肥後細川庭園「ひごあかり」紅葉ライトアップへ17人で参加|細川家の歴史と竹あかり【2023年開催レポート】

肥後細川庭園ひごあかり屋台のだんご販売風景

2023年11月28日(火)19時、ゆる歴史散歩会では17人で文京区目白台の肥後細川庭園を訪れ、秋の紅葉ライトアップ「ひごあかり」を鑑賞しました。池に映り込む紅葉と松の雪吊り、熊本ゆかりの竹あかり、細川家に縁のある松聲閣などを楽しんだ夜の開催レポートです。写真を交え、庭園の歴史と2021〜2023年の開催概要も紹介します。

17人で集合し、夜の庭園へ

最初の写真は集合時の様子です。参加者が一か所に集まり、夜の道を歩いて庭園へ向かいました。入口に着くと、立派な木札と「肥後細川庭園」の文字を記した提灯が迎えてくれました。門の奥には照らされた紅葉が見え、これから始まる夜の庭園鑑賞への期待が高まります。

ひごあかりに向かう17人の集合風景
夜の集合場所に集まった参加者たち。
肥後細川庭園に向かう夜の街歩き
庭園へ向かう夜の道。
肥後細川庭園の門と秋のひごあかり提灯
肥後細川庭園の入口。灯りに誘われ園内へ。

肥後細川庭園と細川家

肥後細川庭園は目白台の自然地形を生かした池泉回遊式庭園です。池を中心に、斜面の林、石組み、庭園の建物が立体的な景観を生み出しています。文京区と庭園公式サイトによると、江戸時代中期以降は旗本の屋敷地で、幕末には徳川三卿の清水家、続いて一橋家の下屋敷となり、のちに肥後熊本54万石を治めた細川家の下屋敷や抱屋敷となりました。明治期以降には細川家の本邸として使われました。

東京都文京区に「肥後」という名が残るのは、この地が熊本藩の大名屋敷に由来するためです。第二次世界大戦後には所有者が変わり、1961年に都立公園として開園、1975年に文京区に移管されました。庭園内の松聲閣(松聲閣しょうせいかく)は、大正期の建物を保存・修復した細川家ゆかりの建築です。細川家の学問所として使われ、2016年にリニューアルオープンしました。池の景色と建物を一緒に眺めると、往時の邸宅と庭園の関係も想像できます。

2023年・2022年・2021年の「ひごあかり」開催概要

2023年:11月25日〜12月3日

今回参加した2023年は11月25日(土)〜12月3日(日)の9日間開催されました。熊本県による当時の公式発表では17時30分〜20時30分に点灯し、最終入園は20時、入園料300円(未就学児無料)、雨天中止、予約不要と案内されていました。イロハモミジ、ハゼノキ、松の雪吊りなどを約150灯のLEDで照らす演出と、熊本の「CHIKAKEN(ちかけん)」が制作する竹あかりが見どころです。

期間中にはボランティアガイドツアー、肥後六花にちなんだ呈茶、金栗四三の遺品展示、竹灯篭制作のワークショップなども企画されました。これは2023年の開催全体の案内です。当会の鑑賞記録とは区別して紹介しています。

2022年:11月19日〜11月27日

前年は11月19日(土)〜27日(日)に開催。熊本県の発表では紅葉のライトアップとともに、熊本に由来する竹あかりの展示が紹介されています。2015年に熊本県・熊本市・文京区・新宿区が締結した文化と歴史の連携の覚書も、こうした催しの背景にあります。細川家ゆかりの場所で熊本の文化を伝える、地域をつなぐ光の企画です。

2021年:開催見送り

前々年の2021年は開催されていません。照明を手がけたカラーキネティクス・ジャパンの開催履歴には、2019〜2021年は開催見送りと記されています。したがって2021年については開催実績として日時や展示を挙げず、2022年の再開と2023年の開催につながる経緯として紹介します。これらは当時の記録です。最新の実施条件は肥後細川庭園公式サイトでご確認ください。

池面に映る紅葉と雪吊り

園内に入って目を引いたのは、池を鏡のように利用したライトアップです。松の雪吊りを形づくる円錐状の縄、赤や黄に色づいた樹木、建物の灯りが水面に映り、上下に庭園の風景が重なって見えました。雪吊りは冬場に雪の重みから枝を守るために施す庭園技法です。2023年の公式案内も、水面に映る雪吊りを見どころに挙げています。

