澤野弘之とは?『進撃の巨人』を彩った作曲家の経歴・功績・音楽のすごさ

澤野弘之と『進撃の巨人』の音楽を紹介するアイキャッチ画像

『進撃の巨人』を見終えたあと、映像とは別に「音楽そのもの」が記憶に残ることがあります。低くうねるリズム、声とオーケストラが重なった巨大な音像、静かな場面から一気に視界が開けるような展開。その音楽を作った中心人物が、作曲家の澤野弘之です。

澤野の歩みを追うと、『進撃の巨人』の音が一作だけの偶然から生まれたものではないことが分かります。ASKAや小室哲哉の強いメロディー、久石譲の映像音楽、若い頃から作りためた曲のストック、『医龍-Team Medical Dragon-』『機動戦士ガンダムUC』『ギルティクラウン』で積み重ねた仕事が、2013年の『進撃の巨人』へつながっていました。

澤野弘之とは?映像とともに名前まで記憶される劇伴作曲家

澤野弘之さわの ひろゆきは1980年生まれ、東京都出身の作曲家です。ドラマ、アニメ、映画などの劇伴げきばんを中心に活動してきました。劇伴は、物語の場面や人物の感情、作品世界を支えるために付けられる音楽です。主題歌とは役割が異なり、作品の中で複数の場面に使われることもあります。

代表作には『医龍-Team Medical Dragon-』『機動戦士ガンダムUC』『ギルティクラウン』『進撃の巨人』『キルラキル』『七つの大罪』『プロメア』などがあります。2014年からはボーカル楽曲を軸にしたSawanoHiroyuki[nZk]を本格展開し、近年はSennaRinのプロデュースにも活動を広げています。2025年には作曲家活動20周年を迎え、2026年2月3日には初のエッセイ集『錯覚の音』を刊行しました。

澤野の特徴は、映像のために書いた音楽が作品の外でも聴かれ続け、作曲家本人の名前まで追われている点にあります。サウンドトラックを単独で聴く人がいて、本人名義のライブが成立し、ボーカルプロジェクトにも独自のファンがつく。映像を支える仕事と「澤野弘之の音」として認識される存在感が、同じキャリアの中で育ってきました。

ASKA、小室哲哉、久石譲――澤野サウンドはどこから生まれたのか

澤野弘之さわの ひろゆきの出発点には、歌と劇伴げきばんの両方への関心がありました。本人はCHAGE and ASKAのASKAに影響を受け、当初はシンガーソングライターに憧れていたと語っています。そこへ小室哲哉の音楽が入り、歌う人だけでなく「曲を作る人」という仕事を強く意識するようになりました。

次の転機が、インストゥルメンタルとの出会いです。友人宅でジブリ作品のサウンドトラックを聴き、歌のない音楽そのものに惹かれました。姉から『魔女の宅急便』のサウンドトラックを借り、公開当時の『もののけ姫』にも触れ、久石譲の音楽への関心が劇伴作曲家を目指す道へつながったと本人は振り返っています。

本人が憧れの対象として挙げてきたのは、坂本龍一、久石譲、小室哲哉、ASKAら、ジャンルが変わっても作り手の「色」が残る音楽家です。菅野よう子への敬意も語っています。劇伴では作品ごとに幅広いジャンルを求められるため、表面的に様式をなぞるのではなく、自分の音へ置き換えることを意識してきました。

映画音楽ではハンス・ジマーを好み、映画を見る前にサウンドトラックを聴き、見た後に同じ曲の聞こえ方が変わる経験を劇伴の面白さとして語っています。J-POPから得た強いメロディーへの志向と、映像によって意味が変化するインストゥルメンタルへの関心が、早い段階から並んでいたことが澤野の出発点でした。

『医龍』から『ガンダムUC』『ギルティクラウン』『進撃の巨人』へ

澤野弘之さわの ひろゆき劇伴げきばん歴は、作品名を年代順に並べるだけより、前の仕事が次の仕事を呼んだ流れで見ると輪郭がはっきりします。

キャリアの流れ

仕事と転機
2006『医龍-Team Medical Dragon-』に参加。「Blue Dragon」がその後の活動へ大きな影響を与える
2006『タイヨウのうた』で初めて一人名義の劇伴を担当
2010『機動戦士ガンダムUC』
2011『ギルティクラウン』で荒木哲郎監督と組む
2013TVアニメ『進撃の巨人』
2014SawanoHiroyuki[nZk]を本格始動
以後『キルラキル』『アルドノア・ゼロ』『七つの大罪』『甲鉄城のカバネリ』『プロメア』などへ活動を拡大
2022SennaRinをプロデュースし、メジャーデビューへ
2025作曲家活動20周年
2026初エッセイ集『錯覚の音』を刊行

