2026年8月12日(水)17:30から、ゆる歴史散歩会では東京・京橋の「東京 宝くじドリーム館」を訪ねる見学イベントを開催しました。参加者は15名。江戸時代の富くじから戦後・現代の宝くじまでを展示で学び、実際にビンゴ5を購入して、その日の抽せんを目の前で観覧するという、歴史学習とライブ体験を組み合わせた回です。
館長にもお話をうかがう機会があり、17:45から抽せんリハーサルを見学。展示鑑賞や館内ゲームを楽しんだあと、18:45からの本番では全員で着席し、購入したばかりのビンゴ5の結果を見守りました。最終的に参加者のうち4名が当せん。普段宝くじを買う人にも、ほとんど買わない人にも、「買って、そのままライブで結果を見る」という普段とは違う体験になりました。


今回の見学の流れ
- 17:30 東京 宝くじドリーム館に集合
- 館長のお話
- 17:45 ビンゴ5抽せんリハーサルを見学
- ビンゴ5を実際に購入
- 宝くじの歴史・世界の宝くじ・収益金の使途などの展示を鑑賞
- 18:45 ビンゴ5本番を着席して観覧
- 18:55ごろ 館前で解散
17:45、まずはビンゴ5のリハーサルを見学
集合後、まず17:45からのリハーサルを鑑賞しました。本番でどのように数字が決まっていくのかを先に見ておくことで、このあと自分たちが購入するビンゴ5の見方も分かりやすくなります。

館内には「クー運試し」というゲームもありました。当たりはポケットティッシュとステッカー、はずれでもポケットティッシュがもらえる仕組みで、歴史展示だけではない気軽な楽しさもあります。


宝くじの歴史(江戸時代から戦前まで)
展示を理解するうえで最初に押さえておきたいのが、現在の宝くじより前にあった「富くじ」です。宝くじ公式サイトでは、日本の富くじの起源を江戸時代初期の寛永元年(1624)頃、摂津国の箕面山瀧安寺で行われた富会に求めています。参詣者が名前を書いた木札を箱に入れ、寺僧が錐で札を選び、選ばれた人に福運のお守りを授けたとされています。
やがて富は金銭と結びつき、町に広がりました。幕府は元禄5年(1692)に禁令を出す一方、寺社の修復費用を調達する方法として一部を許可しました。こうした公認の富くじは「御免富」と呼ばれ、谷中の感応寺、目黒の瀧泉寺、湯島天神は「江戸の三富」として知られました。
しかし、天保13年(1842)の天保の改革で御免富も禁止され、明治元年(1868)の太政官布告でも厳しく禁じられます。宝くじ公式サイトによれば、天保の禁令から戦時中まで103年間、日本では富くじが発売されませんでした。現在の宝くじを娯楽として見るだけでなく、「寺社の資金調達」「幕府の規制」「近代国家による禁止」という制度の変化を見ると、くじが社会や財政と深く結びついてきたことが分かります。


宝くじの歴史(戦後から)
現在につながる宝くじの直接的な出発点は、戦中・戦後にあります。昭和20年(1945)7月、政府は1枚10円・1等10万円の「勝札」を発売しました。ところが抽せんを待たずに終戦を迎えたため、のちに「負札」とも呼ばれました。抽せん自体は8月25日に行われています。
同年10月には、戦後のインフレ対策として「宝くじ」の名で政府第1回宝籤が発売されました。さらに戦災からの復興資金を確保するため、地方自治体も独自に発売できるようになり、昭和21年(1946)12月には地方宝くじ第1号「福井県復興宝籤」が登場します。政府宝くじは昭和29年(1954)に廃止され、同年12月には全国自治宝くじが誕生しました。
その後、宝くじは国家的行事への協賛や賞金の高額化を経ながら種類を増やします。昭和59年(1984)には、その場で結果が分かるインスタントくじが登場し、平成13年(2001)にはスクラッチが登場。数字選択式宝くじなども加わり、現在の多様なラインナップにつながっています。館内の年表や実物のくじ券を追うと、デザインだけでなく、社会状況や人々の楽しみ方の変化も読み取れます。




