2025年9月6日(土)18時から、6名で「米軍厚木基地にいってみよう!米軍の縁日、米軍機の展示、フィナーレ花火などを楽しもう!」を開催しました。会場は、普段は自由に立ち入ることのできない米海軍厚木航空施設です。この日は14時から20時30分まで盆踊りフェスティバルが開かれ、私たちは盆踊りと花火を目当てに夕方から参加しました。
年に数回ほどしかない一般開放の機会だけに、基地の中へ一歩入ると、広い道路、アメリカ式の店舗、軍用機の展示、英語の案内など、日常の街歩きとはまったく違う景色が広がっていました。歴史散歩としても、戦前から戦後、そして現在へと続く厚木基地の歩みを考える貴重な時間になりました。
厚木基地の盆踊りフェスティバルとは
2025年の盆踊りフェスティバルは、9月6日14時から20時30分まで開催されました。最寄り駅は相鉄線のさがみ野駅ですが、徒歩では距離があるため、往路はバスを利用して正門前まで向かいました。基地イベントでは入場時の本人確認が行われるため、事前に有効な身分証明書を確認しておくことが欠かせません。
「厚木基地」という呼び名ですが、米海軍の公式名称は Naval Air Facility Atsugi、つまり米海軍厚木航空施設です。基地は関東平野に位置し、米海軍の公式史によれば面積は約1,249エーカー。1938年に旧日本海軍の航空基地として建設され、戦後は米軍が使用し、1950年には米海軍航空基地として再整備されました。1972年からは日米共同使用となり、海上自衛隊も拠点を置いています。

まず目に入ったのは、Pizza HutやTaco Bellが並ぶ基地内のフードコートです。表示や店構えはアメリカそのもの。通貨はドルで、普段の日本の商業施設とは異なる雰囲気がありました。基地というと軍事施設の印象が先に立ちますが、そこで暮らし、働く人々の生活空間でもあることが伝わってきます。

一方、基地内のスーパーマーケットには「米軍発行のIDカード保持者のみ入店可能」と案内されていました。一般開放日でもすべての施設を自由に利用できるわけではなく、公開エリアと関係者専用エリアが明確に分けられています。一般開放は、基地の日常を一部だけ見学できる特別な機会なのだと分かります。
アメリカの食文化をのぞいてみる

アメリカを象徴する店といえば、やはりマクドナルドです。基地内の店舗は建物の雰囲気も日本の街中とは少し異なり、来場者でにぎわっていました。

メニューを見ると、商品名は英語、価格はドル建てです。ビッグマックやクォーターパウンダー、チキンナゲットなど見慣れた商品が並ぶ一方、日本の店舗とは価格構成や品ぞろえが異なります。同じ世界的チェーンでも、提供される場所によって「ローカルなアメリカ文化」が表れるのがおもしろいところです。

基地内は道路も空間も広く、歩いているだけでも開放感がありました。遠くまで視界が抜け、施設や展示エリアがゆったり配置されています。夕方の時間帯でも多くの来場者が行き交い、縁日のような活気に包まれていました。

食べ物の中でも人気を集めていたのが「Anthony’s Pizza」です。販売ブースには円とドルの両方で価格が掲示され、アメリカらしい大きなピザを求める人が列をつくっていました。基地イベントでは、食文化そのものが見どころの一つです。英語表記やドル価格も含め、海外旅行に近い感覚を気軽に味わえました。
軍用機展示から学ぶ厚木基地の歴史

会場には軍用ヘリコプターも展示され、機体のすぐ近くまで寄って見学できました。今回の写真だけでは機種を特定できないため、記事では「軍用ヘリコプター」として紹介します。間近で見ると、ローターや操縦席、機体各部の構造がよく分かり、写真で見る以上の大きさを感じます。

