東京都新宿区富久町にある東京都立総合芸術高等学校は、美術科・舞台表現科・音楽科の3学科を置く芸術専門高校です。学校公式サイトは「都立高校で唯一の芸術科専門高校」と位置づけています。美術、演劇、舞踊、音楽を専門的に学ぶ生徒が同じ校舎で過ごし、文化祭では作品展示、公演、演奏が同時に展開します。
東京都立総合芸術高校とは
東京都立総合芸術高等学校は全日制・単位制の都立高校で、所在地は新宿区富久町22-1です。教育目標には、美術・舞台表現・音楽の専門教育を通して日本の芸術文化を支え、国内外の芸術文化活動で社会に貢献する人材の育成を掲げています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 学科 | 美術科・舞台表現科・音楽科 |
| 1学年のクラス数 | 4クラス |
| 1組 | 美術科 |
| 2組 | 美術科 |
| 3組 | 舞台表現科 |
| 4組 | 音楽科 |
| 2026年度募集人員 | 美術科80人、舞台表現科40人、音楽科40人、計160人 |
| 在籍生徒数 | 463人(2025年12月の学校評価対象者数) |
各年次は美術科2クラス、舞台表現科1クラス、音楽科1クラスで構成されます。クラス番号は学校への直接確認により、1・2組が美術科、3組が舞台表現科、4組が音楽科です。3学年を合わせると基本構成は12クラスです。
2026年度の募集人員は美術科80人、舞台表現科40人、音楽科40人の計160人です。舞台表現科40人は演劇専攻20人、舞踊専攻20人を基本とします。実際の在籍数は年度途中の動きも含むため定員と一致せず、2025年12月の学校運営連絡協議会資料では全校463人でした。
府立第三高女から続く芸術教育の系譜
学校公式の沿革は1902(明治35)年創立の東京府立第三高等女学校から始まります。戦後の学制改革を経て、1950(昭和25)年に東京都立駒場高等学校が発足し、同年4月に芸術科が設置されました。現在の総芸につながる芸術専門教育の直接的な源流は、この駒場高校芸術科です。
1972(昭和47)年には東京都立芸術高等学校が開校しました。1997(平成9)年、東京都教育委員会の「都立高校改革推進計画」に総合芸術高校の構想が登場し、その後の検討で従来の美術・音楽に舞台表現を加える学校像が具体化しました。
東京都立総合芸術高等学校は2009(平成21)年10月に設置され、2010(平成22)年4月の第1回入学式で168人が入学しました。開校時は、美術科と舞台表現科が神楽坂校舎、音楽科が駒場校舎で学びました。2011年11月に富久町の新校舎が竣工し、2012年3月までに3学科の移転が完了しました。2019(令和元)年11月には創立10周年記念式典が行われています。
美術・舞台表現・音楽の3学科
美術科|1組・2組
美術科には日本画、油彩画、彫刻、デザイン、映像の5専攻があります。生徒は入学時に専攻を選び、3年間を通して専門的な知識と技術を学びます。学校行事には有志展、コンクール展、1・2年次展、卒業制作展などが組み込まれ、制作した作品を展示する機会が継続的に設けられています。
舞台表現科|3組
舞台表現科は演劇専攻と舞踊専攻で構成されます。舞踊専攻にはクラシックバレエコースとコンテンポラリーダンスコースがあります。専門講師による指導を受け、定期公演、前期・後期成果発表会、授業公開などで学習成果を舞台に載せます。
音楽科|4組
音楽科には器楽、声楽、作曲、楽理の4専攻があります。個人レッスンを中心に少人数授業を組み、発表演奏会、合奏・合唱の定期演奏会、卒業演奏会などを行います。毎週火曜日の始業前にはモーニングコンサートも実施されています。
520席のホールと専門実習室
校舎には520席の講堂棟ホールがあります。美術科には展示ホール、日本画室、油画室、彫刻室、ヴィジュアルデザイン室、撮影スタジオ、映像編集室、版画室、金工室、木工室、陶芸室などが整備されています。美術科PC室にはMac38台、映像編集室にはMac17台が配置されています。
舞台表現科には舞台演習室と複数の練習室があり、音楽科にはアンサンブル室、合奏室、21室のレッスン室があります。制作、稽古、展示、演奏、上演までを校内の専門施設で進められる環境が、3学科の学習成果発表を支えています。
総芸の文化祭は3学科の成果が同時に集まる
総芸の文化祭には、食品販売や部活動発表などの高校文化祭らしい企画に加え、専門学科の作品展示、公演、演奏が集まります。文化祭会場も校舎棟、体育館棟アリーナ、講堂棟ホールへ広がり、学科ごとの表現形式を一度に見ることができます。
近年の公式プログラムでは、舞台表現科の3組が体育館アリーナで学年公演を行い、音楽科の4組が講堂棟ホールで学年公演を行う形が続いています。美術科は校内展示と結びつき、2026年度は文化祭期間中に美術科コンクール展が展示ホールで開かれます。
文化祭は一般公開の規模も大きく、2023年度の来場者数は2,377人、2025年度は4,526人でした。2026年度の学校経営計画では5,000人以上を目標に掲げています。全校500人弱の学校に対し、多くの一般来場者が集まる行事です。
テーマも毎年変わります。2024年度の第15回は「PARADE」、2025年度の第16回は「藝狂 -Passion for art-」、2026年度の第17回は「藝扉 – GATEWAY -」です。
2026年第17回文化祭「藝扉 – GATEWAY -」
2026年度の第17回文化祭の開催日は9月19日(土)・20日(日)です。1日目は10時から16時、2日目は9時から15時。入場は無料で、一般来場者は予約なしで入場でき、受付は校舎棟正面エントランスでした。
| 会場 | 主な2026年プログラム |
|---|---|
| 体育館棟アリーナ | ダンス部、演劇部、殺陣部、コンテンポラリーダンス部、1~3年3組の学年公演 |
| 講堂棟ホール | 15期音楽科ウェルカムコンサート、1~3年4組の学年公演 |
| 校舎棟・展示ホール | 美術科コンクール展、各種展示・企画 |
公式プログラムには、3組の学年公演として1年「童話、バグりました。」、2年「!!!」、3年「15th -The Last Stage」、4組は1年「Prime17」、2年「Titanic」、3年「Frozen」が組まれました。講堂棟ホールでは15期音楽科のウェルカムコンサートも予定されました。
美術科コンクール展は9月19日・20日の文化祭期間にも校内展示ホールで作品を公開しました。文化祭後も9月29日・30日、10月3日・5日に展示日が設定されています。
公式案内では、カレー部、食物研究同好会、茶道部の食品販売はチケット制で、販売券は当日購入、支払いは現金でした。人気公演には入場制限や整理券配布があり、体育館棟では上履きやスリッパを使用する案内でした。来校には公共交通機関の利用が指定されました。
9月19日14時から16時までの現地レポート
2026年9月19日、文化祭初日の14時から終了時刻の16時まで現地を歩きました。校門には「GATEWAY」の大きな装飾が設けられ、坂を上った先の校舎エントランスにも「藝扉 GATEWAY」の装飾が吊られていました。