『医龍』の「Blue Dragon」が残したもの

『医龍』には、河野伸の制作を助ける形で参加しました。澤野によれば、音楽プロデューサーからヘルプの立場でもテーマ性のある曲を書くよう求められ、「作品を見た人の記憶に残る曲」を意識して作ったのが「Blue Dragon」でした。本人は後年、この曲がその後の活動に大きく影響したと振り返り、『医龍』『機動戦士ガンダムUC』『進撃の巨人』を作曲家としての「名刺代わりになった作品」に挙げています。

『ガンダムUC』から荒木哲郎へつながった仕事

荒木哲郎監督が澤野の名前を強く意識したきっかけは『機動戦士ガンダムUC』でした。荒木は第1話のクライマックス、ユニコーンガンダム起動時の音楽に「身震いするほど」惹かれたと対談で振り返っています。その後、『ギルティクラウン』の劇伴候補に澤野が挙がった際、荒木が起用を希望しました。

『ギルティクラウン』での共同作業は、同じ荒木監督による『進撃の巨人』へ続きます。『ガンダムUC』で聴き手として衝撃を受けた監督が、『ギルティクラウン』で直接組み、その経験を経て『進撃の巨人』でも澤野を求めた。この三作の連鎖には、作品一覧だけでは捉えにくいキャリアの因果があります。

澤野は学生・アマチュア時代から、「いつかこの種類の作品を担当したら使いたい」と曲の断片やストックを作り続けていました。後年、『魔王』などで過去のストックをアレンジして使った例も本人が明かしています。大きな作品を任された時点で突然すべてを作り始めたのではなく、仕事が来る前から蓄えた素材と試行錯誤が、転機を受け止める土台になっていました。

なぜ一聴して分かる?「澤野サウンド」を音楽的に分解する

澤野弘之さわの ひろゆき劇伴げきばんを説明するとき、「壮大」「オーケストラとロックの融合」という言葉がよく使われます。実際の曲では、もっと具体的な手がかりを耳で追えます。

第一は、強く覚えやすいメロディーです。澤野はキャッチーさを重視すると語り、イントロやAメロ、Bメロからサビへ入り、そこで「風景が広がっていくような」展開を好むと説明しています。ASKA、小室哲哉、久石譲ら、旋律そのものに強い印象を持つ音楽家から受けた影響が、劇伴でも消えていません。

第二は、異なる音色を同じ曲の中でぶつける設計です。ストリングスやブラスなどのオーケストラ楽器に、ギター、ドラム、シンセサイザー、ピアノ、コーラスが重なります。クラシック由来の楽器編成をもう少し広く知りたい場合は、西洋音楽史のガイドが楽器と編成の背景を補う入口になります。

第三は、静と動の落差です。音数を絞った導入から、打楽器や弦、声が加わり、一気に音場が広がる。澤野自身が語る「サビで風景が広がる」感覚を、劇伴では歌の形式に限らず大きな場面転換として使っています。

第四は声の扱いです。ボーカルを主題歌だけに置かず、劇伴の内部へ積極的に入れます。言葉の意味を伝える歌としてだけでなく、人の声そのものを音色の一つとして編成に加えるため、サウンドトラックの曲が「劇中歌」と「BGM」の境界を横断するように聞こえることがあります。

第五はグルーヴです。本人は「かっこいい曲」で特に意識する点としてグルーヴ感を挙げ、単調なリズムを避け、細部にリズムを加えて横に揺れながら拍を感じられるようにすると説明しています。大音量そのものより、細かなリズムの噛み合わせが身体感覚を作っています。

