜16:00(受付15:30まで) |
| 会場 | 産総研臨海副都心センター別館(東京都江東区青海2-4-7) |
| 入場料 | 無料 |
| 体験ブース | 予約不要 |
| ラボツアー | 事前申込制。空きが出た場合は当日登録あり |
| 最寄り駅 | ゆりかもめ「テレコムセンター」駅から徒歩3分 |
2026年は、臨海副都心センターでは初めての2日間開催です。12日と13日ではプログラムが異なるため、見たい研究テーマで日を選べます。
予約なしでも楽しめる?|一般公開の主役は体験ブース
一般公開はラボツアーだけのイベントではありません。産総研会場では、研究成果に触れられる体験ブースが12日に9テーマ、13日に6テーマ用意されています。研究者や職員と話せる企画もあり、予約なしで入場して複数の展示を回れます。
ラボツアーは、研究設備のある場所へ入り、実際の研究環境を見る特別枠です。12日は「つながる工場」「クリーンルーム不要の半導体製造工場」「自然言語ナビゲーションと移動ロボット遠隔操作体験」の3テーマが設定され、9月12日朝の公式表示ではすべて受付終了となっています。キャンセルで空きが出た場合は、会場で当日登録が行われます。
9月12日の見どころ|AI、量子、ロボット、微生物まで9テーマ
12日の体験ブースは分野の幅が広く、研究所の一般公開らしい構成です。情報技術だけでなく、住環境、健康、微生物、材料表面まで一度に触れられます。
- 空間ジェスチャーと言葉で動かす未来の部屋:指さしと音声を組み合わせ、機器を動かす技術を体験します。
- 「視覚暗号」技術に基づく絵合わせ体験:情報を分割して安全に保管する考え方を、絵合わせで体験します。
- デジタルツイン技術で住宅内の環境を「見る」体験:VRで未来の住まいをのぞきます。
- 薬をつくる微生物、放線菌〜ジオスミンのにおいを嗅いでみよう〜:抗生物質などを生み出す微生物を見て、触れて、においを体験します。
- 量子とAIが創る未来をのぞいてみませんか?:「ABCI-Q」の取り組みを紹介する展示です。
- ウーパールーパー型ソーシャルロボット・AXOBOTL:ロボットと触れ合いながら、心身の健康を支える技術に触れます。
- バーチャル柏センター:VR空間で安全な動作を実施し、転倒リスクを評価します。
- 「滴」のサイエンス:超撥水表面を自ら飛び跳ねる水滴を観察します。
- 血管年齢を測ろう:簡単な測定で血管の状態を確かめます。
11:50〜12:20には「産総研職員と話そう!」も実施されます。研究職だけでなく事務系職員も参加し、研究所で働く仕事そのものを聞ける企画です。
実際に9月12日に行ってみた|10:00〜10:50の現地レポート
9月12日(土)の10:00〜10:50に、産総研臨海副都心センター別館の一般公開を実際に訪れました。事前申込制のラボツアーは空席がなく参加できませんでしたが、会場では体験展示や案内を含め10のブースを確認でき、予約なしでも十分に見応えがありました。


各ブースでは職員が資料や実物を使って説明し、質問にも丁寧に答えてくれました。展示そのものだけでなく、その技術がどの業界で使われるのか、産総研が研究機関としてどこを担っているのかまで聞けたため、研究内容を具体的にイメージしやすい一般公開でした。

秘密分散は「重ねると読める」が直感的で分かりやすい
「見てわかる秘密分散」では、単独では意味の分からないパターンを別々に保管し、正しい組み合わせで重ねたときだけ情報が現れる仕組みを体験できました。情報を分けて保管する考え方を、透明フィルムを使って目で確かめられる展示です。


放線菌のジオスミンを実際に嗅ぐ
特に印象に残ったのが、薬をつくる微生物・放線菌の展示です。創薬や天然化合物探索の説明を聞いたあと、放線菌がつくる「ジオスミン」のにおいを実際に嗅ぎました。土や雨上がりを思わせる独特のにおいを、自分の感覚で確かめられる展示でした。