受付では文化祭パンフレットとポストカードを受け取りました。校内には文化祭ポスターの応募作品が並び、同じテーマ「藝扉 – GATEWAY -」を異なる構図や色彩で表現したデザインを見比べられました。

パンフレットには1階から4階までの配置図と、体育館棟アリーナ・講堂棟ホールの時間別プログラムが掲載されていました。校舎内の企画を巡りながら、公演時刻も確認できる構成です。



作品展示は教室内だけでなく廊下にも広がっていました。額装作品が壁面に連続して並ぶ場所や、教室内で多数の作品をまとめて公開する展示があり、校舎を移動する途中でも作品を見ることができました。




教室企画も多彩でした。「総芸伎町一番街」は、校内にいる「指名手配犯」を探して歩く参加型企画です。別の教室では、お化け屋敷も行われていました。「総芸」を略した「そげ」を使った「そげ・ゼリヤ」の看板など、学校名をもじった装飾も各所にありました。



「都立総合天体観測所」は、教室を暗くして星空を演出した企画でした。別の教室には机と椅子を並べた休憩スペースが用意され、校内を巡る途中に座って休めるようになっていました。


食品企画では、15時台にぎょうざ部が完売していました。校内には「FamilyMart」の表示がある販売スペースもあり、現地案内では支払いは現金のみ、ポイント付与は対象外とのことでした。


初日の終了時刻は16時です。16時ごろには、来場者が校門へ向かっていました。

文化祭以外にも発表の機会が続く
総芸では文化祭のほかにも、学科ごとの発表が年間を通して続きます。美術科は有志展、コンクール展、卒業制作展、舞台表現科は定期公演と成果発表会、音楽科は発表演奏会、定期演奏会、卒業演奏会などを行います。
2025年度の学校経営報告は、こうした展覧会、公演、演奏会を「生徒の学習成果を広く都民に公開」する取組として位置づけています。文化祭も、日常の専門教育と公開発表がつながる場として学校生活の中に置かれています。
アクセス
住所は東京都新宿区富久町22-1。都営新宿線「曙橋駅」A2口から徒歩9分、東京メトロ丸ノ内線「新宿御苑前駅」大木戸門口から徒歩11分、都営大江戸線「若松河田駅」河田口から徒歩12分です。新宿三丁目駅から徒歩15分、JR新宿駅東口から徒歩20分ほどです。