これらは澤野が公開した一つの作曲公式ではなく、本人の発言と実際の作品で耳にしやすい特徴を重ねた整理です。劇伴では多様なジャンルを求められるため、本人は様式を借りても最終的に自分のオリジナリティへ変えることを意識しています。楽器の種類より、強い旋律、音色の混成、展開の落差、声、グルーヴの組み合わせに作家性が現れます。

『進撃の巨人』の音楽は何がすごかったのか

2013年のTVアニメ『進撃の巨人』Season 1で音楽を担当したのは澤野弘之さわの ひろゆきです。ここでいう音楽は劇伴げきばんで、オープニングのLinked Horizonやエンディングなど主題歌の担当とは分かれています。Season 1の最初の公式オリジナルサウンドトラックは全16曲で、初期からMIKA KOBAYASHI、mpi、Cyuaらの声を含む曲が複数収録されました。

Season 2、Season 3も澤野が音楽を担当しました。一方、The Final SeasonはKOHTA YAMAMOTOと澤野弘之の共同クレジットです。シリーズ後半の担当を曲単位で見ると、両者の役割が明確になります。

The Final Seasonの担当整理

公式OSTKOHTA YAMAMOTO澤野弘之
2021年 OST(全23曲)1〜20曲21〜23曲
2022年 Part 2 OST(全15曲)1〜12曲13〜15曲
完結編 OST031〜3、5曲/4曲は共同4曲「ət’aek till we are Ashes」を共同

The Final SeasonではKOHTA YAMAMOTOが多数の新曲を担い、澤野は過去シリーズから続く音楽語法や新たな楽曲で参加しました。完結編OST03の「ət’aek till we are Ashes」は両者の共同作曲です。シリーズ全体を澤野一人の仕事として括るより、この引き継ぎと共作まで含めて見る方が音楽史として正確です。

代表7曲で聴く「進撃」の音楽

1.ətˈæk 0N tάɪtn
Season 1 OSTの冒頭曲です。声、厚いストリングス、強い打楽器が段階的に重なり、静止した場面から巨大な運動へ移るような展開を作ります。澤野の「声を劇伴に入れる」「サビで景色を広げる」という二つの特徴を一曲で追いやすい入口です。

2.Vogel im Käfig
Season 1 OST収録曲で、Cyuaのボーカルを含みます。静かな声の存在感と、後半へ向けて厚くなる弦・コーラスの対比が大きく、人物の感情と物語の規模が同時に広がる場面で音楽が強く働く理由を聞き取りやすい曲です。

3.Call your name
mpiとCASGのボーカルを前面に置いたSeason 1の楽曲です。ロックの脈動を持つ伴奏と歌が一体化し、サウンドトラックの一曲が単独のボーカル曲としても成立する澤野の作り方がよく表れています。

4.YouSeeBIGGIRL/T:T
Season 2 OSTの代表的な一曲です。抑えた導入と、声・弦・打楽器が一気に押し寄せる後半の落差が大きく、真相が露出する局面や感情が反転する場面で、音楽が映像の衝撃を増幅する仕組みを聞き取りやすくなっています。

5.Call of Silence
Season 2 OST収録のボーカル曲です。音数を抑えた叙情的な始まりから、声を中心に空間が広がっていきます。戦闘の圧力だけでなく、喪失や回想に寄り添う静かな側面も澤野の『進撃の巨人』にはあります。

6.Barricades
Season 2 OST収録。前へ進むドラムとギター、ボーカルが曲全体を押し出し、戦闘場面に歌の推進力を持ち込むタイプの劇伴です。オーケストラ中心の重厚さとは別方向から、澤野のグルーヴ感をつかめます。

7.T-KT
Season 3 OSTに収録されています。派手な爆発よりも、抑えた音数と持続する緊張を聴かせる曲です。大編成の迫力だけでなく、余白を残して映像に感情の居場所を作る書き方まで含めると、『進撃の巨人』の音楽の幅をつかめます。

Season 3 OSTの公式ブックレットには、澤野弘之、荒木哲郎総監督、梶裕貴による鼎談「『進撃の巨人』の音楽世界」も収録されています。音楽単体の解説だけでなく、監督・演者と作曲家の関係から作品を掘り下げられる一次資料です。

