G空間EXPO 2027完全ガイド|無料参加・GPS・衛星・3D地図を初心者向けに解説

G空間EXPOで扱われる衛星測位を理解するためのGPS Block IIF衛星のNASA想像図

G空間EXPO 2027は、2027年3月17日(水)から19日(金)まで東京ビッグサイト東ホールで開催される地理空間情報の展示会です。開催時間は10:00~17:00。入場料は無料ですが、入場登録が必要です。

「G空間」は、スマートフォンの現在地、カーナビ、地図アプリ、衛星画像、防災マップ、自動運転などにつながる地理空間情報の分野です。G空間EXPOは企業・団体・官公庁などが技術、製品、サービス、研究成果を紹介し、導入検討や交流につなげる展示会で、科学館型の一般向け体験イベントとは性格が異なります。位置情報技術に関心があれば、専門外の来場者にも仕組みを知る入口になります。

G空間EXPO 2027の開催概要

会場は東京ビッグサイト東ホール。主催はG空間EXPO運営協議会、共催は日刊工業新聞社です。

運営協議会には測量・GIS関連団体のほか、内閣官房、内閣府宇宙開発戦略推進事務局、国土交通省、国土地理院、JAXAなどが参加します。

2027年は防災産業展、ファイアテックジャパン、グリーンインフラ産業展、国際宇宙産業展ISIEXと同時開催されます。ISIEXで人工衛星・地上局・宇宙産業の「作る・運用する側」を見て、G空間EXPOで測位・地図・衛星データの「地上で使う側」を見ると、宇宙技術が防災や都市、交通へつながる流れを理解しやすくなります。

東京ビッグサイトの外観
東京ビッグサイト。G空間EXPO 2027の開催会場。

そもそも「G空間」とは?

G空間は、地理空間情報技術(Geospatial Technology)の頭文字Gを使った「地理空間情報」の愛称です。位置や時刻などの情報を組み合わせ、高度に活用する社会や技術分野を指します。

地理空間情報には「どこにあるか」という位置だけでなく、時刻、地図、衛星観測、人の移動、3D都市、災害情報なども含まれます。初心者は「位置+時刻+地図+衛星+人流+3D都市+防災」と並べると、G空間が扱う範囲をつかみやすくなります。

位置と時刻が分かれば車やスマートフォンを測位でき、地図を重ねれば道路や建物との関係が分かります。そこへ衛星画像、人流データ、3D都市モデル、浸水想定などを重ねると、都市計画、防災、物流、環境分析、自動運転まで同じ地理空間情報の基盤で扱えます。

GISとは何?

GISはGeographic Information Systemの略で、日本語では地理情報システムです。

例えば地図上に人口、避難所、浸水想定区域、病院など別々の情報を重ねれば、「災害時にどこへ支援を優先すべきか」を分析できます。

GISは行政、防災、物流、マーケティング、環境調査など幅広い分野で使われています。

GPS・GNSS・みちびきの違い

GPSは米国が運用する衛星測位システムです。

GNSSはGlobal Navigation Satellite Systemの略で、GPSを含む世界の衛星測位システムの総称です。

「みちびき」は日本の準天頂衛星システムQZSSです。GPSなどと組み合わせ、日本周辺での測位を補完・補強する役割があります。

日常会話では衛星測位全体を「GPS」と呼ぶことがありますが、GPSはGNSSの一つです。

日本の準天頂衛星システム「みちびき」の主管制室
準天頂衛星みちびき主管制室。みちびきウェブサイト(内閣府)/Wikimedia Commons/CC BY 4.0。

スマホはどうやって現在地を知る?

