西浅草の東本願寺で、櫓を囲んで東京音頭を踊った後、同じ境内でサザンオールスターズの楽曲や洋楽に合わせて踊る。途中には和太鼓、DJ、生バンドも入ります。
東本願寺盆踊りは、昔ながらの盆踊りと現代の音楽イベントが一晩の中で切り替わっていく、浅草でも個性の強い夏祭りです。2026年は8月19日と20日の2日間開催。直近3年をたどると、ライブやDJ、選曲テーマを変えながら毎年内容を組み替えていることも分かります。
会場の東本願寺は、江戸時代に浅草のランドマークだった大寺院です。葛飾北斎は「冨嶽三十六景」でその巨大な屋根を描き、朝鮮通信使の宿館にも使われました。

東本願寺盆踊りとは?浅草で楽しむちょっと変わった盆踊り
会場は浅草寺から西へ進んだ西浅草1丁目の東本願寺です。現在は浄土真宗東本願寺派の本山で、住所は東京都台東区西浅草1-5-5。浅草寺とは別の寺院です。
東本願寺盆踊りでは、古典的な盆踊り曲を踊る時間と、J-POPや洋楽などをテーマにした時間を分けています。和太鼓、DJ、生バンド、町内店舗の出店などを組み合わせ、地域の夏祭りと音楽イベントの両方を楽しめる構成です。子ども向けの手持ち花火は過去年に実施されましたが、2026年は開催直前に中止が告知されました。
東京の寺院を会場にした盆踊りでは、築地本願寺の納涼盆踊り大会も有名です。築地は周辺の飲食店が集まる「食」の魅力が強く、西浅草の東本願寺はサザンや洋楽、DJ、ライブを組み込む「音楽」の個性が際立ちます。
【2026年最新】東本願寺盆踊りの開催日・時間・プログラム
2026年は8月19日(水)と20日(木)の2日間、東本願寺境内で開催されます。開催時間は両日17:00~21:00です。公式スケジュールに掲載された盆踊り・ライブ・DJのプログラムは18:00から始まります。
8月19日(水)|サザンナイト
18:00~19:00 盆踊り第1部
古典曲を中心に踊ります。
19:10~19:40 麻生恋次郎バンドライブ
サザンオールスターズの楽曲を中心に演奏する麻生恋次郎バンドが出演します。
19:45~20:45 盆踊り第2部
サザンの楽曲を中心にした盆踊りです。
8月20日(木)|DJパーティ
18:00~19:00 盆踊り第1部
古典曲を中心に踊ります。
19:10~19:45 DJタイム 兼 飲食店応援タイム
盆踊り第1部と第2部の間に、DJタイムが入ります。
19:45~20:45 盆踊り第2部
洋楽を中心にした盆踊りです。
「サザンナイト」はサザンオールスターズ本人の出演を意味するものではありません。公式案内では、当日のスケジュールは天候や運営状況によって変更となる場合があります。また、2026年は子どもの手持ち花火体験はありません。
2024・2025・2026年を比較|毎年何が違う?
