後楽園・小石川から白山神社へ|源覚寺とあじさいを巡る文京区の歴史散歩

文京区白山神社のあじさいまつりの境内景観

後楽園駅・春日駅周辺から小石川を北へ歩き、白山神社を目指す文京区の歴史散歩です。源覚寺の「こんにゃく閻魔」、日立製作所小石川迎賓館「白山閣」、金井直詩料館、本念寺の大田南畝墓をたどると、小石川・白山に残る寺社信仰、江戸文化、近現代の文学と建築を一つの道筋で見られます。6月の白山神社・白山公園では、文京あじさいまつりの季節景観も楽しめます。

【紫色:主な見附 白色:主なスポット 青色:現在の主要線路】見附とは見張り番所がある城門のことで、江戸城の見附は主に枡形門と堀に架けられた橋が一体となったものが多かった。実際は36以上あったが俗に江戸城三十六見附と呼ばれている。現在でも一部残っている。
大塚(おおつか) 音羽(おとわ) 春日(かすが) 小石川(こいしかわ) 後楽(こうらく) 小日向(こひなた) 水道(すいどう) 関口(せきぐち) 千石(せんごく) 千駄木(せんだぎ) 西片(にしかた) 根津(ねづ) 白山(はくさん) 本駒込(ほんこまごめ) 本郷(ほんごう) 向丘(むこうがおか) 目白台(めじろだい) 弥生(やよい) 湯島(ゆしま)

今回のコース概要|後楽園・小石川から白山神社へ

  • 出発地:文京区立礫川公園(後楽園駅・春日駅周辺)
  • 到着地:白山神社(白山駅・本駒込駅周辺)
  • 主要スポット:源覚寺、白山閣、金井直詩料館、本念寺、白山神社
  • テーマ:小石川・白山の寺社信仰、江戸文化、文学、建築、あじさい

コースの距離と所要時間は、現在確認できる記録に確定値がないため記載していません。実際に歩く場合は、各施設の公開状況や立ち寄り時間によって変わります。

後楽園から白山神社までの散歩コース

スタートは後楽園駅・春日駅に近い文京区立礫川公園です。小石川を北へ進み、源覚寺、白山閣、金井直詩料館、本念寺を経て白山神社へ向かいます。途中の青いナポリは、食事を組み込みたいときに立ち寄りやすい場所です。

  1. 文京区立礫川公園
  2. 源覚寺(こんにゃく閻魔)
  3. 青いナポリ
  4. 日立製作所小石川迎賓館「白山閣」
  5. 金井直詩料館
  6. 本念寺
  7. 白山神社

源覚寺(こんにゃく閻魔)|小石川の民間信仰を知る

源覚寺は文京区小石川にある浄土宗寺院で、寛永元年(1624)に創建されました。閻魔堂の閻魔王坐像は「こんにゃく閻魔」の名で親しまれています。江戸時代中期、眼病を患った老婆の願いを聞き入れた閻魔が自らの右目を与え、老婆が好物のこんにゃくを断って供え続けたという伝承が残ります。現地では閻魔堂と閻魔像を中心に、今も続く信仰の形を見るのがポイントです。

文京区小石川の源覚寺(こんにゃく閻魔)入口
源覚寺(こんにゃく閻魔)入口、2009年。撮影:Kentin/Wikimedia Commons/CC BY-SA 3.0。

境内には歯痛緩和の信仰を集める塩地蔵もあります。毎年7月の「文京朝顔・ほおずき市」では、源覚寺がほおずき市の主要会場になります。小石川で寺院信仰と季節行事が現在まで続く場所です。

白山へ向かう途中の見どころ

日立製作所小石川迎賓館「白山閣」|旧細川家ゆかりの土地と現代建築

白山閣は文京区白山にある日立製作所の迎賓施設です。旧細川家ゆかりの土地と庭園を受け継ぎ、現在の建物は1992年に完成しました。通常は一般公開されていないため、今回の散歩では外から周辺の地形や門まわりを見ます。切り通しと高低差を含む周辺環境を見ると、建物だけでは分からない立地の特徴をつかめます。建築の詳細は東京の企業迎賓館・会員制施設を紹介した記事で解説しています。

金井直詩料館|詩「木琴」を残した金井直

白山2丁目には、昭和・平成期に活動した詩人・金井直(1926~1997)に関する資料を伝える金井直詩料館があります。金井直は詩「木琴」で知られ、詩のほか随筆や童話なども残しました。住宅地の中にある小規模な資料館なので、内部見学を目的にする場合は最新の公開状況を事前に確認してください。

