東京・西日暮里にある開成中学校・高等学校は、1871年に佐野鼎が創立した共立学校を起点とする男子校です。中学校の定員は900人、高校は1,200人で、学校全体では約2,100人。毎年9月の文化祭「開成祭」は、生徒が企画・運営・演出を担う大規模な学校行事として知られています。2025年の来場者は学校公式発表で33,000人。2026年は創立155周年にあたり、文化祭の名称は「155th開成祭 Constellation」です。
開成中学校・高等学校は何人・何クラス?
開成学園の公式サイトでは、中学校の生徒定員を900人・21学級、高等学校を1,200人・24学級としています。中高合計では定員2,100人、45学級です。
| 区分 | 生徒定員 | 学級数 | 1学級あたりの目安 |
|---|---|---|---|
| 中学校 | 900人 | 21学級 | 約43人 |
| 高等学校 | 1,200人 | 24学級 | 約50人 |
| 合計 | 2,100人 | 45学級 | ― |
3学年に分けると、中学は1学年約300人、高校は1学年約400人の規模です。2026年度の入学式では中学校300人、高等学校401人が入学しました。高校1年では中学からの内部進学者に高校入試組約100人が加わり、高校入試組は1年間別クラスで学びます。高校2年から内部進学者との混合クラスになります。
授業は6日制・週34時間が基本です。学校は日常の授業と生徒の自主性を重視し、高校入試組には科目によって進度調整の補講も設けています。
1871年、佐野鼎が「共立学校」を創立
開成の歴史は明治4年(1871)に始まります。創立者の佐野鼎は1829年生まれ。幕末には1860年の遣米使節、続いて遣欧使節に参加し、欧米の社会や教育に触れました。明治維新後、日本の近代化には教育が重要だと考え、東京・神田淡路町に共立(きょうりゅう)学校を設立しました。
佐野が参加した使節は、江戸幕府が派遣した万延元年遣米使節と文久遣欧使節です。明治政府が1871年から派遣した岩倉使節団とは時代も派遣主体も異なります。
1878年には、のちに内閣総理大臣となる高橋是清が25歳で初代校長に就任しました。1895年に校名を「開成」へ改め、1924年に神田淡路町から現在の西日暮里へ移転。1948年に開成高等学校が発足し、1960年から高校での外部募集が始まりました。
開成の前身「共立学校」と共立女子大学は別系統です。開成側は1871年創立の共立(きょうりゅう)学校、共立女子大学の母体は1886年創立の共立女子職業学校で、創立年も設立者も異なります。
「開成」の校名と教育理念
「開成」の名は、中国古典『易経』の「開物成務」に由来します。学校は「人間性を開拓、啓発し、人としての務めを成す」という意味として説明しています。校章の「ペン剣」は「ペンは剣よりも強し」を図案化したものです。
現在の開成学園は「開物成務」「ペンは剣よりも強し」「質実剛健」「自由」を教育理念として掲げています。「自由」は自主と自律を土台にした自由と位置づけられ、授業、生徒会、部活動、運動会、文化祭などの学校生活に表れています。
開成祭とは? 生徒が1年かけてつくる文化祭
開成祭は毎年9月に行われる開成中学校・高等学校の文化祭です。学校公式サイトは、企画・運営・演出を生徒の自主性に委ねる行事として紹介しています。前年度の文化祭が終わると高2・高1を中心に次年度の議論と組織づくりが始まり、準備期間はほぼ1年間に及びます。
夏休みも重要な準備期間です。過去の学校公式記事では、生徒が木材を加工して会場設備を作り、映画を撮影・編集し、舞台企画の練習を重ねる様子が紹介されています。
「文準」と「参団」
文化祭準備委員会は「文準(ぶんじゅん)」と呼ばれます。2016年の学校公式記事では15の係に約1,000人が所属し、参団の支援、模擬店、パンフレット・Web制作、会場装飾などを分担していました。2025年の取材では文準約1,200人、中1から高2までの約7割が参加したと紹介されています。
文化祭に参加する団体は「参団(さんだん)」と呼ばれます。部活動・同好会に加え、クラスや友人同士の有志でも企画を立ち上げます。2025年の取材では約70の参団が活動していました。
実験・映画・スポーツ・飲食まで広がる企画
企画の幅は広く、文化部の研究展示や実演、映画上映、謎解き、お化け屋敷、ゲーム、バンド、管弦楽、ピアノ、舞台企画、運動部の招待試合、模擬店、縁日、古本市、学校紹介などが並びます。
2026年のタイムテーブルにも「大化学実験」「物理部LIVE」「開成中高に入る前と後」「文準×運準」、管弦楽団、ピアノ、俳句、eスポーツ、各運動部の招待試合などが組まれています。研究発表型、体験型、舞台型、スポーツ型の企画が同じ校内で同時進行する構成です。
開成祭の歴史と「155th」の意味
2026年の公式企画「見てみよう文化祭の歴史」は、第1回文化祭からちょうど80年と紹介しています。公式パンフレットでは、終戦直後の1946年に開成学園創立75周年記念行事として行われた「学芸会」を正式な第1回文化祭と位置づけています。
2026年の名称「155th開成祭」は、開成学園が1871年創立で155周年を迎えることに対応する呼称です。「155th」は学園の創立年と結びついた表現で、2026年は第1回文化祭から80年に当たります。
来場者3万人超の大規模文化祭
2025年9月20・21日の開成祭には、学校公式発表で33,000人が来場しました。全校生徒約2,100人の学校に、2日間でその十数倍の人が訪れる規模です。
2023年度からは完成した高校校舎B・C棟も文化祭で広く利用され、展示や企画の会場が拡大しました。西日暮里駅から徒歩1分という立地も、多くの来場者が訪れやすい条件の一つです。
2026年の155th開成祭「Constellation」
2026年のテーマは「Constellation」。星座を意味する言葉で、生徒同士や生徒と来場者の「繋がり」を表しています。標語は「光を紡ぐ。想いを繋ぐ。」です。

