肥後細川庭園の紅葉ライトアップ「ひごあかり」|13人で楽しんだ夜の庭園と細川家の歴史【2025年開催レポート】

肥後細川庭園2025年紅葉ライトアップ|雪吊りと池の美しい水鏡

2025年11月28日(金)19時から、ゆる歴史散歩会の13人で、東京都文京区目白台の肥後細川庭園を訪れました。お目当ては、秋の紅葉ライトアップ「ひごあかり」。赤く照らされたモミジ、池に映る松の雪吊り、熊本ゆかりの竹あかりが一度に楽しめる、期間限定の夜間公開です。園内で撮影した14枚の写真とともに、この庭園に残る細川家の歴史もたどります。

肥後細川庭園と細川家

肥後細川庭園がある目白台は、神田川沿いの低地から台地へと続く高低差の大きな場所です。江戸時代中期には旗本の屋敷地となり、のちに徳川御三卿の清水家、一橋家の下屋敷を経て、幕末には肥後熊本54万石を領した細川家の下屋敷・抱屋敷となりました。明治以降は細川家の本邸として使われ、1961年に都立公園として開園、1975年に文京区へ移管されています。

庭園は、池を中心に園路を巡る「池泉回遊式庭園ちせんかいゆうしきていえん」。目白台の斜面林を背景に、台地の湧き水を池に取り入れ、眺める角度によって景色が変わる構成です。ライトアップされた斜面を見上げると、庭園の立体感がいっそう際立ちます。

細川家は熊本藩を治めた大名家で、武家の歴史と学問・茶道・園芸文化を伝えています。近くの永青文庫には細川家伝来の美術品や歴史資料が収蔵され、庭園と合わせて当地の歴史を知る手掛かりとなります。園内の松聲閣しょうせいかくは細川家の学問所として使われたとされる建物で、大正期に改修され、2016年に保存・修復を経て再開しました。

庭園周辺では、神田川と旧神田上水の歴史にも出会えます。写真に収めた「目白台・関口の歴史」の案内板は、治水に尽くした大井玄洞おおいげんどう、神田上水、江戸川の桜などを紹介しています。付近の水辺をもっと歩きたい方には、江戸川橋から肥後細川庭園・甘泉園を巡る歴史散歩も参考になります。

目白台・関口の歴史解説板、神田上水と大井玄洞
目白台・関口の歴史を解説する現地案内板。

細川家ゆかりの園芸文化には、肥後菊・肥後椿・肥後山茶花・肥後花菖蒲・肥後朝顔・肥後芍薬からなる「肥後六花」もあります。熊本藩主・細川重賢しげかたの時代に武士のたしなみとして栽培が奨励され、現在も庭園にはこのうち四種が植えられています。秋の紅葉とともに、季節を変えて訪れる理由の一つです。

2025年・2024年・2023年の「ひごあかり」開催概要

「ひごあかり」は例年11月下旬から12月初旬にかけて行われます。開催日数は年ごとに異なり、2025年は9日間、2024年は5日間、2023年は9日間でした。

開催年 開催期間 夜間開園時間
2025年 11月22日(土)~30日(日) 17:30~20:00(最終入園19:30)
2024年 11月27日(水)~12月1日(日) 17:30~20:00(最終入園19:30)
2023年 11月25日(土)~12月3日(日) 17:30~20:30(最終入園20:00)

2025年の入園料は300円(未就学児無料)、荒天中止。夜間は中門から入園する運用で、園内は一方通行でした。2024年は文京区が紅葉のライトアップと熊本の竹あかり、文化パネル展を実施したと報告。2023年には約150灯のLEDによる紅葉・雪吊りの演出や、地元の子どもたちによる灯火カップが紹介されています。以上はそれぞれの年の発表内容で、今後の開催条件は公式案内で確認してください。

熊本県と熊本市は文京区・新宿区との歴史文化を通じた連携を進めており、竹あかりなどの展示にもその交流が反映されています。細川家の旧屋敷地で熊本の光の演出を楽しめる点が、この催しの大きな特色です。

紅葉と竹あかりが重なる夜の庭園

園内でまず目を引くのは、竹に開けた穴からあたたかな光がこぼれる竹あかりです。細長い竹の柱と球状の装飾が並び、その奥では赤や緑に照らされた木々が山のように立ち上がっています。熊本を拠点とする「CHIKAKEN(ちかけん)」の竹あかり演出が、庭園の景色に溶け込んでいました。