スマートフォンは、複数の衛星から届く信号に含まれる時刻と衛星位置の情報を使い、衛星までの距離を求めて現在地を計算します。

実際の端末では、衛星測位だけでなくWi-Fi、携帯電話基地局、加速度センサーなどを組み合わせる場合もあります。都市のビル街や地下では衛星信号が届きにくいため、複数の技術を併用します。

複数の衛星までの距離から位置を求めるGPSの三辺測量図
GPSの位置測定の基本を示す三辺測量図。

衛星画像とリモートセンシング

リモートセンシングは、対象へ直接触れず、離れた場所から観測する技術です。人工衛星から地表を撮影・観測する方法が代表例です。

普通の写真のような光学画像のほか、SAR(合成開口レーダー)を使い、雲や夜間の影響を受けにくく地表を観測する方法もあります。災害、森林、農業、地盤変動などで利用されています。

3D都市モデルとデジタルツイン

都市を立体的なデータとして再現すると、建物の高さ、道路、日照、災害リスク、人流などを組み合わせて分析できます。

国土交通省のPLATEAUでは、都市活動のプラットフォームデータとして3D都市モデルの整備・活用が進められています。

デジタルツインは現実の都市や設備をデジタル空間に再現し、状況把握やシミュレーションに使う考え方です。

防災でG空間はどう使われる?

ハザードマップ、避難経路、被災地域の衛星画像、ドローン測量、道路の通行状況など、災害対応には位置情報が欠かせません。

「何が起きたか」に「どこで起きたか」を重ねることで、救助、避難、物資輸送、復旧計画の判断につながります。

歴史好きにも面白いG空間

古地図を現在の地図へ位置合わせし、昔の道路、川、町割りと現在を比較することもG空間の活用です。

地形、空中写真、文化財位置情報を重ねれば、地域がどのように変化したかを視覚的に調べられます。

過去開催|2010年の初開催から2026年まで

G空間EXPOは2010年9月19日~21日にパシフィコ横浜で初開催されました。テーマは「“いつ・どこ情報”で暮らしが変わる、未来を創る」。国土地理院は基盤地図情報フォーラムや展示ブース、歩測体験コーナーを設け、衛星測位や地図を専門家だけでなく一般来場者へ広げる催しとして始まりました。

公式サイトの開催報告一覧では、2023年11月開催の次が2025年1月開催となっており、「G空間EXPO2024」という名称の単独開催報告書は掲載されていません。2024年度の地理空間情報ビジネス企画は、2025年1月の会場で「イチBizアワード2024」などとして表彰されました。

G空間EXPO2025は1月29日~31日に東京ビッグサイトで開催され、41社・団体73小間が出展しました。同時開催展を含むリアル来場者は26,338名です。講演ではNHK「ブラタモリ」の制作現場から、古地図や地形をどう読み解けば街の成り立ちが見えてくるのかが語られました。別の会場ではBIM、Project PLATEAU、不動産IDをつないだ「建築・都市のDX」、準天頂衛星みちびきの7機体制と将来の11機体制などが扱われ、歴史の地図から未来の衛星測位まで一日で行き来できる内容でした。

展示ホールへ入ると、スマートフォンの地図とはまったく違う地図の世界が並びます。自動運転車が道路の白線や高低差まで読む高精度3D地図、人の流れを時間帯ごとに可視化する人流データ、センチメートル級の位置を測るGNSS受信機、衛星画像から農地や災害の変化を探す解析サービスなどです。同じ「地図」でも、車には車の地図、農業には農業の地図、防災には防災の地図があることを実物の画面やデモで見比べられる会場でした。

G空間EXPO2026は1月28日~30日に東京ビッグサイト東7・8ホールで開催され、55社・団体127小間へ拡大しました。同時開催展を含むリアル来場者は26,659名です。宇宙飛行士の野口聡一氏は「宇宙と地球がつながるG空間社会の未来へ」をテーマに登壇。展示ではProject PLATEAUの3D都市モデル、NTTデータの4Dデジタル基盤、AIによる衛星画像解析、高精度屋内測位などが並び、建物や道路を立体化した都市の上に人・車・時間のデータまで重ねる「現実世界のデジタルコピー」を見るような構成になりました。