| 年 | 開催日 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 2024 | 8月21日・22日 | 21日にAJATE、22日に麻生恋次郎バンドがライブ出演。町内店舗の出店、各日先着500人の子ども向け花火企画。麻生恋次郎バンド出演日は「サザンDay」 |
| 2025 | 8月20日・21日 | 17:00~21:00。和太鼓、DJ、子ども手持ち花火。20日の第2部は洋楽中心、21日はサザン楽曲中心。21日に麻生恋次郎バンドが出演 |
| 2026 | 8月19日・20日 | 和太鼓と盆踊りに加え、19日はサザンナイト、20日はDJパーティとして開催直前に公式告知 |
2024年|AJATEと麻生恋次郎バンドが登場
2024年は8月21日・22日に開催されました。21日はAJATE、22日は麻生恋次郎バンドがライブ出演。町内店舗も出店し、各日先着500人の子どもに花火を配る企画も行われました。
麻生恋次郎バンドの公式記録では、この日を「サザンDay」とし、「C調言葉に御用心」「希望の轍」「盆ギリ恋歌」「エロティカ・セブン」「HOTEL PACIFIC」「みんなのうた」「勝手にシンドバッド」を演奏したことが記録されています。
2025年|古典曲、洋楽、サザンを一晩の中で切り替える
2025年は8月20日・21日に17時から21時まで開催されました。第1部では「東京本願寺音頭」「蓮如音頭」「親鸞音頭」などの古典的な盆踊り曲が組まれ、第2部は20日が洋楽中心、21日がサザンオールスターズの楽曲中心という構成でした。和太鼓、DJ、子どもの手持ち花火体験も実施され、21日には麻生恋次郎バンドがライブ出演しました。
2026年|サザンナイトとDJパーティ
2026年の開催直前の公式案内では、19日がサザンナイト、20日がDJパーティです。古典曲を軸にした盆踊りと、現代音楽を取り入れた夜ごとの企画が組み合わされています。
東本願寺盆踊りの見どころ|普通の盆踊りと何が違う?
前半と後半で音楽が変わる
前半の第1部では昔ながらの盆踊りを楽しみ、その後はサザン楽曲やDJなど現代的な企画へ切り替わります。一つの祭りの中で、東京の盆踊りらしい定番曲と現代のポップスを続けて体験できることが大きな特徴です。
DJと生バンドを取り込む
踊りの合間そのものを音楽プログラムとして楽しめるのも特徴です。アニメやポップカルチャーを盆踊りに取り込む東京の別例には、神田明神納涼祭りのアニソン盆踊りがあります。
歴史ある本堂を背景に踊れる
会場は東本願寺の境内です。江戸時代には北斎が大屋根を描いたほど存在感のある寺院で、日が落ちて提灯が点くと、櫓、踊りの輪、本堂が一つの景観になります。
ライブや出演者は誰?東本願寺盆踊りを盛り上げる人たち
麻生恋次郎バンド
麻生恋次郎バンドは、サザンオールスターズの楽曲を中心に演奏するトリビュートバンドです。公式サイトでは2002年から活動歴を公開しており、東本願寺盆踊りにも出演記録があります。
AJATE
2024年8月21日にはAJATEがライブ出演しました。AJATEは、日本の祭囃子とアフロビートを組み合わせる東京の音楽グループで、和太鼓、篠笛、自作の竹製楽器などを用いる独自のダンスミュージックを展開しています。
会場の東本願寺とは?400年以上続く浅草の大寺院
西浅草の東本願寺は、現在浄土真宗東本願寺派の本山です。本尊の阿弥陀如来像は嘉禄2年(1226年)ごろの作とされる東京都指定有形文化財です。1990年の修復では像内から木簡が見つかり、四天王寺の宝塔の心柱を阿弥陀如来像の用材としたことを伝える銘文が確認されました。幾度もの火災を免れ、現在も本堂で拝観できます。
神田から浅草へ移った本願寺
東本願寺の公式沿革は、1591年に教如上人が江戸・神田に江戸御坊光瑞寺を開創したとし、1603年説も併記しています。神田の寺は度重なる火災に遭い、明暦3年(1657年)の大火後、幕府の都市再編の中で浅草へ移転しました。
京都の東本願寺・築地本願寺とはどういう関係?
