法の日フェスタin赤れんがとは?法務省を見学・体験する初心者向け予習ガイド

霞が関の法務省旧本館(赤れんが棟)の外観

模擬裁判や模擬取調べ、少年院・更生保護・出入国在留管理・公安調査庁など、普段は別々に聞く「法」の仕事が一つの会場につながる――。「法の日フェスタin赤れんが」は、霞が関の法務省で、制度や仕事を体験・展示・講座を通して知り、明治期の司法省庁舎として建てられた赤れんが棟や法務史料にも触れられる行事です。2024年・2025年には、裁判員を題材にした模擬裁判、検察官による模擬取調べ、少年院の教育プログラム体験など幅広い企画が行われました。

2026年「法の日フェスタin赤れんが」開催情報

法務省は2026年10月3日(土)に「法の日フェスタin赤れんが2026」を開催予定と発表しています。2026年8月14日時点では、開催時間、入場方法、申込開始日、各プログラム、定員などの詳細はまだ公表されておらず、法務省ホームページや公式Xなどで今後案内される予定です。

開催予定日2026年10月3日(土)
開催時間未発表
申込開始日・方法未発表
プログラム・定員未発表

最新情報は、法務省「法の日フェスタin赤れんが2026」特設ページで確認できます。

法の日フェスタin赤れんがとは

会場は東京都千代田区霞が関の法務省。法務省の各部局や関係機関が担当する仕事を、実演、体験、展示、講演などから知る広報イベントです。2024年は10月5日、2025年は10月4日に開催され、両年とも10時から16時まで、最終入場は15時30分でした。

特徴は、裁判や検察だけでなく、刑務所・少年院、更生保護、人権、出入国在留管理、公安調査、法制度整備支援まで扱う範囲が広いことです。先に法務省の組織と役割を知っておくと、会場の各プログラムが「どの機関の、どの仕事につながる体験なのか」を理解しやすくなります。

そもそも「法の日」とは?

10月1日が「法の日」となった背景には、日本の司法制度の節目があります。1928年(昭和3年)10月1日に陪審法ばいしんほうが施行され、その翌年から10月1日は「司法記念日」とされました。1959年(昭和34年)には裁判所・検察庁・弁護士会の協議で「法の日」の制定が提唱され、1960年(昭和35年)6月24日の閣議了解で、政府が10月1日を「法の日」と定めました。

以後、10月1日から1週間は「法の日週間」とされ、裁判所、法務省・検察庁、弁護士会などが各地で関連行事を実施しています。10月1日は、法の役割や基本的人権、社会秩序について考える機会として位置付けられています。

法務省は何をしているところ?

裁判所と法務省は、同じ「法」に関わっていても役割が異なります。裁判所は裁判を行う司法機関、法務省は国の行政機関です。法務省は、登記や戸籍から刑事法制、刑務所・少年院、更生保護、人権擁護、出入国在留管理まで、社会の法的な基盤を幅広く担っています。

組織・機関主な役割フェスタで過去に見られた関連企画
民事局登記、戸籍、国籍、民事基本法制など業務紹介・制度に関する展示等
刑事局・検察庁刑事法制、検察に関する事務、犯罪の捜査・公訴など模擬取調べ、模擬裁判への参加
矯正局刑務所、拘置所、少年院、少年鑑別所など少年院の教育プログラム、性格検査体験など
保護局仮釈放、保護観察、更生保護など保護観察や更生保護を知る企画
人権擁護局人権啓発、人権相談、調査救済など人権に関する展示・啓発企画
出入国在留管理庁出入国管理、外国人の在留管理など業務紹介、パンフレット展示等
公安調査庁公共の安全に関する情報収集・調査など経済安全保障、サイバー攻撃等を扱う講演・展示
法務総合研究所職員研修、犯罪・法制度の研究、法制度整備支援など国際協力・法制度整備支援に関する企画

模擬裁判を入口に実際の法廷にも関心が広がったら、東京地裁・高裁での裁判傍聴の流れと見方も予習に使えます。霞が関で制度を現地体験した例として、東京高等裁判所を傍聴した開催レポートも掲載しています。

会場の「赤れんが棟」自体も見どころ

霞が関の法務省旧本館(赤れんが棟)の外観
法務省旧本館(赤れんが棟)。1895年に司法省庁舎として竣工し、現在も霞が関に残る明治期の官庁建築です。

法務省旧本館、通称「赤れんが棟」は、イベント会場の背景そのものが近代日本の司法史を伝える建築です。明治政府は条約改正を見据え、近代国家にふさわしい官庁街を整えるため、1886年(明治19年)に西洋式建築による官庁集中計画に着手しました。計画と設計には、ドイツ人建築家ヘルマン・エンデとヴィルヘルム・ベックマンが関わりました。

司法省庁舎は1888年(明治21年)に着工し、1895年(明治28年)12月に竣工しました。

1912年刊『日本写真帖』に掲載された司法省庁舎(現在の法務省旧本館)
司法省庁舎。田山宗尭編『日本写真帖』(1912年)掲載/国立国会図書館デジタルコレクション/Public Domain。

1945年3月の戦災では、れんが壁などを残して屋根や床を焼失。1948年から1950年にかけて復旧され、その後は法務省本館として使われました。1991年から復原改修工事が行われ、1994年に創建時の姿へ復原。同年12月27日、外観が国の重要文化財に指定されました。

現在は法務総合研究所、法務図書館、法務史料展示室・メッセージギャラリーなどに利用されています。法務史料展示室は1995年から一般公開されており、司法の近代化と建築の近代化に関する史料を見られます。赤れんが棟の歴史を知るうえでは、通常公開されている法務史料展示室も見どころになります。

館内の雰囲気や展示をより具体的に知りたい方は、法務省旧本館と法務史料展示室を実際にガイド見学した開催レポートもあわせてご覧いただけます。

周辺の官庁街を含めて歩くなら、霞が関の中央省庁街と日比谷公園を歩いたレポートも合わせると、赤れんが棟が官庁街の中でどこに位置するのかつかみやすくなります。

法の日フェスタでは何ができる?