| 開催日 | 2026年9月19日(土)・20日(日) |
|---|---|
| 時間 | 19日 9:00〜16:30(中夜祭は17:45まで一般観覧可)/20日 9:00〜16:00(後夜祭は16:30まで一般観覧可) |
| 入場 | 事前予約・招待券ともに不要 |
| 会場 | 開成中学校・高等学校 |
| 最寄り | JR山手線・京浜東北線、東京メトロ千代田線「西日暮里駅」から徒歩1分 |
校内は武道場など一部を除いて土足で回れます。来場者が集中する時間帯には飲料販売も混み合うため、公式案内は飲み物の持参を勧めています。アクセスは公共交通機関が基本です。企画一覧や会場案内は、155th開成祭の電子版パンフレットでも確認できます。

2026年9月19日の現地レポート
9月19日の午前10時ごろ、西日暮里駅側から開成学園へ向かいました。校舎は駅から近く、文化祭入口には案内が出ていました。正門には「155th Kaisei Festival Constellation」の看板が掲げられ、開場から約1時間の時点で来場者が校内へ入っていました。



入場後に受け取ったパンフレットは、濃紺を基調に星空と天球儀を描いたデザインです。表紙には開催日「2026.09.19 Sat. – 20 Sun.」とテーマ「Constellation」が記されています。
数学研究部とスタンプラリー
数学研究部では、中高入試予想、グランプリ、部誌、工作、ミニ講義など複数の企画が案内されていました。会場内にはスタンプラリーもあり、パンフレットを持って各所を回る楽しみ方も用意されていました。


会場内は列ができる企画も
A会場では企画を待つ来場者の列ができ、廊下も多くの人で混み合っていました。パンフレットを手に待つ人も多く、午前10時台から人気企画に人が集まっていました。


中庭と飲食企画
校舎に囲まれた中庭では、来場者が各展示へ移動し、生徒が企画の案内を行っていました。吹き抜け状の空間と外階段があり、建物の上下階を行き来する来場者の姿も見えます。

飲食企画では「開成焼き」が1個200円で販売されていました。現地の案内では、整理券用のQRコードから応募し、30分ごとに抽選を行う方式が採られていました。人気企画を整理券制で運用する様子も、来場者数の多い文化祭らしい光景です。

将棋や参加型企画も盛況
将棋の企画では複数の盤を並べ、生徒と来場者が対局していました。別の教室では「萌はきゅんよりも強し」と題した企画が行われ、来場者が一緒にポーズを取って写真撮影を楽しんでいました。


グラウンドと校内施設
A会場からグラウンドを見ると、屋外にも多くの企画と来場者が広がっていました。グラウンド中央からはA会場の校舎全体が見え、別の屋外スペースにはテーブルが並んで休憩や飲食に使われていました。B1階の大体育館や1階ステージも文化祭会場として使われていました。





12時30分ごろには入場者数約8,400人
9月19日12時30分ごろに会場を出る際、入口付近の表示は入場者数約8,400人を示していました。午前中から校内各所に列ができていた状況とあわせ、初日昼前後の来場規模が分かる数字です。

校舎最上階の6階から見た西日暮里
校舎最上階の6階からは、西日暮里周辺の住宅地と、その先に広がる都心の高層建築を見渡せました。学校が山手線の駅前にありながら、周辺に低層の住宅地も広がっていることが分かります。

理科展示で見えた新校舎の設備
理科系の展示では、実験器具を使った実演や観察が行われていました。化学の展示では、生徒が来場者を前に実験を見せ、実験台の周囲に人が集まっていました。新校舎を紹介するパネルには、物理・化学・生物・地学の各実験室に加え、6階北広場や天体観測ドームなどの設備が紹介されていました。



地質部は巡検と採集成果を展示
地質部の展示では、鉱物や化石を目当てに来場者が集まっていました。部活動紹介には、伊豆大島、福島、葛生、福井などへの巡検・合宿が記され、現地での採集と観察を年間活動の中心に据えていることが分かります。


展示の一例が、福島県石川町のペグマタイトです。現地で採集した鉱物について、形成過程や含まれる鉱物を大型パネルで解説し、採集物と調査内容を文化祭で紹介していました。

入試難易度と2026年の進学実績
2026年度中学入試は1,175人が受験し442人が合格、実質倍率は2.7倍でした。高校入試は462人が受験し168人が合格、実質倍率2.8倍、入学者96人です。
民間の高校情報サイト「みんなの高校情報」では、2026年度版の開成高校を偏差値77としています。偏差値は模試の母集団や算出方法で変わる参考値です。学校公式の2026年度大学入試結果では、東京大学合格者は現役143人、OB55人の計198人でした。
開成出身の著名人
卒業生は政界、財界、学術、文化、芸能など幅広い分野にいます。代表例として、第100・101代内閣総理大臣を務めた岸田文雄、ピアニストの角野隼斗、QuizKnockの伊沢拓司、メディアアーティスト・研究者の落合陽一などが挙げられます。
学校公式サイトは、岸田文雄を昭和51年卒の卒業生として紹介しています。角野隼斗も開成中学校・高等学校の卒業生で、2022年には母校で演奏会を開催しました。伊沢拓司は開成中高在学中にクイズ研究部で活動し、高校生クイズで個人2連覇。落合陽一は2006年に開成高校を卒業しています。