『進撃の巨人』が放送された2010年代のアニメ制作や海外展開を広く捉えるなら、日本アニメの歴史も背景を整理する手がかりになります。

劇伴はどう作られる?「音楽メニュー」と謎の曲名

劇伴げきばん制作には、完成映像に合わせて書く方法に加え、映像完成前に必要な曲をまとめて作る方法があります。澤野弘之さわの ひろゆきが『プロメア』などの制作について語った方法では、まず監督や制作側と必要な音楽の種類を整理します。

その一覧が「音楽メニュー」です。「主人公のテーマ」「バトルで必要な曲」といった項目を初期の打ち合わせで決め、作曲家は作品資料や監督の言葉を受けて曲を作ります。『プロメア』では正式な音楽メニューが完成する前の打ち合わせから参加し、およそ10曲ほどの大枠を先に決め、後から必要曲を追加していったと本人が説明しています。先に作られた一曲が複数の場面で使われることもあり、映像側の選曲によって曲と場面の結びつきが生まれます。

荒木哲郎との仕事では、長い言葉の説明を積み重ねるより、要点を短く共有し、実際の音を作って返す関係が育ちました。二人の対談でも打ち合わせ時間の短さが話題になっています。共有する作品像が明確だから会話そのものが不要になるのではなく、作って聞かせる往復が共通言語として機能していました。

読みにくい曲名にも理由がある

『進撃の巨人』のサウンドトラックには「ətˈæk 0N tάɪtn」「立body機motion」「凸〗♀〗♂〗←巨人」「進撃st-hrn-gt-pf20130629巨人」のような題名があります。澤野は、インストゥルメンタルの劇伴は一曲が複数の場面に使われるため、「夏」のように意味が強い題名を付けると聴き手のイメージが一方向へ固定されやすいと説明しています。

そこで意味の読み取りにくいタイトルを付け、聴き手が場面や自分の記憶から自由にイメージを作れる余地を残します。暗号のように見える文字列にも、澤野自身が曲を整理するためのルールがあります。奇抜さだけを狙った表記ではなく、「曲名で意味を決めすぎない」という劇伴観が形になったものです。

劇伴作曲家だけではない――SawanoHiroyuki[nZk]とプロデュース

澤野弘之さわの ひろゆき劇伴げきばんの中で早くからボーカル曲を積極的に使ってきました。その延長から、ボーカル楽曲そのものへ重心を移したプロジェクトがSawanoHiroyuki[nZk]です。

2014年、『機動戦士ガンダムUC』episode 7公開記念スペシャルライブ「UnChild」をAimerと行い、SawanoHiroyuki[nZk]:Aimer名義のアルバム『UnChild』を発表しました。ここから[nZk]が本格的に動き始めます。固定ボーカリストを置かず、曲や企画ごとに声を選ぶ形式で、Aimer、mizuki、mpi、Tielle、ReoNa、Jean-Ken Johnnyらと組んできました。

2015年、澤野弘之とのライブで歌うAimer
Aimer、2015年。澤野弘之とのライブで「StarRingChild」を歌う場面。撮影:Jafmedram/Wikimedia Commons/CC0 1.0。

本人は[nZk]について、作品のために書く劇伴よりも「澤野弘之自身」に焦点を置き、その時点で好きな音楽の要素をより自由に取り込める場だと語っています。2024年にはプロジェクト始動10周年を迎えました。

2022年には、SennaRinを全面プロデュースしてメジャーデビューへ送り出しました。2026年のインタビューでも、SennaRinらとのプロデュースプロジェクトをさらに広げたい意向を語っており、作曲家に加えてプロデューサーとしての仕事が近年の柱になっています。

澤野は、劇伴が作品のための音楽でありながら、聴き手に「澤野弘之が作っている」と認識される存在を目指してきたとも話しています。その意識は、若い頃に憧れたASKA、小室哲哉、久石譲ら、作品と同時に作り手自身の名前も追われる音楽家像につながります。[nZk]とプロデュースは、その志向を映像作品の外へ広げる場所になりました。

アニメ音楽がCD、配信、動画、ライブを通じて作品の外へ広がる仕組みは、日本の音楽とメディアの歴史の流れとも重なります。

数字で見る功績――国内の賞から世界のコンサートまで

澤野弘之さわの ひろゆき劇伴げきばんが作品の外でどこまで届いたかは、受賞や著作権使用料の分配、ライブの規模から具体的に追えます。

東京アニメアワードフェスティバル(TAAF)では、2014年に『進撃の巨人』がアニメ オブ ザ イヤーのテレビ部門グランプリを受賞し、荒木哲郎が監督賞、澤野弘之が音楽賞を受賞しました。翌2015年も澤野が音楽賞を受賞し、2年連続の受賞となりました。

