2024年12月15日、ゆる歴史散歩会では東京ミッドタウン日比谷を出発し、帝国ホテル、有楽町、丸の内仲通りを経てKITTEまで歩きました。冬の光を追う短いルートですが、足元には江戸の大名屋敷、明治の迎賓施設、昭和の劇場街、丸の内のオフィス街、現代の再開発まで、東京の都市史が重なっています。
開催情報は2024年度の記録です。
2024年12月、日比谷から丸の内へ歩いたルート
散歩会では、日比谷から有楽町を抜け、丸の内仲通りへ入り、東京駅前のKITTEを終点としました。各地点名からGoogleマップを開けます。
- 東京ミッドタウン日比谷 日比谷ステップ広場
- 東京ミッドタウン日比谷 パークビューガーデン
- 帝国ホテル 東京
- SLIT PARK YURAKUCHO
- 一号館広場
- WHITE KITTE イルミネーション
HIBIYA Magic Time Illumination 2024
東京ミッドタウン日比谷を中心に行われた「HIBIYA Magic Time Illumination 2024」は、2024年11月14日から2025年2月28日まで開催されました。点灯は16時から23時。日比谷仲通り、日比谷ステップ広場、6階のパークビューガーデンなどが光に包まれました。
日比谷ステップ広場では、2024年11月14日から12月25日まで「HIBIYA WINTER SQUARE」が展開され、映画『モアナと伝説の海2』と連動した演出が行われました。7本のクリスマスツリーと青を基調にした光が、劇場や映画館が集まる日比谷らしいエンターテインメント空間をつくっていました。
6階のパークビューガーデンは、日比谷公園と皇居方面を見渡せる場所です。日比谷公園の緑地と高層建築が隣り合う景観を一望できます。
東京ミッドタウン日比谷の足元に重なる、江戸から昭和の歴史
海辺から大名屋敷の街へ
江戸の初めまで、現在の日比谷周辺には海が入り込んでいました。江戸城下の整備に伴って海辺が埋め立てられ、やがて大名屋敷が並ぶ武家地となります。現在の日比谷公園の歴史をたどると、江戸の入江から明治の練兵場、1903年開園の洋風公園へと変わった土地の流れが見えてきます。
鹿鳴館と帝国ホテルが生まれた明治の日比谷
明治になると、日比谷周辺は外国からの賓客を迎える東京の表舞台へ変わります。1883年に鹿鳴館が開館し、1890年には帝国ホテルが開業しました。1903年には日比谷公園が開園し、官庁街や皇居に近いこの一帯に、ホテル、公園、社交の場が集まりました。
映画と演劇の街へ
昭和に入ると日比谷の性格はさらに変わります。1934年に東京宝塚劇場と日比谷映画劇場が開場し、その後も有楽座、みゆき座、日比谷スカラ座、日生劇場などが集まりました。現在のイルミネーションが映画や音楽と組み合わされる背景には、長く育てられてきた「エンターテインメントの街・日比谷」の歴史があります。
三信ビルから東京ミッドタウン日比谷へ
東京ミッドタウン日比谷の敷地には、かつて1930年竣工の三信ビルディングと、1960年竣工の日比谷三井ビルディングがありました。三信ビルはアーケード状の一階空間などで親しまれ、2007年に閉館。日比谷三井ビルも2011年に閉館し、跡地を含む一帯の再開発が進みました。東京ミッドタウン日比谷は2018年3月29日に開業しています。
帝国ホテル|日比谷が迎賓の街になった象徴
帝国ホテルは1890年11月3日、海外からの賓客を迎えるホテルとして日比谷に開業しました。外交と社交の場だった明治の日比谷を今に伝える存在です。
二代目本館はフランク・ロイド・ライトの設計で、1923年9月1日に開業しました。その日は関東大震災の発生日でもありました。建物は大きな倒壊を免れ、その後も国際的な宿泊・社交の舞台として使われました。
有楽町から丸の内へ|街づくりの歴史をつなぐ
帝国ホテルから北へ進むと有楽町です。SLIT PARK YURAKUCHOは、新国際ビルと新日石ビルの間にあった路地空間を改修し、2022年に開業しました。通り抜けるための細い空間を、人が立ち止まり、飲食やイベントを楽しめる場所へ変えた小規模な都市再生です。
この先は、明治以降に三菱が集中的に開発した丸の内へ入ります。建物ごとの来歴やSLIT PARK YURAKUCHOの詳細は、丸の内エリアの歴史と建築ツアーにまとめています。
三菱一号館と一丁倫敦|丸の内のオフィス街はここから始まった
明治政府は1889年、陸軍用地だった丸の内一帯の払い下げを決め、翌1890年に三菱が取得しました。1894年にはジョサイア・コンドル設計の三菱一号館が完成します。煉瓦造の洋風事務所が次々に建つと、その街並みはロンドンになぞらえて一丁倫敦と呼ばれました。

三菱一号館は1968年に解体されましたが、原設計図や実測図、写真などをもとに同じ場所へ復元され、2009年に建物が竣工、2010年に三菱一号館美術館が開館しました。赤煉瓦の建物と一号館広場は、イルミネーションの季節にも丸の内を象徴する景観になります。
三菱一号館の建築と周辺の歴史は、丸の内の建築&歴史散歩でも詳しく紹介しています。


丸の内仲通り|オフィス街から歩いて滞在する街へ
東京駅が1914年に開業すると、丸の内は首都の玄関口に面したオフィス街として発展しました。現在の丸の内仲通りは、オフィスを結ぶ道路であると同時に、店舗やベンチ、イベント空間が連続する歩行者中心の街路になっています。冬のイルミネーションは、その仲通りを夜まで人が歩き、滞在する場所へ変える季節の風景です。

東京駅の保存・復原と丸の内の再開発、容積移転、仲通りの歩行空間化については、丸の内・大手町を歩く|東京駅保存と容積移転で読む再開発入門で掘り下げています。
丸の内イルミネーション2024|23年目のシャンパンゴールド
「丸の内イルミネーション2024」は2024年11月14日から2025年2月16日まで開催されました。23年目となった2024年度は、丸の内仲通りを中心とする約1.2kmに約286本の街路樹が並び、シャンパンゴールド色の光で彩られました。
赤煉瓦の三菱一号館、石造風のオフィス建築、ガラスの高層ビルが同じ通りに並ぶため、光の見え方も場所ごとに変わります。建築年代を知ってから歩くと、イルミネーションの背景に丸の内が130年以上かけて更新されてきた時間が重なります。
KITTEでゴール|旧東京中央郵便局の記憶を残すJPタワー
散歩の終点は東京駅丸の内南口前のKITTEです。現在のJPタワー低層部には、1931年に完成した旧東京中央郵便局舎の一部が保存・再生されています。歴史的な外観を残しながら高層棟を組み合わせ、低層部の商業施設としてKITTEが入っています。

