板橋から巣鴨へ旧中山道を歩く|亀の子束子・庚申塚・とげぬき地蔵の歴史散歩

巣鴨地蔵通り商店街の入口と買い物客でにぎわう通り

JR板橋駅周辺から旧中山道をたどり、北区滝野川・西巣鴨・庚申塚を経て、巣鴨地蔵通り商店街へ向かう街歩きコースです。道沿いには、馬頭観世音、1923年(大正12年)築の亀の子束子西尾商店本店、巣鴨庚申堂、とげぬき地蔵で知られる高岩寺などがあります。

旧中山道が江戸と各地を結んだ街道だったことに加え、滝野川の近代産業、庚申塚の立場、巣鴨の信仰と商店街が同じ道沿いに重なっていることが分かるルートです。

今回のコース概要|板橋駅から巣鴨地蔵通り商店街へ

  • 出発地:JR板橋駅周辺(マルエツ板橋駅前店)
  • 到着地:巣鴨地蔵通り商店街
  • 主なスポット:馬頭観世音、亀の子束子西尾商店、滝野川三軒家・種子屋街道の案内板、大正大学、マハヤナ学園跡、巣鴨庚申堂、巣鴨地域文化創造館、巣鴨地蔵通り商店街
  • テーマ:旧中山道、滝野川の近代産業、庚申塚の立場、巣鴨の信仰と商店街

所要時間と距離は、当日の寄り道や食べ歩きを含む正確な記録を確認できないため記載していません。

旧中山道とは|板橋宿は日本橋から最初の宿場

中山道(なかせんどう)は江戸時代の五街道の一つで、日本橋から内陸部を通って京都へ向かう街道です。日本橋から数えて最初の宿場が板橋宿で、江戸と京都の間には69の宿場が置かれました。板橋から巣鴨へ歩くと、現在の市街地の中に旧街道沿いの史跡や信仰、商いの歴史が残っていることを確かめられます。

板橋宿より北側の旧中山道や志村の史跡を続けて歩くなら、江戸時代から残る本物の一里塚など!旧中山道や志村の史跡もあわせて参照してください。

【紫色:主な見附 白色:主なスポット 青色:現在の主要線路】見附とは見張り番所がある城門のことで、江戸城の見附は主に枡形門と堀に架けられた橋が一体となったものが多かった。実際は36以上あったが俗に江戸城三十六見附と呼ばれている。現在でも一部残っている。

板橋から巣鴨までの見どころ

以下のスポットは、板橋駅周辺から巣鴨へ向かう順に並べています。施設名・史跡名のリンクはGoogleマップです。

馬頭観世音|旧街道沿いに残る信仰の痕跡

板橋駅周辺を出発し、最初に馬頭観世音へ向かいました。馬頭観音は各地の街道沿いでも見られる観音信仰の一つです。現地では、石造物そのものと、現在の道路・町並みの中でどこに残されているかを見ると、街道沿いの信仰を具体的に捉えられます。

亀の子束子西尾商店|滝野川に残る1923年築の本店

亀の子束子 西尾商店は、1907年(明治40年)に西尾正左衛門が東京・本郷で「亀の子束子」を発明し、創業した会社です。現在の本店建物は1923年(大正12年)築。のちに本社を滝野川へ移し、現在も北区滝野川で事業を続けています。

現地で見るポイントは、大正期から残る本店建物です。旧街道の周辺に江戸時代の史跡だけでなく、近代の産業や建築の歴史も重なっていることが分かります。

滝野川三軒家・種子屋街道|滝野川の園芸と種苗業を知る

続いて滝野川三軒家・日本農林社・種子屋街道の案内板を確認しました。現在の住宅地や道路だけでは分かりにくい地域の歴史を、現地の案内板から読み取れる場所です。旧中山道を歩く際は、史跡そのものだけでなく、こうした地域史の案内板も手掛かりになります。

大正大学とマハヤナ学園跡|西巣鴨の宗教・教育・社会事業

大正大学 南門広場東屋、南三陸復興ダコ「ゆめ多幸鎮(たこちん)オクトパス君」を経て、マハヤナ学園跡へ向かいました。

マハヤナ学園を創設した長谷川良信(1890~1966)は、浄土宗の僧侶であり、教育・社会事業に取り組んだ人物です。マハヤナ学園や淑徳大学の創設に関わり、宗教理念を社会事業や教育へ結び付けました。西巣鴨周辺を歩くと、街道の歴史に加えて近代の宗教・教育活動の足跡にも触れられます。

