JICA地球ひろばで世界の料理ランチと展示鑑賞|パナマ写真展・緒方貞子・国際協力を学ぶ開催レポート

JICA地球ひろば体験ゾーンで展示を楽しむ参加者

2026年8月12日(水)、ゆる歴史散歩会では16名で、東京・市ヶ谷のJICA地球ひろばを訪ねました。今回のテーマは、世界の料理を味わうランチと、写真・体験展示を通じて国際協力を身近に学ぶこと。写真展「The soul of Panama coffee farms -パナマコーヒー農園の魂-」を鑑賞したあと、J’s Cafeで各国料理を囲み、ランチ後は体験ゾーンや緒方貞子メモリアルギャラリーへ。食文化から貧困、SDGs、人間の安全保障まで、一つの建物の中で世界とのつながりを考える2時間になりました。

写真展「パナマコーヒー農園の魂」からスタート

最初に集合して鑑賞したのは、JICA市ヶ谷ビル2階展示スペースの写真展「The soul of Panama coffee farms -パナマコーヒー農園の魂-」です。JICAの案内によると、会期は2026年8月3日から15日まで。パナマのコーヒー農園の魅力や品質、生産地域の特性、伝統と革新、持続可能な生産への取り組み、生産者の努力などを写真で紹介する企画です。ゲイシャ、カトゥアイ、カトゥーラ、ティピカといった品種にも触れられ、普段飲んでいるコーヒーの向こう側に、生産地の風景や人々の仕事があることを意識できる展示でした。

JICA地球ひろばの写真展「The soul of Panama coffee farms -パナマコーヒー農園の魂-」を鑑賞する参加者
集合後、写真展「The soul of Panama coffee farms -パナマコーヒー農園の魂-」を鑑賞しました。

J’s Cafeで世界の料理をランチ

写真展の次は、2階の「食のゾーン」J’s Cafeへ。JICA地球ひろばのJ’s Cafeは平日ランチ営業の食堂で、世界各地の郷土料理やエスニックメニューを提供しています。公式案内では「大使館お墨付きメニュー」など、その国ならではの現地の味に触れられる企画も紹介されています。

JICA地球ひろば J’s Cafeの世界の料理メニュー展示
J’s Cafeでは、マカオ風アフリカンチキンや各国料理のメニューが並びます。

正午になると混雑するため、今回は開店時間に合わせて入店しました。食券を購入し、それぞれ好きな料理を選んで集合。16名でテーブルを囲み、見慣れない料理の名前や味をきっかけに話も弾みました。

JICA地球ひろば J’s Cafeで食券を購入する様子
正午の混雑を避け、開店時間に合わせてJ’s Cafeへ入り、食券を購入しました。

こちらはカンボジアの屋台料理「バイサルチュルーク」。ご飯と肉料理を組み合わせた一皿で、写真からもボリューム感が伝わります。

J’s Cafeのカンボジア屋台料理バイサルチュルーク
カンボジアの屋台料理「バイサルチュルーク」。

コスタリカ共和国の「チフリオ」は、カリカリ豚とキドニービーンズなどを組み合わせたサラダ丼。今回のイベント名にもあるマカオ風アフリカンチキンなど、普段のランチでは選ぶ機会の少ない料理を各自が楽しみました。料理を入口に国や地域へ関心が広がるのも、JICA地球ひろばならではの面白さです。

J’s Cafeのコスタリカ料理チフリオ カリカリ豚とキドニービーンズのサラダ丼
コスタリカ共和国の料理「チフリオ」。カリカリ豚とキドニービーンズなどを味わいました。
J’s Cafeで世界の料理を囲んでランチを楽しむ参加者
16人でそれぞれ好きなメニューを選び、珍しい料理と会話を楽しみました。

JICA地球ひろばとは

JICA地球ひろばは、東京都新宿区市谷本村町のJICA市ヶ谷ビルにある、市民参加による国際協力の拠点です。JICAは、開発途上国の人々への共感や連帯感を育み、市民による国際協力を進めるための「ひろば」と位置づけています。館内には、展示を通じて世界の課題を学ぶ体験ゾーン、世界の料理に触れられるJ’s Cafe、国際協力・国際交流団体が利用する交流ゾーンなどがあります。

最寄りは市ヶ谷駅で、公式案内では東京メトロ有楽町線・南北線の市ケ谷駅6番出口から徒歩8分、JR・都営新宿線から徒歩10分ほどです。JICA本部のある麹町とは場所が異なるため、初めて訪れる際は「JICA市ヶ谷ビル」を目的地にすると分かりやすいでしょう。