ひごあかりの池に映る雪吊りとライトアップ
雪吊りと紅葉が池の水面に映り込む夜景。

視点を変えると、池の向こうの松聲閣がライトアップの中に浮かび上がります。台地と斜面を利用した庭園のため、池の反対側にある樹木が高く重なり、奥行きのある景観になっています。

紅葉した池泉回遊式庭園に映る雪吊り
池を中心に広がる紅葉と雪吊りの光景。
樹木越しに眺める肥後細川庭園と松聲閣
木々の間から見える松聲閣の灯り。

松聲閣の窓の光は、樹木の色彩を引き立てる暖かなアクセントにもなっていました。昼間に眺める建物と、夜の庭園の風景を見比べたい場所です。

肥後細川庭園の松聲閣と照らされた雪吊り
池越しに見た松聲閣と雪吊り。

小径の灯りと秋の植物

池の周辺を離れると、園路の両側に小さな灯りが並んでいました。控えめな光は石畳の道を照らすとともに、木立の奥行きを浮かび上がらせます。園内には斜面や段差もあるため、夜はゆっくりと足元を見て歩く必要があります。

肥後細川庭園の灯りの並ぶ石畳の園路
石畳に沿って小さな行灯が連なる園路。

色づく木々の下では、黄色い花が照明に照らされている姿も見つかりました。紅葉だけを見上げるのではなく、地面に近い草花に視線を向けるのも庭園散策の楽しみです。

肥後細川庭園の夜に照らされた黄色い花
庭園の小径で見かけた黄色い花。

熊本の竹あかりと手描き灯籠

「ひごあかり」のもう一つの主役が竹あかりです。熊本県の2023年の公式案内では、熊本を拠点とする「CHIKAKEN(ちかけん)」の演出が紹介されています。2015年に熊本県・熊本市・文京区・新宿区が文化と歴史のつながりを生かす覚書を結び、2016年から竹あかりの展示などを続けてきたとされています。肥後熊本藩の下屋敷があったこの場所で竹あかりを見ると、熊本と東京の歴史的な縁が現代の作品にも引き継がれていることを感じます。

庭園の紅葉の下に置かれた竹あかり展示
樹木の下に並ぶ竹あかりの展示。

大きな光のオブジェとともに、子どもたちが描いたような絵や文字入りの灯籠もたくさん並んでいました。色や形が一つずつ異なり、近寄って図柄を眺める楽しみもありました。

手描きの絵が並ぶひごあかりの灯籠
個性豊かな絵が描かれた灯籠の列。

屋台のみたらし団子と夜の松聲閣

ひごあかりの屋台に集まる来場者と団子販売の風景
夜の庭園に並ぶ団子の屋台と来場者。

庭園内には団子などを販売する屋台もあり、来場者が足を止めていました。写真にはたれのかかった串団子も残っています。静かな池の景色を楽しんだ後、甘いものを味わえるのもこうした夜間イベントの楽しみです。

ひごあかりの夜に販売されていたみたらし団子
たれがたっぷりかかった三玉のみたらし団子。

松聲閣の前庭にも光のオブジェが置かれ、歴史的な建物と竹あかりが一つの景色になっていました。石灯籠と塀が青く照らされた場所では、暖色の竹あかりとは違った夜の表情が見られました。

松聲閣の歴史的建築と竹あかり
松聲閣と前庭に広がる竹の光。
青い光に照らされた肥後細川庭園の石灯籠
青く照らされた庭園の塀と石灯籠。

肥後菊の展示と細川家の園芸文化

金屏風の前に菊の鉢を並べた展示からは、熊本の花の文化にも触れられます。庭園公式サイトによれば「肥後六花」は肥後菊、肥後椿、肥後山茶花、肥後花菖蒲、肥後朝顔、肥後芍薬の6種です。細川家8代の重賢の時代には武士のたしなみとして栽培が奨励され、熊本で改良・保存されてきました。園内の花を見ると、かつての武家の生活文化が今に伝わっていることがわかります。

松聲閣で金屏風を背景に展示された肥後菊
金屏風の前に並ぶ肥後菊の鉢植え。

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庭園の紅葉や光の演出が好きな方は、目白庭園の紅葉ライトアップ開催レポートもご覧ください。池に映る灯りを別の庭園で楽しんだ記録です。高輪・御殿山の紅葉とイルミネーション歴史散歩では、庭園と街の歴史を組み合わせて歩いています。

TimeWalkは、現在地や指定地点の近くにある歴史スポットを地図で探し、自分で歴史散歩を楽しめるWebアプリです。庭園の特別夜間開園では、イベントごとの入園時間や順路に従ってください。

参考資料