2026年のGeoアクティビティコンテストは、さらに身近でした。津波の浸水範囲と避難施設を3Dで重ねるハザードマップ、衛星から見た植物の状態を示すNDVIで柑橘農業を支える企画、関ヶ原合戦地をWeb地図上で可視化する歴史地理プロジェクト、学生が戦災地点や証言を地図へ残す福井空襲デジタルアーカイブなどが展示されました。戦国時代の軍勢、太平洋戦争の記憶、現代の農地、未来の避難経路が同じ「位置情報」という技術でつながるため、G空間が単なる測量の専門分野ではないことを実感できる年でした。

2027年のGeoアクティビティコンテストとイチBizアワード

2027年のGeoアクティビティコンテストは、2026年度に作品を募集し、2027年3月17日~19日のG空間EXPO会場で展示、19日に発表・表彰を行います。今回は「生徒・学生部門」と「一般部門」に分かれ、最優秀賞、次世代ルーキー賞、コミュニティ賞、来場者賞が設けられました。高校生や大学生から企業・自治体・個人まで参加でき、研究発表よりも「地理空間情報をどう使ったか」を具体例で見られる企画です。

前回は営農指導支援プラットフォームSATSOIL、津波浸水3Dハザードマップ、関ヶ原合戦地のWeb地図、福井空襲デジタルアーカイブなどが選出されました。歴史好きなら、古地図や史跡位置を現在の地図へ重ねる発想が、実際のコンテスト作品としてどう使われているかを見ると理解しやすくなります。

会場では地理空間情報を活用したビジネスアイデアコンテスト「イチBizアワード」の取り組みも紹介されます。Geoアクティビティコンテストが学生・一般を含む幅広い活用事例を扱うのに対し、イチBizアワードはアイデアの事業化や地域課題の解決に重点を置くため、技術とビジネスの両方を見比べられます。

初参加2時間なら、測位→3D都市→衛星画像→歴史地図の順で回る

最初はGPS・GNSS・みちびき関連の展示から入ると、スマートフォンの現在地表示につながる基本が分かります。次にProject PLATEAUや3D都市モデルを見ると、「位置情報」が建物や道路の立体データへ広がる流れを追えます。

その後は衛星画像やリモートセンシングの展示へ進み、農業、防災、インフラ点検で宇宙からの画像がどう使われるかを見ると実用面が分かります。最後にGeoアクティビティコンテストで歴史地図、防災マップ、地域アーカイブなどを見ると、同じ技術が専門企業だけでなく学生や地域活動にも使われていることを実感できます。

時間に余裕があれば同時開催のISIEXへ移り、人工衛星や宇宙輸送を見ると「衛星を作る側」と「衛星の情報を使う側」を一日でつなげられます。

G空間EXPO 2027のFAQ

一般参加できますか?
一般来場者も参加できます。地理空間情報の専門家向け展示が中心ですが、GPS、3D地図、防災、歴史地図など身近なテーマも多く、初心者でも見学できます。

入場は無料ですか?
事前登録者は無料です。同時開催展も含めて見る場合は、来場前に公式の登録方法を確認してください。

歴史好きでも楽しめますか?
楽しめます。古地図の重ね合わせ、関ヶ原合戦地のWeb地図、戦災のデジタルアーカイブなど、歴史資料と位置情報を組み合わせる事例があります。

何時間くらい必要ですか?
主要テーマだけなら2時間ほどでも回れます。講演やGeoアクティビティコンテスト、同時開催のISIEXまで見るなら半日程度あると余裕があります。

まとめ

G空間EXPOでは、GPS、GNSS、人工衛星、GIS、3D都市モデル、防災、測量などを「位置情報」という共通軸で見られます。

専門企業や官公庁による展示・情報交換の場という性格を踏まえつつ、スマートフォンの現在地や地図アプリから考えると、展示される技術と日常生活のつながりを理解しやすくなります。

公式情報・参考資料