暗い天井裏を進み、細い配管の間を抜け、駅の改札へ向かう。ドローンDX CHAMPIONSHIPは、鉄道設備の点検で磨かれた操縦技術をレースにした大会です。JR東日本が高輪ゲートウェイシティで2025年に初開催し、2026年には競技参加チームが12から32へ増えました。
プロによる競技を無料で観覧でき、子どもや一般来場者向けの操縦体験も行われました。2025年と2026年の開催記録を、コース、競技結果、時刻表、参加条件まで紹介します。
ドローンDX CHAMPIONSHIPとは
正式名称は「JR EAST GROUP DRONE DX CHAMPIONSHIP」。鉄道、電力、通信などの現場で働くドローン操縦者が、設備点検を再現したコースで技術を競う大会です。2025年の第1回はJR東日本、CalTa、Liberawareが開催を発表しました。2026年の第2回はJR東日本グループ主催で開かれています。
駅の天井裏や配管の奥は、人が入りにくく、照明も限られます。小型ドローンなら狭い場所へ進み、搭載カメラで設備の状態を撮影できます。レースでは速さに加え、障害物を避けて飛ぶ精度や、点検対象を見つける技術が問われます。
| 開催年 | 2025年・第1回 | 2026年・第2回 |
|---|---|---|
| 開催日 | 6月7日(土)・8日(日) | 6月7日(日) |
| 時間 | 11:00~17:00 | 11:20~17:00 |
| 会場 | TAKANAWA GATEWAY CITY、THE LINKPILLAR 1 地下2階 | |
| 競技参加 | 12チーム | 32チーム |
| 一般観覧 | 無料・事前予約不要 | |

2025年大会|駅の点検コースで始まった第1回
2025年6月7日と8日、会場には駅構内を模したコースが登場しました。幅の狭い配管を抜け、暗い天井裏の目印を探すなど、実際の設備点検に近い課題が組み込まれました。Suicaを装着したドローンが改札機へタッチしてゴールする仕掛けも設けられています。
6月7日(土)JR東日本グループ Challenge Cup
初日はJR東日本グループの4チームが対戦。駅の点検業務などで操縦する職員たちが、トーナメント方式で技術を競いました。公式発表の競技方法は、3人1チームで3回飛行し、その合計タイムとミッションによるボーナスで競う内容です。
| 時間 | 事前発表のプログラム |
|---|---|
| 11:00~13:00 | 子ども向けドローン鉄道点検チャレンジ |
| 13:30 | 開会式・プロによる実演飛行 |
| 14:00~15:20 | 4チームによる競技 |
| 15:25頃~16:00 | 決勝戦 |
| 16:00~16:30 | 子ども向け体験(競技進行による) |
| 16:30~17:00 | 表彰式 |
優勝は電気ネットワーク部門の「E-Wings」、準優勝はエネルギー企画部の「Z3C」、3位は建設工事部の「チームKENKOU」でした。
6月8日(日)IBIS2 Master Cup
2日目には、狭い設備内を調べる国産ドローン「IBIS2」を業務で使う企業など8チームが出場しました。KDDIスマートドローン、ソフトバンク、東京電力ホールディングス、JR東日本ビルテックなどが参加した企業対抗戦です。
| 時間 | 事前発表のプログラム |
|---|---|
| 11:30 | 開会式・エキシビション飛行 |
| 12:00~15:30頃 | 企業8チームのトーナメント |
| 15:35頃 | 決勝戦 |
| 16:30~17:00 | 表彰式 |
優勝はKDDIスマートドローン。新潟工科大学・アグリノーム研究所・九電ドローンサービスによる合同チーム「QAND」が準優勝し、JR東日本ビルテックが3位に入りました。
2025年の一般向け体験
会場では、子ども向けの鉄道点検チャレンジ、IBIS2 Assistの操縦体験、マイクロドローンのミニレース、お菓子を釣り上げるドローン釣りなどを実施。3D都市空間を体験する「TRANCITY」や、鉄道点検の将来像を紹介する「Project SPARROW」の展示も設けられました。一般向けの主要体験は無料・予約不要で案内されました。
2026年大会|32チーム、鉄道インフラ点検の新競技が登場
2026年6月7日、会場はA・Bの2エリアに分かれました。A会場には前回から続く「IBIS2 Master Cup」、B会場には新競技「Railway Tech Skills Cup」を設置。それぞれ16チームが出場し、合計32チームで行われました。
A会場:IBIS2 Master Cup
山手線の車内を模した障害物を避ける「電車スラローム」、高さ90センチメートル・全長約16メートルの「地下配管」、暗所で目印を探す「天井裏暗所点検」の3ゾーンが用意されました。16チームによる対戦型トーナメントで、KDDIスマートドローンが連覇を果たしました。
| 順位 | チーム |
|---|---|
| 優勝 | KDDIスマートドローン |
| 準優勝 | MAX BROTHERS(MAX工業) |
| 3位 | WAT infraview(ワット・コンサルティング) |
B会場:Railway Tech Skills Cup
新競技では、実際の業務で使用する機体を使い、鉄塔や架線柱を模した障害物の間を飛行しました。列車を上から撮影するゾーンもあり、指定されたARマーカーを捉える点検技術が試されました。JR東日本の14部署にJR西日本グループとJR九州を加えた16チームが参加しました。
| 順位 | チーム |
|---|---|
| 優勝 | レールテックドローンチーム(JR西日本レールテック) |
| 準優勝 | G-DEART(JR東日本・高崎電力設備技術センター) |
| 3位 | 仙幹保Sky view(JR東日本・仙台新幹線保線技術センター) |