体験ゾーンで貧困やSDGs、国際協力を考える

ランチ後は1階の体験ゾーンへ移動しました。JICA地球ひろばは、世界が抱える問題を「知識として読む」だけでなく、展示や体験を通して考えられるのが特徴です。JICAの展示解説では、貧困・食料、保健医療、水、教育、紛争など、複数の課題が取り上げられています。

JICA地球ひろば体験ゾーンの地球儀展示と参加者
体験ゾーンでは、世界の課題や国際協力について展示を通して学びました。

私たちも世界の貧困やSDGsに関する情報を見ながら館内を巡りました。大きな地球儀や世界とのつながりを示す展示は、国際協力を遠い国の話だけで終わらせず、日本で暮らす自分たちの生活との関係を考えるきっかけになります。

JICA地球ひろば体験ゾーンで展示を楽しむ参加者
JICA地球ひろばの体験ゾーン。今回の記事のアイキャッチに使用します。

展示の中には身体を動かして楽しめる要素もあり、今回はボッチャも体験。学習だけに偏らず、参加者同士で楽しみながら館内を巡れたのも今回の会らしい時間でした。

JICA地球ひろば体験ゾーンでボッチャを体験する参加者
体験ゾーンにあったボッチャもみんなで体験しました。

世界の衣装や「世界のあいさつ」に触れられるコーナーも見学しました。衣食住や言葉の違いは、国際理解への入り口として分かりやすいテーマです。

JICA地球ひろばの世界の衣装と世界のあいさつコーナー
世界の衣装やあいさつに触れられるコーナーも見学しました。

青年海外協力隊―1965年から続く国際協力の歩み

青年海外協力隊せいねんかいがいきょうりょくたいは1965年4月に政府事業として発足しました。JICAの事業史によると、当初は海外技術協力事業団に事業実施が委託され、1974年に国際協力事業団(JICA)が発足すると、その重要な事業の一つとして引き継がれました。最初の派遣先はラオスです。2018年の制度改編後は「JICA海外協力隊」が総称として用いられています。

協力隊を知るときに注目したいのは、「日本から何かを教えに行く」という一方向のイメージだけで捉えないことです。現地の人々と生活や課題を共有しながら活動する仕組みであり、帰国した隊員が海外で得た経験を日本の地域や教育、仕事へ還元してきたことも長い歴史の一部です。

緒方貞子―「人間の安全保障」を現場につないだリーダー

緒方貞子おがたさだこは、国連難民高等弁務官などを務め、2003年から2012年までJICA理事長を務めた国際政治学者・実務家です。JICAは、緒方氏が「人間の安全保障」の理念形成と実践に大きく貢献した人物として紹介しています。

「人間の安全保障」は、国家だけを単位に安全を考えるのではなく、一人ひとりの人間に焦点を当てる考え方です。JICAの展示では、紛争やテロ、災害、感染症などの「恐怖」と、貧困、栄養失調、教育・保健医療サービスの欠如などの「欠乏」から人々が解放され、安心して人間らしく暮らせる状態を目指す概念として説明されています。

JICA市ヶ谷ビル1階には2022年に「緒方貞子メモリアルギャラリー」が開設されました。緒方氏の歩みや国際協力への姿勢をたどりながら、人間の安全保障について考えられる場所です。今回も参加者でギャラリーを鑑賞しました。

JICA緒方貞子メモリアルギャラリーを鑑賞する参加者
ランチ後は緒方貞子メモリアルギャラリーも鑑賞しました。

食べる・見る・体験するから世界を知る

今回の2時間は、パナマのコーヒー農園を写した写真から始まり、カンボジアやコスタリカ、マカオなどにつながる料理を味わい、最後は貧困やSDGs、国際協力、緒方貞子の足跡へと関心を広げる流れになりました。歴史散歩とは少し違う室内企画ですが、「その土地や文化がなぜ今の姿になったのか」を知るという点では、ゆる歴史散歩会が大切にしている楽しみ方と共通しています。

TimeWalkで身近な歴史スポットも探してみる

今回はTimeWalkを利用する企画ではありませんでしたが、普段の街歩きでは、現在地や指定地点の近くにある歴史スポットを地図で探せるWebアプリ「TimeWalk」も利用できます。展示で世界へ視野を広げたあと、今度は自分の身近な街の歴史を探してみたい方は、現在地から歩ける史跡を地図で探す「TimeWalk」もぜひご覧ください。

参考資料