本念寺と大田南畝の墓|江戸の狂歌文化をたどる

本念寺には、江戸後期を代表する狂歌師で幕臣でもあった大田南畝(1749~1823)の墓があります。南畝は蜀山人、四方赤良などの別号でも知られ、幕府官僚として勤務する一方で狂歌や随筆など幅広い文筆活動を行いました。大田南畝墓は文京区指定史跡です。白山の住宅地に江戸文化を代表する人物の墓が残っていること自体が、この地域の歴史の厚みを伝えます。

白山神社|徳川綱吉・桂昌院ゆかりの神社

白山神社は、天暦年間(947~957)に加賀一宮白山神社を現在の本郷1丁目付近へ勧請したことに始まると伝えられます。その後、巣鴨原(現在の小石川植物園内)へ移り、明暦元年(1655)、館林侯だった徳川綱吉の屋敷造営に伴って現在地へ移りました。この縁から綱吉と生母・桂昌院の厚い信仰を受けました。現在の白山神社がなぜこの場所にあるのかを知るには、綱吉の屋敷造営による移転が重要です。

文京区白山にある白山神社の社殿
白山神社の社殿、2015年。撮影:Nesnad/Wikimedia Commons/CC BY-SA 4.0。

境内では社殿に加え、中国の革命家・孫文に関する記念碑、京都・松尾大社の分霊を勧請した関東松尾神社も見どころです。あじさいの季節でも、花だけでなく神社の由緒と境内の史跡を合わせて見ると、白山神社が地域の歴史の中で担ってきた役割をたどれます。

白山神社のあじさいと文京あじさいまつり

白山神社と隣接する白山公園は、文京区を代表するあじさいの名所です。文京区観光協会によると、文京あじさいまつりは昭和60年度から白山神社で行われ、毎年6月の梅雨時期には境内から白山公園にかけて約3,000株のあじさいが彩ります。社殿、石段、あじさいを同じ境内で見られるのがこの場所の特徴です。

文京区白山神社のあじさいまつりの境内景観
白山神社の文京あじさいまつり、2022年。撮影:Dick Thomas Johnson/Wikimedia Commons/CC BY 2.0。

2026年の文京あじさいまつり

2026年の第42回文京あじさいまつりは、6月6日から14日まで白山神社と白山公園で開催されました。期間中は、通常は立ち入りできない富士塚が午前10時から午後4時まで特別公開され、週末を中心に催しも行われました。開催日や企画内容は年によって変わるため、訪問前は文京区の文京あじさいまつり案内で最新情報を確認してください。

白山神社へのアクセス|白山駅・本駒込駅から歩ける

白山神社の住所は東京都文京区白山5丁目31-26です。文京区の案内では、都営三田線「白山」駅から徒歩3分、東京メトロ南北線「本駒込」駅から徒歩5分です。後楽園・小石川方面から歩く今回のコースとは別に、白山駅や本駒込駅から神社だけを訪れることもできます。

後楽園から歩くと見える小石川・白山の歴史

後楽園から白山神社へ向かう道には、1624年創建の源覚寺、江戸の狂歌文化を伝える大田南畝墓、近現代文学の金井直詩料館、旧細川家ゆかりの土地を受け継ぐ白山閣が並びます。白山神社まで歩くと、寺社信仰、江戸文化、文学、建築、季節の花を近い範囲でたどれます。

白山神社を別の方向から歩くコースは、根津神社から白山神社へ歩く文京区の夜散歩も参考になります。根津・白山側から文京区の寺社と街並みをつなげて歩きたいときに利用できます。

小石川周辺の街歩きを広げるなら、江戸川散歩、2つの大名屋敷の日本庭園の散策を楽しむ会もあります。

解説付きの歴史散歩に参加する

ゆる歴史散歩会では、東京の史跡、神社仏閣、建築、地形、季節の行事などを現地で解説しながら歩くイベントを開催しています。後楽園・小石川・白山に限らず、気になる地域やテーマから選べます。現在募集中の企画はイベント一覧で確認できます。

TimeWalkで後楽園・小石川・白山の歴史スポットを探す

TimeWalkは、現在地や指定地点の近くにある歴史スポットを地図で探し、自分で歴史散歩を楽しめるWebアプリです。後楽園、小石川、白山を歩きながら周辺の史跡や人物を調べたいときや、このコースから寄り道先を探したいときに使えます。

この記事を書いた人
ゆる歴史散歩会 運営者
なかまつ

北海道大学工学部卒。現在はIT系会社員の傍ら、年間400回以上の街歩きイベントを企画し、これまで延べ25,000名以上の方にご参加いただいている、ゆる歴史散歩サークルを運営しています。東京の歴史・文化・建築・地形などを、初心者でも気軽に楽しめるイベントとして企画しています。

なかまつをフォローする
イベント