2026年6月7日の当日プログラム
競技は正午から2会場で同時進行しました。次の時刻は、大会前に案内された予定表に基づきます。レースの進行状況によって体験の時間が変更される場合がありました。
| 時刻 | A会場 | B会場 |
|---|---|---|
| 11:30 | オープニング | — |
| 11:45 | コース説明・実演 | コース説明・実演 |
| 12:00 | IBIS2 1回戦 | 点検技術タイムトライアル開始 |
| 14:00 | ブロック準決勝 | 競技継続 |
| 15:00 | ブロック決勝 | 競技継続 |
| 15:30 | 子ども向け点検チャレンジ | 競技継続 |
| 16:00 | IBIS2 3位決定戦 | 一般向けコース操縦体験 |
| 16:15 | IBIS2 決勝戦 | — |
| 16:40 | 両部門合同表彰式 | — |
| 17:00 | 終了 | 終了 |
観覧・子ども向け体験の参加方法
2025年と2026年は、いずれも観覧無料、予約不要で開催されました。競技本戦は企業やJRの部署などが参加する大会です。来場者はレース観戦のほか、別に用意された一般向け体験に参加する形式でした。
2026年の体験プログラムと申込条件
| プログラム | 対象・時間 | 当時の参加方法 |
|---|---|---|
| Project SPARROW展示・VR | 一般/12:00~16:30 | A会場で先着順 |
| ドローン鉄道点検チャレンジ | 5歳~小学校高学年/15:30~16:00 | 公式アプリで事前先着申込 |
| ドローンコース体験 | 小学校高学年~大人/16:00~16:30 | 公式アプリで事前先着申込 |
操縦体験の申込は2026年6月1日から「TAKANAWA GATEWAY CITY」アプリで受け付けました。子ども向け点検チャレンジは先着12名で、保護者の同意・同伴が必要でした。両体験とも無料です。2027年以降に開催される場合の受付方法は、改めて発表される内容が適用されます。
鉄道点検に使われるドローンとProject SPARROW
IBIS2はLiberawareが開発した小型の点検用ドローンです。2026年大会の発表資料にある「IBIS2 Assist」は約20センチメートル四方、重量243グラム。カメラを備え、天井裏などの狭小な場所を調べる用途に使われます。大会では暗所を進み、目印を見つける操縦が競技に組み込まれました。
「Project SPARROW」は、ドローンによる鉄道設備の点検と、撮影データを活用した設備管理の将来像を紹介する取り組みです。大会ではコンセプト機体、ジオラマ、VR体験などを展示しました。通常は立ち入りが難しい設備内を撮影する技術と、その映像を用いる点検業務を結び付けています。
2025年と2026年で変わったこと
初回はJR東日本グループ内の競技と企業対抗戦を日別に開催しました。第2回では企業対抗戦が8チームから16チームに増え、さらに鉄道インフラ点検をテーマにした16チームの新競技が加わりました。合計参加数は12チームから32チームへ拡大しました。
一般向け体験にも変化があります。2025年はマイクロドローンレースやドローン釣りなど自由参加型の遊びが多く、2026年は鉄道点検体験や競技コースの操縦体験を公式アプリで事前受付する方式が採用されました。
会場へのアクセスと高輪ゲートウェイの歴史
過去2大会の会場は、東京都港区のTAKANAWA GATEWAY CITY「THE LINKPILLAR 1」地下2階でした。最寄りはJR山手線・京浜東北線の高輪ゲートウェイ駅で、駅と街区は直結しています。2025年・2026年とも会場内の観覧は無料でした。

会場一帯はかつて鉄道の車両基地が広がった場所です。明治時代には海上に石垣を築いて線路を通した高輪築堤があり、再開発に伴う工事でその一部が発見されました。街の成立と周辺史跡は、高輪ゲートウェイの歴史散歩|高輪築堤・高輪大木戸・伊皿子貝塚で紹介しています。
高輪から品川方面へ足を延ばす散歩コースは、高輪ゲートウェイ駅から品川・五反田へ歩く歴史散歩に掲載しています。
2027年の開催予定と最新情報
2026年10月25日現在、2027年大会の開催日、会場、観覧・体験申込についての公式発表は確認されていません。2025年と2026年はともに6月上旬に開催されました。次回の案内は、大会公式特設サイトやTAKANAWA GATEWAY CITY公式サイトで確認できます。
