2026年10月11日(日)16時30分から、ゆる歴史散歩会の52人で、上野動物園の特別イベント「秋の夜のどうぶつえん」を楽しみました。いつもの閉園時間を越えて動物園を歩くと、明るいうちに見ておきたい猛禽類、活発に動くアメリカバク、立ち上がるホッキョクグマ、座って休むキリンなど、昼間とは違う光景に出会います。東園から西園へ、最後の小獣館まで、当日の写真17枚と公式資料を交えて紹介します。
当日は光る腕輪をつけ、暗くなってもお互いを見分けやすいようにしました。参加者はいくつかのグループに分かれて見学。動物園に来るのが久しぶりの人にも、夜の景色が初めての人にも、いろいろな楽しみ方のある会となりました。なお、動物たちの姿や混雑は2026年10月11日の実体験、歴史や生態の解説は園・自治体の公式資料を根拠としています。
今回の見学概要
- 開催:2026年10月11日(日)16時30分から
- 場所:恩賜上野動物園(東京都台東区)
- 参加者:52人
- テーマ:秋の特別夜間開園で、昼間とは違う動物の姿と園内の景色を楽しむ
- 見学内容:東園の猛禽類・閑々亭・テナガザル・アメリカバク・ホッキョクグマ、西園のフラミンゴ・キリン・コビトカバ・小獣館など
グループごとに回ったため、全員が同じ順番や滞在時間だったわけではありません。ここでは提供された写真の順に、主な観察場面を振り返ります。
上野動物園|日本初の動物園と歴史を感じる園内
上野動物園は1882年(明治15年)3月20日に博物館の付属施設として開園した、日本で最初の動物園です。その後、宮内省の所管を経て、1924年(大正13年)に上野公園とともに東京市へ下賜されました。1972年には日中国交正常化を記念してジャイアントパンダが来園するなど、日本の動物園の歴史と深く関わっています。動物を観察するだけでなく、その生態を学び、希少な野生動物の保全を考える場所でもあります。
園内は、上野の山にある東園と、不忍池に近い西園に大きく分かれています。東園には旧寛永寺五重塔や歴史的な茶室も残り、動物園の中に江戸時代の記憶をたどれるのが特徴です。園外の歴史については、上野・寛永寺と不忍池の歴史散歩ガイドも参考になります。
「秋の夜のどうぶつえん」|2026年の開催内容と観覧時間
上野動物園が2026年10月9日(金)~12日(月・祝)の4日間に開催した「秋の夜のどうぶつえん」は、通常より開園時間を延長し、20時まで夜の園内を楽しめる特別企画でした。入園は19時まで。11日は公式の混雑予想でも特に混み合う日とされていました。日が落ちてからの動物の姿、虫の声、昼とは異なる園内の雰囲気を楽しめる催しです。
重要なのは、すべての展示が20時まで見られるわけではないことです。公式案内ではワシ・タカ・フクロウが17時30分、テナガザルが18時、ホッキョクグマが19時30分、キリン・カバ・コビトカバ・小獣館も19時30分に観覧終了となる日程でした。展示が早く終了する場合もあり、見たい動物の時間を考えながら巡る必要があります。
飼育係によるクイズ・お話のイベントも企画され、11日には「3つのヒントから導き出せ! どうぶつ探偵団」が案内されていました。これは公式企画の紹介であり、今回の参加グループがプログラムを体験したという意味ではありません。2026年の詳細は上野動物園公式「秋の夜のどうぶつえん」をご覧ください。
東園の猛禽類|明るいうちに大きなコンドルを観察
まず、明るいうちに東園の猛禽類エリアを訪れました。ワシやタカなどの鳥たちは、獲物をとらえる鋭い視覚や足の爪を持っています。展示場は暗くなると姿が見えにくくなるため、日のあるうちに訪ねてよかった場所です。

特にコンドルは大きく、動いた瞬間の迫力が印象的でした。コンドルは南米のアンデス山脈周辺に暮らし、翼を広げた幅は約3.2メートルにもなる鳥です。動物の死体を食べることが多く、首や頭に羽毛が少ないことは、食べ物に触れた部分を清潔に保つことに役立つと考えられています。迫力のある姿を眺めるだけでなく、形と暮らしの関係にも目を向けたい動物です。

閑々亭|上野動物園に残る江戸の茶室
園内に建つ閑々亭も今回の見どころでした。上野動物園の公式解説によると、茶室の由来は江戸時代の大名・藤堂高虎が将軍・徳川家光をもてなすために造った建物にさかのぼります。ただし、現在の建物は1878年(明治11年)の再建で、創建当時の建物そのものではありません。
茅葺きの屋根や落ち着いたたたずまいを見ると、ここが動物園であることを一瞬忘れそうです。寛永寺のあった上野の山が、近代に公園・博物館・動物園へと役割を変えていったことを感じられる場所でもあります。周辺の史跡に興味がある方には両大師・東京藝大・寛永寺を巡る上野公園外周の歴史散歩もおすすめです。

テナガザルとアメリカバク|子育ての姿と活発な動き
木の上では、赤ちゃんを抱いたテナガザルが見られました。テナガザルは長い腕を生かして樹上を移動する動物で、木の上で子を抱える姿からも暮らしの一端がうかがえます。上方まで目を向けてみたい展示です。

一方、アメリカバクはとても活発に動いていました。写真では2頭が水辺にいて、体の大きさもよく分かります。アメリカバクは南米の森林や水辺で暮らす動物で、上唇とつながった短い鼻を動かし、植物を引き寄せて食べます。体重は170~250キログラムほど。水辺で過ごす様子や体の動きは、夜の観察で注目したいポイントです。