巣鴨庚申堂|中山道の立場としてにぎわった庚申塚

巣鴨庚申堂は、都電荒川線(東京さくらトラム)の庚申塚停留場にも名を残す場所です。この周辺は中山道の板橋宿へ向かう途中の立場として人々が休息し、庚申塚として知られるようになりました。

現地では庚申堂だけを見るのではなく、旧中山道と都電の位置関係、そこから巣鴨地蔵通り商店街へ続く道筋を確認すると、交通の歴史が現在の町にどう残っているか分かります。

巣鴨地域文化創造館「中山道待夢」|旧街道沿いの地域文化拠点

巣鴨地域文化創造館は「中山道待夢」の愛称を持つ地域文化施設です。所在地は豊島区巣鴨4丁目。庚申塚から巣鴨地蔵通り商店街へ向かう途中にあり、旧中山道を意識して歩く目印になります。

巣鴨地蔵通り商店街の入口と買い物客でにぎわう通り
巣鴨地蔵通り商店街、2009年2月。撮影:Kentin/Wikimedia Commons/CC BY-SA 3.0。

とげぬき地蔵・高岩寺|巣鴨地蔵通り商店街を代表する寺院

高岩寺(こうがんじ)は、巣鴨地蔵通り商店街にある曹洞宗の寺院で、「とげぬき地蔵」の名で広く知られています。1596年(慶長元年)に神田明神東側で開創され、その後、下谷屏風坂下へ移転。1891年(明治24年)に巣鴨へ移りました。1945年(昭和20年)の空襲で建物を焼失し、現在の本堂は1957年(昭和32年)に完成しました。

「とげぬき地蔵」の信仰は、地蔵菩薩の姿を印じた「御影(おみかげ)」にまつわる伝承と結び付いています。高岩寺の本尊は秘仏で、境内では洗い観音も信仰を集めています。旧中山道を歩いてきた最後に高岩寺と商店街を見ると、街道沿いの信仰が現在の巣鴨のにぎわいにつながっていることを実感できます。

巣鴨地蔵通り商店街で食べ歩き

高岩寺周辺からは、巣鴨地蔵通り商店街を歩きながら食べ歩きを楽しみました。今回の終点は商店街の巣鴨駅側入口です。板橋駅周辺から歩くと、旧街道の史跡、近代建築、地域の信仰、現在の商店街が一つの道の上でつながります。

旧中山道をさらに歩く|板橋・志村方面の関連記事

旧中山道を板橋からさらに北へたどると、志村の一里塚や清水坂など、街道の痕跡が続きます。旧中山道や志村の史跡を歩いた記事では、江戸時代から残る一里塚を含む別ルートを紹介しています。

巣鴨から大塚・東池袋側へ歴史をつなげて歩くなら、東池袋・大塚・千石・巣鴨の歴史散歩で、徳川慶喜巣鴨屋敷跡、都電、造幣局跡、巣鴨プリズン跡までたどれます。

自分で歩くならTimeWalkで近くの歴史スポットを探す

TimeWalkは、現在地や指定地点の近くにある歴史スポットを地図で探し、自分で歴史散歩を楽しめるWebアプリです。板橋・滝野川・西巣鴨・巣鴨を歩く際も、周辺の史跡や人物ゆかりの場所を探す補助に使えます。

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ゆる歴史散歩会では、東京の史跡、神社仏閣、建築、地形などを現地で解説しながら歩くイベントを開催しています。募集中の企画はイベント一覧から確認できます。歴史初心者や一人参加でも参加できます。

この記事を書いた人
ゆる歴史散歩会 運営者
なかまつ

北海道大学工学部卒。現在はIT系会社員の傍ら、年間400回以上の街歩きイベントを企画し、これまで延べ25,000名以上の方にご参加いただいている、ゆる歴史散歩サークルを運営しています。東京の歴史・文化・建築・地形などを、初心者でも気軽に楽しめるイベントとして企画しています。

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