裁判を体験する

2024年の模擬裁判「みんなが裁判員」では、架空の強盗致傷事件を素材に、公判手続、証拠調べ、弁論などが実演され、参加者が裁判官・裁判員役として量刑などを考える企画が行われました。法廷で何が起きているのかを、見るだけでなく判断する側から体験できる内容です。

検察官の仕事を知る

2024年・2025年には、検察官による模擬取調べ実演が事前申込企画として行われました。検察官が事件の事実関係を確認し、供述を得ていく場面を実演から知る企画で、裁判に至る前の刑事手続を具体的にイメージできます。

刑務所・少年院・少年鑑別所を知る

矯正きょうせい局が所管する刑務所や少年院、少年鑑別所の仕事も扱われてきました。2025年には、少年院で実際に行われている「ストレスコーピング」に関する授業の体験、少年鑑別所で実施される性格検査の体験コーナーなどがありました。処罰だけでなく、再び社会で生活するための教育や支援が行われていることを知る入口になります。

社会の中で立ち直りを支える更生保護

更生保護こうせいほごは、犯罪や非行をした人が社会の中で立ち直ることを支える制度です。保護観察官や保護司などが関わり、保護観察や生活環境の調整を行います。フェスタでは、保護観察や更生保護の仕組みを知る企画が行われてきました。

出入国在留管理を知る

出入国在留管理庁は法務省の外局で、日本への出入国、外国人の在留管理などを担います。2025年のフェスタでは業務紹介やパンフレット展示などを行ったことが同庁の広報資料でも確認できます。空港の入国審査だけではなく、在留に関する行政までつながる仕事です。

公安調査庁とは何をするところ?

公安調査庁も法務省の外局です。公共の安全に関わる情報の収集・分析や調査を担い、フェスタでは過去に経済安全保障、サイバー攻撃などをテーマにした講演・展示が行われました。法務省の中でも、社会の安全に関する情報を扱う機関として位置付けられます。

人権・国際協力・法制度整備を知る

法務省の仕事には、人権擁護や国際協力も含まれます。2024年には、法制度整備支援の対象国や国連に関するクイズ、海外派遣中の検察官とのオンライン座談会などが行われました。国内の刑事・民事制度だけでなく、各国の法制度づくりを支援する仕事まで扱われています。

法務省の歴史を見る

赤れんが棟3階の法務史料展示室・メッセージギャラリーでは、司法制度と建築の近代化に関する史料が展示されています。2024年・2025年のフェスタでは、通常は平日に公開されている同展示室が土曜日にも公開され、展示解説などが行われました。赤れんが棟の建築史と、近代司法の制度史を同じ場所で見られるのが大きな特徴です。

事前予約が必要な企画と、予約なしで楽しめる企画

2024年・2025年は、事前申込が必要な企画と、当日自由に参加・見学できる企画の両方が用意されました。2024年は9月9日(月)10時、2025年は9月8日(月)10時に事前申込が始まり、模擬裁判や模擬取調べなどは申込終了となった実績があります。

2026年の申込開始日、申込方法、予約対象プログラムはまだ発表されていません。参加を考えている場合は、2026年特設ページの更新後に「予約が必要な企画」と「自由参加できる企画」を分けて確認すると予定を組みやすくなります。

2024・2025年はどんな内容だった?

比較項目2024年2025年
開催日10月5日(土)10月4日(土)
開催時間10:00〜16:00(最終入場15:30)10:00〜16:00(最終入場15:30)
来場者数1,332人951人
模擬裁判実施実施
模擬取調べ実施実施
更生保護・保護観察関連企画あり関連企画あり
少年院等教育プログラム体験等ストレスコーピング授業体験、少年鑑別所の性格検査体験等
公安調査庁関連講演・展示等講演・展示等
法務史料展示室土曜公開・展示解説等土曜公開・展示解説等
その年の特徴国際協力・法制度整備支援関連の企画など国立印刷局による官報の特別展示、少年鑑別所の性格検査体験など

同じ名称のイベントでも、企画内容は年ごとに変わります。2026年については、過年度の表を「今年も行われる企画一覧」として見るのではなく、法務省のどの仕事がどのような形で紹介されてきたかを知る材料として使うのが適しています。

霞が関で「法の仕事」を立体的に見る一日

法の日フェスタin赤れんがでは、裁判、検察、矯正、更生保護、出入国在留管理、人権、公安調査、国際協力という別々の制度が、法務省という組織の中でつながって見えてきます。そこに、司法省時代から残る赤れんが棟と法務史料展示室が重なり、制度の現在と近代司法の歴史を同じ場所で確かめられます。

2026年は10月3日(土)の開催が確定しています。プログラムや申込方法は今後の公式発表で更新されるため、参加前には法務省の特設ページで最新情報を確認すると安心です。

参考資料