水滴、デジタルツイン、転倒リスク、ロボットを実物で見る
「滴」のサイエンスでは、超撥水表面の上で水滴が独特の動きをする様子を実際に試せました。デジタルツインや転倒リスク評価では、画面やVRを使って研究を体験でき、四足歩行ロボットの実演も間近で見られました。




HPCと量子コンピューターをつなぐABCI-Q
個人的に興味深かったのが「ABCI-Q」の展示です。従来の高性能計算機であるHPCと、方式の異なる量子コンピューターを連携させ、問題に応じて組み合わせる次世代計算基盤が紹介されていました。量子コンピューターだけを単独で使うのではなく、従来計算と量子計算をどう連携させるかという実装寄りの研究を知ることができます。

人に安らぎを与えるロボット「パロ」
会場では、アザラシ型メンタルコミットロボット「パロ」の研究も紹介されていました。パロは触覚、光、音、温度、姿勢などを捉えるセンサーと人工知能を備え、人との触れ合いに反応します。ロボットセラピーを目的に開発された研究成果で、下の動画では実際の動きを確認できます。

9月13日の見どころ|モーションキャプチャーと若手研究者トーク
13日の体験ブースは6テーマです。「視覚暗号」、量子とAI、AXOBOTL、VRによる転倒リスク評価、「滴」のサイエンス、血管年齢測定が並びます。
ラボツアー「次世代モーションキャプチャーの世界」では、体にマーカーを付ける従来型の計測から、ウェアラブルセンサー、AIを使ったマーカーレス計測、安価なセンサーを組み合わせた計測まで、身体の動きを捉える技術の進化をデモ付きで見られます。9月12日朝の公式表示では10:25回が受付終了、11:25・12:25・13:25回には受付終了表示がありません。
14:00〜14:50には「若手研究者に聞く! 研究者への道筋と見ている世界」が別館11階で開かれます。人工知能とサイバーセキュリティの若手研究者が、研究テーマや研究者という仕事について語る企画です。
ラボツアーで何が見られる?|研究室に入る特別枠
つながる工場
工作機械と協働ロボットを置いた模擬工場で、機械や人の状態をネットワーク経由で収集し、分析・可視化する研究を見学します。生産性の向上と環境負荷の低減を両立するため、製造現場のデータをどう使うかがテーマです。
クリーンルーム不要の半導体製造工場
産総研が発案した「ミニマルファブ」を見学します。0.5インチの小さなウェハを使い、装置内部を局所的に清浄化することで、大規模なクリーンルームを使わずに半導体を製造する仕組みです。半導体産業をさらに知りたい方は、当サイトのSEMICON Japan 2026完全ガイドも参考になります。
自然言語ナビゲーションと移動ロボット
人の言葉による指示を理解して移動するロボットと、遠隔操作の研究を体験します。人と機械が協調して働く環境をつくる研究で、ロボットを「動かす」だけでなく、場所や状況に左右されにくい働き方へつなげることを目指しています。
産総研臨海副都心センターとは|AI・GX・バイオが集まる東京の研究拠点
産総研臨海副都心センターは2001年に開設されました。2005年にバイオ・IT融合研究棟、2018年にサイバーフィジカルシステム研究棟が加わり、現在はつくばセンターに次ぐ産総研第2の規模を持つ研究拠点です。
研究テーマはAI・サイバーフィジカルシステム、GX、バイオなど。一般公開で「工場」「半導体」「ロボット」「住宅」「健康」「微生物」が同じ会場に並ぶのは、この研究拠点の幅そのものです。
通常の展示施設「ライフ・テクノロジー・スタジオ」は見学日時や対象に条件があります。土日に研究者の説明や体験展示へまとめて触れられる一般公開は、研究所を身近に見る貴重な機会です。
産総研の歴史|1882年の地質調査所から現在へ