宝くじドリーム館と現在の宝くじの種類・特徴
東京 宝くじドリーム館は、宝くじ公式サイトが「世界で初めての宝くじ常設PRセンター」と紹介する施設です。東京都中央区京橋2丁目にあり、入場は無料。宝くじの歴史や仕組みに関する展示に加え、東京館では数字選択式宝くじなどの抽せん会も行われています。
現在の宝くじには、ジャンボ宝くじなど発売期間が決まった普通くじ、削って結果を確認するスクラッチ、自分で数字を選ぶロト・ナンバーズ・ビンゴ5など、異なる楽しみ方があります。今回購入したビンゴ5は、3×3のマスの中央「FREE」を除く8マスで数字を選び、抽せん数字によって縦・横・斜めのラインが何本そろうかで当せんが決まる数字選択式宝くじです。抽せん日は原則毎週水曜日で、東京 宝くじドリーム館では18:45から行われます。
展示では国内だけでなく「世界の富くじ」も紹介されていました。券面のデザインや仕組みを見比べることで、くじが日本固有の文化ではなく、各地で資金調達や娯楽と結びついて発展してきたことも実感できます。

また、宝くじは当せん金だけで完結する仕組みではありません。館内には「収益金の発売元別使途の一例」「社会貢献広報費の一例」といった展示があり、収益が公共・地域の事業などに活用される側面も紹介されています。券を買う行為の先にどのような仕組みがあるのかを知れるのは、PR施設ならではの見どころでした。

珍しい宝くじと、時代を映す券面
展示ケースには、万博に関係する宝くじなど、普段はなかなか目にしない券も並んでいました。宝くじは、その時代の行事や社会的なテーマが券面に現れることがあります。金額や当せん方式だけを見るのではなく、「なぜこの図柄なのか」「何のために発売されたのか」という視点で見ると、小さな券が時代資料として見えてきます。
18:45、買ったばかりのビンゴ5を目の前で抽せん
展示を楽しんだあとは、いよいよ本番です。18:45から全員で着席。この日は私たち15名のほかに2名の来館者が観覧しており、大人数で抽せんを見守る時間になりました。

リハーサルで流れを見ていたとはいえ、自分で購入した券を手元に持って数字の発表を待つ本番は別の緊張感があります。数字が一つずつ決まるたびに、自分のマスを確認していきます。


結果は参加者15名のうち4名が当せんしました。普段から宝くじを買う人も、普段は買わない人も、今回は購入から抽せん観覧までを一続きで体験。「買って、そのままライブで発表を見る」という普段にはない経験ができてよかった、という感想もありました。
京橋周辺の歴史散歩とあわせても楽しめます
宝くじドリーム館がある京橋は、日本橋・八重洲・銀座・八丁堀へ歩いてつながるエリアです。周辺の歴史も楽しみたい方は、当会の日本橋と八重洲のナイトウォークや、京橋~八丁堀~築地の歴史を巡る夜散歩もあわせてご覧ください。
TimeWalkで近くの歴史スポットを探す
今回はTimeWalkを使うイベントではありませんでしたが、見学の前後に自分で歴史散歩をしたいときにはTimeWalkも利用できます。現在地や指定地点の近くにある歴史スポットを地図で探し、自分のペースで歴史散歩を楽しめるWebアプリです。現在地から歩ける史跡をTimeWalkの地図で探す。
まとめ
今回は、宝くじを「買う」だけでなく、その前史である江戸時代の富くじ、戦後の復興と宝くじ、現在の多様な商品や収益金の使途まで展示で学び、最後に自分たちが購入したビンゴ5の抽せんを目の前で見届けました。歴史資料を見た直後に現在進行形の抽せんを体験できたことで、過去と現在が一つにつながる見学になりました。