ホッキョクグマ|18時の大混雑と立ち上がる姿
18時ごろのホッキョクグマエリアは大混雑。多くの来園者が展示場を囲み、夜の動物園ならではの人気ぶりが伝わってきました。視界を確保しながら順番に見る必要があり、人気展示は時間に余裕を持って回りたいところです。

目の前では、ホッキョクグマが岩場で立ち上がっていました。野生では北極周辺の海氷を生活と狩りの場にする動物で、保温に役立つ厚い体毛と大きな前足を備えています。上野動物園の展示「ホッキョクグマとアザラシの海」では、見る位置によって陸上と水中の姿を観察できます。今回は立ち上がった姿から、体の高さと力強さを感じました。

西園|売店の行列と夜に映えるフラミンゴ
西園へ移ると、売店にも列ができていました。照明に浮かぶ店舗や人の流れは、普段の昼間とは違った景色です。夜間開園の日は食事や休憩に人が集中することもあるため、時間配分を考えておくと安心です。

夜のフラミンゴは、照明の中で淡い赤みが浮かび上がり、とても美しく見えました。ベニイロフラミンゴは水中の小さな生き物などを食べる鳥。水と一緒に取り込んだ餌を、くちばしの縁の細かな構造でこし取ります。長い脚、曲がったくちばし、群れで過ごす様子に注目すると、見た目の美しさに加えて生態への理解も深まります。

キリン・カバ舎|珍しい座り姿も観察
西園のキリン・カバ舎も大人気で、屋内の通路には多くの見学者が集まっていました。ガラス越しに動物を間近で見られる場所では、体の大きさを実感できます。

今回はキリンが脚を折り、座って休む姿を見ることができました。立っている姿を思い浮かべることが多いキリンですが、休息時にはこのような姿勢を取ることもあります。キリンは陸上で最も背の高い動物で、おとなになると頭までの高さは4メートルを超えます。座っている姿と立っている姿、両方の写真を比べると体のつくりに新たな発見があります。


コビトカバ|森に暮らすカバの体を学ぶ
コビトカバの説明板には、普通のカバと比べた体の特徴が示されていました。水中に長くいるカバは、顔の上に目・耳・鼻が突き出しています。対して森林で暮らすコビトカバは、これらがそれほど突き出しておらず、体は小さく、脚も比較的細めです。毛の少ない皮膚を乾燥から守る分泌物の説明もあり、展示解説を読むと生息環境と体の形の関係が見えてきます。

そのそばではコビトカバが横になって休んでいました。夜行性に近い動物であっても、訪れた瞬間に必ず活発に動いているわけではありません。今回のアメリカバクとコビトカバの対比は、動物の行動が一様ではないことを教えてくれました。コビトカバの野生での生息地は西アフリカの森林で、生息環境の減少などから保全が必要な動物でもあります。

小獣館|19時ごろの混雑と地下の「夜の世界へ」
最後は小獣館に入りました。入口の外にも人が集まり、19時ごろには建物の中も大混雑。多くの人が展示を見ようと並び、夜間開園の人気を感じる場面でした。


地下には「ようこそ 夜の世界へ」と書かれたフロアがあり、暗く、室内の暑さも感じられました。小獣館の地下展示では、照明を使って動物の昼夜のサイクルを逆転させ、夜行性動物が活動する時間を観察できるよう工夫しています。屋外が夜だから地下も暗いというだけではなく、生き物の生活時間に合わせた展示なのです。照明の暗い場所では足元に気をつけ、動物に光を向けないなど、園の案内に従って見学したいところです。

夜の上野動物園で学んだこと|観覧時間と混雑に注意
夜の動物園は、ただ暗くなってから回ればよいわけではありません。明るいうちに猛禽類を見ておく、展示ごとの終了時間を調べる、ホッキョクグマやキリン・カバ舎、小獣館の混雑を見込んでおくなど、昼間以上に計画が役立ちます。売店にも行列ができるため、休憩や食事の時間にも余裕が必要です。
今回は52人で参加したため、光る腕輪をつけ、複数のグループに分かれて行動しました。暗い場所で仲間を見つけやすくする工夫も、団体で楽しむための大切な準備でした。なお、記載した時刻や企画は2026年10月の特別開園時のもので、通常日や今後の開催には当てはまりません。最新情報は上野動物園の公式案内をご覧ください。
上野の歴史散歩へ|関連記事とTimeWalk
動物園の外にも、徳川将軍家ゆかりの建物や上野の山の近代史を伝える史跡が点在します。昼の景色と歴史を楽しむなら、西郷隆盛像・清水観音堂・上野大仏を巡る紅葉歴史散歩レポートや、寛永寺・上野戦争・不忍池の歴史ガイドもおすすめです。今後の企画はゆる歴史散歩会のイベント一覧をご覧ください。
上野公園周辺を自由に歩くときは、現在地から歩ける史跡を地図で探す「TimeWalk」もご利用ください。現在地や指定地点の近くにある歴史スポットを地図で探し、自分で歴史散歩を楽しめるWebアプリです。動物園内の観覧案内ではなく、園外の史跡探しや散歩の予習・復習に役立ちます。
まとめ|秋の夜だから見えた動物たちの姿
52人で楽しんだ「秋の夜のどうぶつえん」は、活発に動く動物も、静かに休む動物も、明るいうちとは違う姿に出会える時間でした。園内の歴史的建物や多彩な展示にも触れられ、久しぶりの動物園にも新しい楽しみがありました。今度は上野公園の史跡にも目を向け、動物と街の歴史をあわせて楽しんでみてください。