産総研の歴史は、1882年に設立された農商務省地質調査所にさかのぼります。その後、複数の国立研究機関が整備・再編され、1952年に工業技術院となりました。2001年4月、工業技術院の15研究所と計量教習所を統合・再編して独立行政法人産業技術総合研究所が発足し、2015年から現在の国立研究開発法人産業技術総合研究所となっています。産総研公式の沿革では、現在の組織につながる歴史を1882年から整理しています。
東京・青海の臨海副都心センターは、産総研発足と同じ2001年に国際研究交流大学村の一機関として開設されました。2005年にはバイオ・IT融合研究棟、2018年にはサイバーフィジカルシステム研究棟が加わり、AI、人と機械の協調、創薬・バイオ、GX、量子とAIの融合などへ研究領域を広げてきました。研究成果を展示するだけでなく、企業との共同研究や共用施設も集まる、産総研ではつくばセンターに次ぐ規模の研究拠点です。
臨海副都心センター一般公開の歴史|研究を見る催しから「体験する」公開へ
臨海副都心センターの一般公開は長く続く公開イベントです。2015年の公式開催報告には、前年に続いてヘルスケア企画展を開いたことが記されており、少なくとも2014年以前から一般向けの公開企画が続いていたことが分かります。2015年はサイエンスアゴラと同時期の11月14・15日に2日間開催し、雨天にもかかわらず2,586人が来場しました。歩行診断、筋電スイッチ、工作教室、高齢者疑似体験、健康測定など、現在にもつながる「触れて理解する」構成がすでに見られます。2015年の公式開催記録
2016年は開催時期を9月へ移し、東京都立産業技術研究センターの「イノベスタ2016 ファミリーデー」と同時開催。2017年は8月26日に開催されました。2018年は1,000人を超える来場があり、健康・エイジング、ロボット、義足、身体計測、工作教室、ライフ・テクノロジースタジオ見学に加え、AIで会場内の移動を可視化する「見えちゃうタッチラリー2018」も実施されました。2019年は約700人が来場し、未来の健康サービス、人に寄り添うAI、研究者のミニ講演、AIタッチラリー、工作教室などを展開しました。
その後、一般公開は新型コロナウイルス禍で中断し、2021年は中止が告知されています。2023年11月11日に4年ぶりに再開し、テーマは「体験」。ここから、研究成果を説明パネルで見るだけでなく、研究者との対話や体験型展示、研究室へ入るラボツアーを組み合わせる現在の形がはっきりしてきます。
2024年|「体験」を前面に、研究者との対話を強化
2024年は10月26日(土)10:00〜16:00の1日開催で、サイエンスアゴラ2024、東京国際交流館の国際交流フェスティバルと同日開催でした。公式は前年に続いて「体験」をテーマに掲げ、研究体験ブース、実際の研究室を訪ねるラボツアー、研究者によるミニトークショー、AIを使ったタッチラリーを組み合わせました。現役研究者と対話した来場者に「研究者カード」を渡す企画もあり、研究成果そのものと、研究者の日常の両方へ近づける構成でした。2024年公式開催報告
体験内容も、来場者自身が研究のプロセスへ入るものが目立ちます。人工知能研究センターは「運動計測技術を使った産総研バーチャル探検」を体験ブースに出し、ラボツアーでは「体の動きを計測しよう!」を実施しました。別のAI研究チームは、医療現場でも使われる内視鏡システムと疑似臓器を使い、AIの支援を受けながら病変を探す「がんを見つける医者になれるかな」を出展しました。見学者が装置を見るだけでなく、計測する、探す、AIを使うという行為まで体験できた点が2024年の特徴です。
2025年|研究室見学が拡充し、青海の複数会場へ展開
2025年の一般公開は「10月25日・26日」の2日間企画として告知されましたが、会場構成には違いがあります。産総研臨海副都心センター別館1階の公開は25日(土)10:00〜16:00、テレコムセンタービルのサイエンスアゴラ内への出展は25・26日の両日10:00〜17:00でした。研究所そのものを訪ねる日と、サイエンスアゴラで産総研の研究を体験する日を組み合わせた形です。2025年公式開催記録