そして大きな存在感を放っていたのが、映画『トップガン』でも知られるF-14トムキャットです。F-14は、グラマン社が開発した米海軍の艦上戦闘機で、1970年に初飛行、1972年に海軍への引き渡しが始まりました。最大の特徴は、飛行速度や任務に応じて主翼の角度が変わる「可変翼」です。低速時には翼を広げ、高速時には後方へ畳むことで、幅広い速度域に対応しました。
米海軍国立航空博物館の資料によると、F-14は操縦士とレーダー迎撃士の2名で運用され、長距離空対空ミサイルAIM-54フェニックスを搭載できました。米海軍では2006年に退役していますが、その特徴的な機体形状と映画での活躍から、現在も高い人気があります。

会場では「Seabees」のロゴを掲げた衣料・サープラス品のブースも見かけました。Seabeesは、米海軍の建設工兵隊である Construction Battalions の頭文字「CBs」を発音した愛称です。厚木基地の公式史にも、朝鮮戦争が始まった1950年、荒廃していた基地の再整備に海軍建設工兵隊が携わったことが記されています。売店のロゴからも、基地の歴史を支えた部隊の伝統を知ることができました。
盆踊りからフィナーレ花火へ

日が暮れるころには、芝生広場のやぐらに明かりがともり、盆踊りの開始を待つ人々で会場が埋まっていきました。米軍基地の中で日本の盆踊りが行われる光景は、日米の文化が一つの会場に重なる象徴的な場面です。屋台、音楽、浴衣姿の来場者、アメリカ人スタッフの姿が混ざり合い、一般的な地域の夏祭りとは少し違う、国際色のある縁日になっていました。
盆踊りと花火は動画で撮影したため、今回の記事に静止画はありません。フィナーレの花火は、日本の花火大会とは演出や会場の空気が少し異なり、基地イベントならではの印象を残しました。

夜になると、F-14トムキャットは照明に照らされ、昼間とは別の表情を見せました。機首から主翼へ伸びる線、機体下部の陰影が強調され、歴史的な航空機の迫力がさらに増して見えます。今回のアイキャッチには、この夜のF-14を選びました。

側面後方から見ると、F-14の双垂直尾翼とエンジン部分、可変翼の構造がよく分かります。正面からの印象だけでなく、角度を変えて眺めることで、艦上戦闘機として設計された機体の特徴を立体的に理解できました。
大混雑の帰路と参加時のポイント

花火が終わると、出口周辺は一気に大混雑となりました。往路はバスで正門前まで来られましたが、帰りは乗車を待つより歩くほうが現実的と判断し、さがみ野駅まで約20分歩きました。イベント終了直後は人の流れが集中するため、帰路の時間には余裕を持ち、歩きやすい靴で参加するのがおすすめです。
また、基地イベントは一般の祭りとは異なり、身分証明書、持ち込み品、入場できる国籍などに条件が設けられる場合があります。開催年によって規則が変わる可能性があるため、参加時には必ず主催者の最新案内を確認してください。
まとめ
今回の開催レポートでは、アメリカの飲食店やスーパー、広い基地内の風景、軍用機展示、米軍らしい縁日、盆踊り、フィナーレ花火まで、厚木基地一般開放の魅力を夕方から夜にかけて体験しました。展示機は多くありませんでしたが、F-14トムキャットを間近で見られたことは大きな見どころでした。
厚木基地は、1938年の旧日本海軍航空基地建設、終戦直後の歴史、米海軍による再整備、日米共同使用という流れを持つ場所です。楽しい祭りの時間を過ごしながら、その背景にある近現代史や日米交流について学べる点も、このイベントならではの魅力でした。一人参加や歴史初心者でも、食、航空機、祭りなどそれぞれの関心から楽しめる開催回となりました。
TimeWalkのご紹介
街歩きコースをスマートフォンで楽しめる「TimeWalk」では、歴史スポットを自分のペースで巡ることができます。今回の基地内は自由に入れる場所ではないため、同じルートを歩くためのコースではありませんが、日常の歴史散歩や予習・復習にぜひご活用ください。
参考資料
- アメリカンタウン「アメリカ海軍厚木基地 盆踊りフェスティバル2025」
- U.S. Navy, Naval Air Facility Atsugi, History
- Naval History and Heritage Command, F-14 Tomcat
- National Naval Aviation Museum, F-14A Tomcat

