佐渡裕の公開合唱クリニックを16人で鑑賞|すみだトリフォニーホールで聴くベートーヴェン第九【開催レポート】

佐渡裕による公開合唱クリニック終了後のトリフォニーホール芸術祭記念合唱団

2026年10月1日(木)、ゆる歴史散歩会の16人で錦糸町のすみだトリフォニーホールへ。鑑賞したのは「みんなの佐渡裕デイ」の初日、指揮者・佐渡裕さど ゆたかさんによるベートーヴェン第九の公開合唱クリニックです。いつもは完成された演奏を聴くコンサートですが、今回は指揮者が合唱を指導し、本番へ向けて音楽を磨く過程を客席から見学。私たちにとって初めての新鮮な経験となり、指導とユーモアのあるトークも楽しめました。

開催日:2026年10月1日(木)/参加:16人/会場:すみだトリフォニーホール大ホール/時間:18:30開場・19:00開演(会の記録時刻18:30)。当日の体験とあわせ、佐渡裕さん、3日間の企画、ホールの歴史についても紹介します。

開場前から期待が高まる|16人で公開合唱クリニックへ

会場入口へ続く通路には、開場を待つ人の列。完成された合唱ではなく「指導の途中」を見られる特別な機会に期待が高まります。ホール入口では企画の案内も目に入りました。

公開合唱クリニック入場前の列 すみだトリフォニーホール 2026年10月1日
公開合唱クリニックの入場前。多くの来場者が並んでいました。
すみだトリフォニーホール入口 みんなの佐渡裕デイ公開合唱クリニック
会場の入口付近。「みんなの佐渡裕デイ」のポスターも掲示されています。

大ホールに入ると、舞台の奥に大きなパイプオルガンが見えます。合唱用のひな壇とピアノが設けられ、これから始まる指導の舞台が整っていました。

公開合唱クリニック前のすみだトリフォニーホール大ホールの舞台とパイプオルガン
公開合唱クリニックの会場となった大ホール。舞台奥には巨大なパイプオルガン。

第九の公開合唱クリニック|演奏ができあがる過程に立ち会う

この日の指導曲はベートーヴェン/交響曲第9番ニ短調 作品125より第4楽章。10月3日の本番を控えた「トリフォニーホール芸術祭記念合唱団」が、佐渡さんから初めて直接指導を受ける特別公開の機会です。一般的な演奏会では見られない、合唱を仕上げていく時間そのものがプログラムでした。

参加した16人にとって合唱演奏指導の鑑賞は初めてで、みんな新鮮な気持ちで楽しみました。佐渡さんが合唱団に向けて語りかける姿やおもしろいトークを聞き、指揮者の仕事は拍子を取るだけでなく、歌い手と音楽の方向性を共有することにもあると感じられました。完成した音だけを聴くのとは違う、貴重な体験です。

「第九」の終楽章は、オーケストラに独唱と合唱が加わる構成で有名です。一般に、ソプラノ・アルト・テノール・バスという声部がどのように重なるか、言葉のまとまりや音量の変化、指揮者の合図に耳を傾けると、合唱をより深く楽しめます。

2026年10月1日佐渡裕公開合唱クリニック終了後の舞台と記念合唱団
終了後の舞台。トリフォニーホール芸術祭記念合唱団と来場者の姿。

みんなの佐渡裕デイ|3日間のプログラムと合唱団

「みんなの佐渡裕デイ」は、墨田区すみだくの「すみだ五彩の芸術祭」とすみだトリフォニーホールによる2026年10月1日~3日の特別企画です。すみだ音楽大使でもある佐渡さんを中心に、演奏会と公開指導が一体となっていました。

10月1日:公開合唱クリニック(19:00開演)。10月2日:スペシャルコンサート(18:30開演)。10月3日:中学生吹奏楽部による公開バンドクリニック(11:00開演)と、第九の第4楽章を含むスペシャルコンサート(17:30開演)。今回見た合唱指導は、最終日の本番へ向けた総仕上げに当たります。