25日の臨海副都心センターでは、体験ブース5テーマとラボツアー5テーマを用意しました。ラボツアーでは、従来のマーカー式からAIを使った計測までをたどる「モーションキャプチャー技術の今昔」、工作機械と協働ロボットを使う「つながる工場」、小型半導体製造設備が並ぶ「ミニマルファブで手軽に半導体を作ります!」、ロボットとVRを使う「遠隔操作による作業支援」など、普段の研究現場へ入る企画が中心です。AI品質を扱う「嘘をつくるAI」では、AIが誤った出力をする仕組みと、それを調べて抑える研究が紹介されました。
予約不要の体験ブースには、自分の絵をAIで2D・3D化してARで見る企画、超撥水表面で動く水滴、布そのものから音が出るファブリックスピーカー、血管年齢測定、アザラシ型メンタルコミットロボット「パロ」が並びました。研究室見学が本格化する一方、予約なしでも研究成果を直接試せる構成が維持されています。
テレコムセンタービルでは、25日に薬をつくる微生物・放線菌のにおいを体験する展示、レースゲームをAIアナウンサーが実況する自動言語生成、住宅環境を3次元で見るデジタルツインを出展。26日は、会話をリアルタイムで分析する音環境分析AI、情報を分割して守る「視覚暗号」、パロとの触れ合いを展開しました。若手研究者3人がAIと情報セキュリティについて語る「産総研研究者と話そう!」も設けられ、研究成果、研究現場、研究者のキャリアを一つの一般公開でつなぐ構成になりました。
2026年はこの流れを引き継ぎつつ、臨海副都心センター自体が初めて2日間公開されます。2024年の「体験」、2025年の研究室見学とサイエンスアゴラ連携を経て、研究所の中と外を行き来しながら産総研の研究を知るイベントへ広がっています。
サイエンスアゴラ2026と一緒に回れる
産総研会場から徒歩圏のテレコムセンタービルでは、同じ9月12日・13日にサイエンスアゴラ2026が開催されています。産総研は5階のプログラム501「AIが見抜く! 声の好感度と身体の異常」に出展し、こちらも予約なしで参加できます。
声の高さや話し方をAIで分析する体験、内視鏡診断支援AI、メンタルコミットロボット「パロ」などを扱います。産総研一般公開が16時に終わったあとも、サイエンスアゴラは12日18時、13日17時まで開催されます。
9月12日は同じ青海の東京国際交流館で「東京国際交流館 国際交流フェスティバル2026」も開催されます。世界各地の料理、音楽・舞踊、文化体験が集まり、研究施設の一般公開とは異なる角度から青海の国際交流拠点を楽しめます。
アクセス|テレコムセンター駅から徒歩3分
一般公開の会場は、東京都江東区青海2-4-7の産総研臨海副都心センター別館です。ゆりかもめ「テレコムセンター」駅から徒歩3分、りんかい線「東京テレポート」駅から徒歩15分です。
- 駐車場:イベント用駐車場はありません。
- 食事:会場内に食堂・食事スペースはありません。
- 受付:15:30までです。
- ラボツアー:予約者は開始15分前までの受付が案内されています。
テレコムセンタービルのサイエンスアゴラと組み合わせる場合、同じ青海エリア内で移動できます。
よくある質問
予約していなくても入れますか?
入れます。入場と体験ブースは予約不要です。ラボツアーと13日のトークショーは事前申込制です。
9月12日はラボツアーが満席ですが、行く価値はありますか?
あります。12日は予約不要の体験ブースが9テーマあり、「産総研職員と話そう!」も開催されます。テレコムセンタービルの産総研ブース3テーマも予約不要です。
子どもでも参加できますか?
公式は「どなたでも参加OK」と案内しています。ラボツアーやトークショーは原則日本語で実施され、研究内容を詳しく扱います。体験ブースは、ロボット、水滴、VR、血管年齢など触れて理解しやすいテーマが多くあります。
青梅市で開催されるイベントですか?
会場は青梅市ではなく、東京都江東区の青海です。最寄りはゆりかもめ「テレコムセンター」駅です。