2015年JASRAC賞では『進撃の巨人BGM』が銀賞を受賞しました。JASRAC賞の金・銀・銅賞は前年度の著作物使用料分配額が多かった国内作品上位3作に贈られ、この年の2位が『進撃の巨人BGM』、1位は『恋するフォーチュンクッキー』でした。2013年のTVアニメ放送開始から約2年で、劇伴群が国内作品の分配額2位に入ったことになります。

JASRACの「外国入金」で分かる海外利用

海外で日本の音楽が放送、配信、演奏などに使われると、現地の著作権管理団体が使用料を徴収し、日本側の管理団体・権利者へ送る仕組みがあります。JASRACの「国内作品・外国入金」ランキングは、海外の著作権管理団体からの入金に基づく国内作品の順位です。CD売上や作曲家個人の手取り額の順位とは異なり、公開TOP10資料には金額そのものも掲載されていません。

確認できる年を見ると、『進撃の巨人BGM』/澤野弘之は2020年4位、2024年5位、2025年10位、2026年10位に入っています。2025年には『進撃の巨人 THE FINAL SEASON BGM』がKOHTA YAMAMOTO名義で3位、澤野弘之名義で9位にも入りました。2022年には別作品の『七つの大罪BGM』/澤野弘之が6位です。複数の年、複数の作品で海外利用に基づくTOP10入りが確認できます。

2026年「国内作品・外国入金」TOP10

順位作品作曲者
1NARUTO-ナルト-疾風伝BGM高梨康治
2ワンピースBGM田中公平
3HUNTER×HUNTER BGM平野義久
4人生のメリーゴーランド久石譲
5BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS BGM高梨康治
6ワンピースBGM浜口史郎
7ゴジラ-1.0 BGM佐藤直紀
8NARUTO BGM増田俊郎
9ブラッククローバーBGM関美奈子
10進撃の巨人BGM澤野弘之

上位10作のうち多くをアニメBGMが占めており、アニメの劇伴が海外利用による著作権収入で大きな位置を持つ状況が分かります。この順位は海外での聴取や利用の一つの指標で、人気の全体像は配信、興行、ライブなど別の数字と合わせて見る必要があります。

ライブでも規模は広がりました。2019年には上海メルセデス・ベンツアリーナで行われた澤野弘之の公演に1万人を超える観客が来場したとMusicmanの公演レポートが伝えています。

『進撃の巨人』公式の「Beyond the Walls World Tour」は、澤野弘之とKOHTA YAMAMOTOのサウンドトラックを両作曲家の監修のもと、作品映像とともに体感する初の海外公式コンサートツアーです。全シリーズを網羅する22曲が演奏されます。さらに2026年の「Symphony from Paradis」は、両作曲家監修のもと公式コンサートとして初めてフルオーケストラ用に編曲され、100人を超えるオーケストラと合唱団によって上演されます。

『進撃の巨人』から澤野弘之をもっと聴くなら

  • 『医龍』「Blue Dragon」――「記憶に残る曲」を意識したキャリア初期の転機です。
  • 『機動戦士ガンダムUC』「UNICORN」など――荒木哲郎が澤野の音楽を強く意識する契機になった作品です。
  • 『ギルティクラウン』――『進撃の巨人』直前に荒木と澤野が組んだ仕事で、二人の共同作業の流れを追えます。
  • SawanoHiroyuki[nZk]:Aimer『UnChild』――劇伴からボーカルプロジェクトへ活動が広がる節目です。
  • 『アルドノア・ゼロ』の[nZk]楽曲――映像作品とボーカルプロジェクトが接続する時期を聴ける入口です。

『医龍』で「作品を見た人の記憶に残る曲」を目指した20代の作曲家は、やがて作品名だけでなく「澤野弘之の音」として認識されるようになりました。『進撃の巨人』完結後も、その音楽はサウンドトラック、ライブ、海外の公式ツアー、フルオーケストラ公演へ形を変えて残っています。

参考資料