北沢川の暗渠を歩く|梅ヶ丘から池尻大橋へ、北沢川緑道と目黒川の源流をたどる

北沢川暗渠の上に整備され、せせらぎが再現された春の北沢川緑道

小田急線の梅ヶ丘駅から東へ進み、北沢川緑道をたどって池尻大橋方面へ歩くコースです。北沢川は現在、地上から川面が見えない暗渠の区間が続き、その上が緑道として整備されています。代田・代沢・池尻へ進むと、橋の名や細長い緑道、再現されたせせらぎから、かつての川筋を追えます。

主な見どころは、北沢川緑道、代沢せせらぎ公園、桜並木、橋名に残る川の記憶、烏山川緑道との合流点、そこから始まる目黒川緑道です。暗渠とは何か、北沢川がなぜ現在の姿になったのか、目黒川へどうつながるのかを、現地で確認できる景観とともに紹介します。

今回のコース概要|梅ヶ丘から北沢川緑道を下流へ

  • 出発地:小田急線 梅ヶ丘駅
  • 到着地:池尻大橋方面
  • 主なエリア:梅丘・代田・代沢・池尻
  • 主要スポット:北沢川緑道、代沢せせらぎ公園、北沢川緑道と烏山川緑道の合流点、目黒川緑道
  • テーマ:暗渠、都市河川、緑道、橋跡、目黒川の上流部

北沢川緑道全体は、世田谷区の案内では赤堤3丁目から三宿2丁目まで延長4,263メートルです。今回の出発地点は梅ヶ丘駅のため、緑道全区間を歩くコースではありません。今回の総距離と所要時間は元の記録で確認できないため、数値は記載していません。

北沢川とは? 暗渠の上に続く北沢川緑道

北沢川は、世田谷区北部を東へ流れていた川です。世田谷区によると、水源は旧上北沢村付近、現在の松沢病院構内周辺にあり、赤堤、松原を通って池尻方面へ流れ、三宿付近で烏山川と合流して目黒川になります。

北沢川は昭和30年代頃までは流れが見えていましたが、下水道整備に伴って暗渠化されました。暗渠とは、川や水路にふたをしたり地下化したりして、地上から流れが見えなくなった状態です。現在の北沢川では、その川筋の多くが歩行者向けの北沢川緑道として使われています。

北沢川暗渠の上に整備され、せせらぎが再現された春の北沢川緑道
北沢川暗渠の上に整備された北沢川緑道。代沢三丁目では、桜と再現されたせせらぎを楽しめます。2006年、Shiragiku撮影/Wikimedia Commons/CC BY 2.5。

現地では、川そのものよりも「川が通っていた形」を見るのがポイントです。細長く連続する緑道、周囲より低い地形、川筋に沿う曲線、橋の名などを追うと、住宅地の中に旧河道を読み取れます。

梅ヶ丘・代田から北沢川緑道へ|川筋を歩いて読む

梅ヶ丘駅周辺は世田谷区の梅丘地区にあり、梅丘・豪徳寺・代田1~3丁目を含む地域です。区も北沢川緑道と烏山川緑道を、この地区の自然豊かな散歩コースとして紹介しています。

北沢川緑道に入ったら、道の形と橋名を見ながら下流へ進みます。世田谷区の案内には、鎌倉橋、二子橋、古事記橋、松竹橋、光明橋などの名が川の痕跡として挙げられています。水面が消えても橋の名前が残るため、暗渠散歩では現在地と旧河道の関係を確認する手掛かりになります。

代沢せせらぎ公園|暗渠の上に水辺が戻った場所

代沢に入ると、北沢川緑道の景観は暗渠を理解するうえで分かりやすくなります。代沢せせらぎ公園と北沢川緑道は世田谷区の「地域風景資産」に選ばれており、暗渠となった北沢川の上部に再生水を使ったせせらぎが整備されています。この整備は1996年に完成しました。

流れている水は地下の北沢川が地表へ戻ったものではありません。東京都下水道局の落合水再生センターで高度処理された再生水が使われています。暗渠の旧河道と、現在の親水空間が同じ場所に重なっている点が見どころです。

環状七号線から淡島通りにかけては桜並木が続き、世田谷区は約150本の桜がある区間として紹介しています。代沢では、北沢川緑道そのものが地域の景観資産になっており、川の歴史と現在の散歩道を同時に見られます。

代沢・下北沢周辺を別の角度から歩くなら、サブカルの街「下北沢」をぶらぶらナイトウォークもあわせてご覧ください。北沢川沿いの住宅地とは異なる、下北沢駅周辺の街の姿をたどれます。

北沢川と烏山川が合流すると「目黒川」になる

北沢川を下流へ進むと、池尻付近で烏山川緑道と合流します。ここから遊歩道の名称は目黒川緑道に変わり、北沢川緑道と烏山川緑道を流れてきたせせらぎも合流します。

目黒川緑道の世田谷区内の区間は池尻4丁目から池尻3丁目まで約506メートルです。さらに下流へ進むと目黒区に入り、国道246号方面へ続きます。中目黒などで知られる目黒川を上流側から見ると、北沢川と烏山川という二つの流れが合わさって始まることが分かります。

北沢川の暗渠で見るべきポイント

  • 緑道の形:細長い歩行空間が連続し、旧河道を追いやすい場所があります。
  • 橋の名前:鎌倉橋、二子橋、古事記橋など、川が見えなくなった後も橋名が残っています。
  • 代沢のせせらぎ:暗渠の上に再生水を流し、水辺の景観を再現しています。
  • 桜並木:環七から淡島通りの区間は、北沢川緑道を代表する景観の一つです。
  • 烏山川との合流点:北沢川が目黒川へつながる地理関係を現地で確認できます。

北沢川緑道を歩く前に知っておきたいこと

北沢川緑道は全長約4.3キロあり、今回の梅ヶ丘から池尻大橋方面への散歩はその一部をたどります。池尻側の北沢川緑道最下流部は、東急田園都市線の池尻大橋駅から徒歩約10分と案内されています。

せせらぎには再生水が使われており、飲用はできません。大雨注意報が出た場合などには送水が停止し、水位が下がることがあります。季節や天候によって見え方が変わる点も、現地を歩く際に知っておくと安心です。

東京の暗渠・地形を解説付きで歩きたい方へ

ゆる歴史散歩会では、暗渠、坂道、川跡、地名、建築、寺社などを現地でたどる街歩きイベントを開催しています。募集中の企画はイベント一覧から確認できます。歴史に詳しくなくても、現地で見えるものを手掛かりに歩ける内容です。

TimeWalkで近くの歴史スポットを探す

TimeWalkは、現在地や指定地点の近くにある歴史スポットを地図で探し、自分で歴史散歩を楽しめるWebアプリです。北沢川緑道の散歩前後に、梅ヶ丘・代田・代沢・池尻周辺の史跡や歴史スポットを探すときにも使えます。

参考資料

この記事を書いた人
ゆる歴史散歩会 運営者
なかまつ

北海道大学工学部卒。現在はIT系会社員の傍ら、年間400回以上の街歩きイベントを企画し、これまで延べ25,000名以上の方にご参加いただいている、ゆる歴史散歩サークルを運営しています。東京の歴史・文化・建築・地形などを、初心者でも気軽に楽しめるイベントとして企画しています。

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