肥後細川庭園の竹あかりと紅葉の夜間ライトアップ
模様を彫った竹に光がともる夜の庭園。

池の反対側へ視線を向けると、紅葉と雪吊りが水面にも映り込みます。雪吊りは冬の雪の重みから松の枝を守るための伝統的な仕立て。円錐形に張られた縄が光を受け、池にもう一つの庭園があるように見えるのが印象的です。

肥後細川庭園の池と水面に映る紅葉・雪吊り
池に映る雪吊りと紅葉の照明。
肥後細川庭園の紅葉と松の雪吊りの水鏡
水面に逆さに映り込む松の雪吊り。

ひときわ赤く照らされたモミジの下では、葉の形や枝ぶりが暗い背景から浮き上がります。遠くの松聲閣の灯りと池を合わせて見ると、庭園が建物と斜面、池を一体で構成していることが伝わってきます。

肥後細川庭園のモミジとライトアップされた池
赤く照らされたモミジと奥の池。

場所を変えると、水辺の草花を手前に、斜面いっぱいの紅葉を見渡せました。昼間は自然の緑が主役になる庭園ですが、夜は光の当たり方によって木々それぞれの姿が際立ちます。

肥後細川庭園の池畔の草花と紅葉ライトアップ
池越しに見渡す紅葉、雪吊りと花々。

園路には小さな灯りが続き、来園者が紅葉を眺めながら歩く姿がありました。暗い斜面と明るいモミジの対比が美しく、足元の光が夜の散策を演出しています。

肥後細川庭園の灯りがともる園路と来園者
園路の小さな灯りをたどる来園者。

月明かりと水鏡、夜だけの景色

石造物の向こうには月がのぞき、照明とは異なる柔らかな光が空に浮かんでいました。紅葉を見上げた写真では、赤い葉越しに雲と月が重なり、秋の夜らしい一場面になっています。

肥後細川庭園の石造物と月夜の紅葉
月夜の石造物と紅葉。
肥後細川庭園の赤いモミジ越しに見える月
紅葉の枝葉の向こうに浮かぶ月。

園内の池は、見渡す位置によって水面の映り込み方が変わります。木々の色が水面で重なったり、雪吊りの縄が逆さに延びたりする景色は、夜の池泉回遊式庭園ならではの見どころです。

肥後細川庭園の池に映る雪吊りと紅葉
池の水面に広がる雪吊りの光。

松聲閣と熊本のつながり

ライトアップの中に浮かぶ松聲閣は、細川家ゆかりの庭園建築。和風の外観と窓の温かな灯りが、雪吊りの松と並んで見えました。庭園の公式案内によると、建物は細川家の学問所に由来し、大正時代の改修を経て使われてきました。

肥後細川庭園松聲閣と雪吊りのライトアップ
松聲閣と雪吊りが並ぶ秋の夜。

2025年は、くまモンデビュー15周年の記念ロゴを使った竹あかり展示も見られました。写真には、くまモンのシルエットや15周年の数字が灯りと一緒に飾られています。庭園と熊本県との歴史的な縁が、現代の観光・文化交流へつながっていることを感じられる展示です。

肥後細川庭園ひごあかりのくまモン15周年記念展示
くまモンデビュー15周年の記念展示と竹あかり。

13人で楽しんだ紅葉ライトアップ

ゆる歴史散歩会の開催当日は13人が参加しました。雪吊りのそばで光の装飾を眺める人々、赤や黄色の葉の下に集まる人々の姿も写真に残っています。木々の色、水面、竹あかりと、見上げても見下ろしても異なる景色に出会える夜でした。

肥後細川庭園の雪吊り・竹あかりと来園者
雪吊りの松と竹あかりに集まる人々。
肥後細川庭園の紅葉ライトアップで集まる人たち
紅葉ライトアップの下に集まる人々。

アクセスと次の歴史散歩

肥後細川庭園は文京区目白台1-1-22。東京メトロ有楽町線「江戸川橋」駅から徒歩約15分、都電荒川線「早稲田」停留場から徒歩約5分です。通常の庭園は無料で見学でき、冬季(11~1月)は9:00~16:30(最終入園16:00)。夜間ライトアップは通常開園とは別の特別公開です。

昼間の庭園と神田川周辺を見比べるなら、江戸川橋~早稲田の庭園・神田上水散歩、神田上水跡をたどる歴史散歩、江戸切絵図で読む目白台・音羽の歴史もおすすめです。ゆる歴史散歩会のイベント一覧では、今後の街歩き予定を紹介しています。

周辺の歴史を自分で探したいときは、TimeWalkが便利です。現在地や指定地点の近くにある歴史スポットを地図で探し、自分で歴史散歩を楽しめるWebアプリです。ライトアップ期間中は主催者の案内と園内の一方通行ルールに従って見学してください。

参考資料