本願寺は慶長7年(1602年)に東西へ分立しました。顕如の長男・教如の系統が京都・烏丸七条の「東本願寺」、三男・准如の系統が堀川七条の「西本願寺」と呼ばれるようになります。西浅草の東本願寺は教如につながる「東」の系統です。
築地本願寺は京都の西本願寺を本山とする浄土真宗本願寺派の寺院で、「西」の系統にあたります。西浅草の東本願寺と築地本願寺が江戸で一つの寺だったわけではありませんが、東西分立以前の本願寺を共通の源流とします。築地本願寺は1617年に浅草近くに創建され、1657年の明暦の大火後に築地へ移りました。西浅草の東本願寺も同じ大火を契機に浅草へ移っており、二つの本願寺は同じ災害を境に別々の場所で歴史を刻むことになりました。
西浅草の寺は1965年に「東京本願寺」と改称し、長く真宗大谷派との包括関係にありましたが、1981年6月に大谷派から独立しました。1988年には東京本願寺を本山として全国の独立寺院と浄土真宗東本願寺派を結成し、2001年に現在の「浄土真宗東本願寺派 本山 東本願寺」となりました。現在は京都の東本願寺を本山とする真宗大谷派とは別の宗派です。
朝鮮通信使の宿館になった
浅草本願寺は、江戸を訪れた朝鮮通信使の宿館にも使われました。公式沿革では、1711年、1719年、1748年などの通信使来訪時に宿館として利用されたことが紹介されています。1711年の来訪前には幕府の命で大規模な改修も行われました。
境内で見たい文化財・寺宝
境内には寛永7年(1630年)の銘を持つ青銅製の大梵鐘があります。総高302センチで、台東区に現存する銅鐘では最大の巨鐘とされ、台東区の文化財に登載されています。現在は慈光殿屋上の鐘楼堂にあり、御正忌と大晦日に鳴らされます。
寺宝には親鸞聖人の生涯を描く「親鸞聖人御絵伝」の三幅・四幅も伝わります。さらに1961年には棟方志功が茶室「紫雪亭」の襖など大小28枚を制作しました。襖絵は通常公開されていませんが、特別行事に合わせて展覧されることがあります。
正門左脇には高さ7メートルを超える「憲政碑」が立っています。1937年に建立された碑で、1875年に第1回地方官会議が浅草本願寺で開かれたことから、この地を「衆議公論発祥の地」として記念するものです。江戸時代の外交儀礼だけでなく、明治初期の政治史にも関わった寺であることを伝えています。
北斎に描かれた浅草本願寺
1830~1832年ごろ、葛飾北斎は「冨嶽三十六景 東都浅草本願寺」を描きました。画面手前を占める巨大な本堂の屋根、その向こうの火の見櫓や凧、遠景の富士山をほぼ同じ高さに配置した作品です。

関東大震災と東京大空襲を越えた現在の本堂
1923年の関東大震災では、本堂は地震そのものには耐えましたが、その後の火災で焼失しました。1934年に再建工事が始まり、1939年に遷仏法要を実施。1945年3月の空襲では本堂内部が全焼しましたが、鉄筋コンクリート造の外郭は残りました。
浅草寺を中心に江戸の門前町を歩く歴史散歩と合わせると、浅草東側の観音信仰と、西浅草の本願寺・寺町という異なる歴史を見比べられます。
初めてでも楽しめる?服装・踊り方・おすすめの見方
東本願寺盆踊りは入場無料で、浴衣の着用指定もありません。普段着でも立ち寄れる地域の夏祭りです。2026年の公式スケジュールでは18時から盆踊り第1部が始まり、その後、19日は麻生恋次郎バンドのライブ、20日はDJタイムを挟んで、19時45分から第2部へ続きます。
2026年は、8月19日がサザン楽曲と麻生恋次郎バンドを楽しみたい人向け、8月20日がDJパーティを中心に楽しみたい人向けです。子ども向けの手持ち花火は2026年は中止です。
アクセス・当日の注意点
東本願寺の住所は東京都台東区西浅草1-5-5です。公式サイトの案内では、東京メトロ銀座線「田原町駅」徒歩5分、つくばエクスプレス「浅草駅」A2出口徒歩7分、都営浅草線「浅草駅」1番出口徒歩10分、JR「上野駅」中央正面出口徒歩15分です。
浅草寺や雷門からも歩いて移動できます。同じ夏の浅草では、隅田川とうろう流しのような行事も行われます。雨天時や当日変更の情報は、東本願寺盆踊り公式Instagramの最新投稿が基準です。