公式の募集案内によると、記念合唱団は公募と選考を経て結成され、7月から9月に練習を重ねました。舞台の一瞬をつくるまでの積み重ねにも目を向けることが、公開クリニックの楽しみ方のひとつです。パンフレットには催しの3日間の日程と、合唱団についての紹介が掲載されています。

みんなの佐渡裕デイ2026のパンフレット表 3日間の催しと芸術祭記念合唱団
「みんなの佐渡裕デイ」のパンフレット表。開催日程や合唱団を紹介。
佐渡裕公開合唱クリニック2026のパンフレット裏 指揮者紹介とベートーヴェン第九
公開合唱クリニックの演奏曲と佐渡裕さんの紹介が載ったパンフレット。

2026年の各企画と合唱団の詳細はすみだトリフォニーホール公式「みんなの佐渡裕デイ」特設ページに掲載されています。

佐渡裕とは|世界で活躍する指揮者

佐渡裕さど ゆたかさんは1961年京都市生まれ。京都市立芸術大学で学び、レナード・バーンスタインや小澤征爾おざわ せいじらに師事しました。1989年のブザンソン国際指揮者コンクール、1995年のレナード・バーンスタイン・エルサレム国際指揮者コンクールで優勝し、国内外のオーケストラで活動しています。2023年4月には、すみだトリフォニーホールを本拠地とする新日本フィルハーモニー交響楽団の音楽監督に就任しました。

今回のような公開指導で見られるのは、指揮者が演奏者と向き合い、楽譜に書かれた音をひとつの音楽としてまとめていく姿です。細かな技術のすべてを知らなくても、指導する人と歌う人のやり取りに注目するだけで、聴く楽しみが広がります。

ホールの隣にある東武ホテルレバント東京では、「すみだ音楽大使」としての佐渡さんのパネルも見かけました。ホールの中だけでなく、地域の中にも音楽家とのつながりが感じられます。

東武ホテルレバント東京の佐渡裕すみだ音楽大使等身大パネル
東武ホテルレバント東京で見かけた佐渡裕さんのパネル。

すみだトリフォニーホール|錦糸町の音楽文化を支える施設

すみだトリフォニーホールは1997年10月26日に開館した、東京都墨田区の文化施設です。杮落としこけらおとしの演奏会では、小澤征爾指揮、新日本フィルハーモニー交響楽団によってマーラーの交響曲第3番が演奏されました。大ホールは1,801席、小ホールは252席。東京東部を代表する音楽活動の拠点として親しまれています。

パイプオルガンは4,735本のパイプを持つ

会場の舞台奥にそびえるパイプオルガンは、ドイツのイェームリッヒ社とヤマハによるものです。ホール公式資料によるとパイプ総数4,735本、ストップ数66、手鍵盤3段と足鍵盤を備えています。客席から見えるパイプ以外にも、裏側に多くのパイプがあるという仕組みです。今回の公開合唱クリニックでオルガンが演奏されたことを意味するわけではありませんが、音楽専用ホールならではの見どころでした。

住所は東京都墨田区錦糸1-2-3。JR総武線「錦糸町きんしちょう駅」北口、東京メトロ半蔵門線の錦糸町駅3番出口から徒歩約5分。大ホールは2階にあり、階段やエスカレーター、エレベーターで入場できます。詳細は公式アクセス案内をご覧ください。

音楽と文化を楽しむゆる歴史散歩会

歴史散歩だけでなく、音楽や芸術に親しむのもゆる歴史散歩会の楽しみです。関連する記録として、日本橋でクラシックコンサートと夜さんぽを楽しんだレポート、六本木のクラシックライブと坂道を巡ったレポート、押上・東京スカイツリー周辺を訪問したレポートもご覧ください。今後の企画はイベント一覧で紹介しています。

まとめ|完成前の音楽に出会う貴重な機会

公開合唱クリニックをみんなで見るという新しい文化体験を通じて、指揮者のトークの楽しさと、本番に向けて合唱がつくられていく過程に触れられました。ホールそのものの歴史や音楽文化にも関心を広げられる、印象深い一夜となりました。

参考資料