第34回衛星設計コンテスト最終審査会2026ガイド|一般聴講無料、宇都宮で学生の宇宙ミッション案を公開審査

高校生から大学院生までが小型衛星や宇宙ミッションを設計する「第34回衛星設計コンテスト」の最終審査会が、2026年11月14日(土)にライトキューブ宇都宮で開催されます。会場での一般聴講は無料・事前登録制で、YouTubeライブ配信も予定されています。

第34回衛星設計コンテスト最終審査会の開催概要

  • 開催日:2026年11月14日(土)
  • 時間:9:45〜17:30予定
  • 会場:ライトキューブ宇都宮 3階・中ホール
  • 所在地:栃木県宇都宮市宮みらい1-20
  • 開催方式:会場+オンラインのハイブリッド
  • 一般聴講:会場参加登録が必要
  • YouTube:ライブ配信予定
  • 第70回宇宙科学技術連合講演会と連携開催

最終審査会では、一次審査を通過した学生チームがミッションの目的、衛星・探査機の構成、軌道、電力、通信、観測方法などを発表し、専門家の質問に答えます。2026年9月時点では最終審査会の詳細プログラムは調整中です。

1993年に始まった「大学で衛星をつくる」時代の入口

衛星設計コンテストは1993年に始まりました。当時、欧米では大学が小型衛星を開発し、ロケットの余剰搭載能力を使って打ち上げる動きが始まっていました。一方、日本では衛星は宇宙機関や大企業が開発するものという認識が強く、大学が自ら衛星全体を設計して打ち上げる活動はほとんどありませんでした。

日本機械学会、電子情報通信学会、日本航空宇宙学会の3学会を中心に、第1回大会が1993年9月12日に科学技術館サイエンスホールで開かれました。設計の部は当初から小型衛星を想定し、衛星質量50kgという制約が設けられていました。

第1回で電子情報通信学会賞を受賞した千葉工業大学の鯨生態観測衛星「観太くん」は、その後実際の衛星開発へ進み、2002年に打ち上げられました。コンテストは1993年以来毎年開催され、日本の大学・学生による小型衛星開発が広がる過程と重なっています。

設計・アイデア・ジュニアの3部門

「設計の部」は、ミッションの目的だけでなく、衛星システムとして成立するところまで具体的に設計します。「アイデアの部」は新しい宇宙ミッションの発想や科学・工学的な価値を重視します。「ジュニアの部」は高校生など若い世代が宇宙利用の構想を提案する部門です。

一次審査では着想、創意工夫、基礎的な技術知識、将来性などを審査します。最終審査会では発表後の質疑があり、アイデアが実際の宇宙環境で成立するかを審査員が確認します。

2026年の一次審査通過作品

2026年8月26日の一次審査を通過したのは、設計の部3作品、アイデアの部4作品、ジュニアの部5作品です。

  • 防衛大学校:GNSS電波環境監視技術実証衛星「みはり」
  • 東京大学・京都大学:月面観測・X線航法衛星「MIYUKI-X」
  • 京都大学:オーロラ撮影技術実証衛星「APTSAT」
  • 同志社大学大学院・同志社大学:小型ローバ群による月面資源の協調探査
  • 東海大学・東京理科大学・立命館大学・室蘭工業大学:Lバンド対地同期SAR衛星とコンステレーションの連携ミッション
  • 東北大学・東北大学大学院:衛星間電位差を考慮した接触時帯電除去
  • 帝京大学:水圏生態系の宇宙拡張実証ミッション
  • 高知工業高等専門学校:月の溶岩チューブ3D地図作成システム
  • 高知工業高等専門学校:宇宙に開花する「ひまわり衛星」
  • 中高生合同チーム:外部磁場印加型MPDスラスタ技術実証衛星
  • 長崎県立長崎西高等学校:宇宙からプラスチックを見つけよう
  • 高校合同チーム:分散型衛星画像復元プラットフォーム
  • 海城高校・渋谷教育学園幕張高校:流星永続痕観測衛星「Sternschnuppe」

過去2回の最終審査会

第33回・2025年|デブリ除去や深宇宙探査が受賞

第33回最終審査会は2025年11月22日に連合会館でハイブリッド開催されました。設計大賞はNational Cheng Kung Universityの「SATEBAL」で、CubeSatの姿勢安定と軌道離脱を半受動的に行うシステムを提案しました。

アイデア大賞は東北大学の「接着型膜展開デバイスによる複数デブリ除去」、ジュニア大賞は麻布高等学校の深宇宙分散探査超小型実証機「キュベレー」でした。スペースフロンティア賞には同志社大学の月面掘削・整地ローバ「Beetron-1」が選ばれています。宇宙ごみ、深宇宙、小型衛星、月面作業という現在の宇宙開発課題がそのまま学生提案に現れた回でした。

第32回・2024年|56作品から15作品が最終審査へ

第32回は56作品の応募があり、15作品が一次審査を通過しました。最終審査会は2024年11月23日にハイブリッド開催されました。設計大賞は東京電機大学・同大学院の山岳救助支援衛星「HATOSAT II」で、3U CubeSatにStore-and-Forward通信とLoRaを組み合わせた救助通信を提案しました。

アイデア大賞は複数大学による氷衛星探査の超小型衝突プローブ群「ICICLEs」、ジュニア大賞は長崎県立長崎西高等学校の「SUZUME」でした。スペースフロンティア賞には日本大学の、月面で衝突閃光を利用し地震計ネットワークを構築する提案が選ばれました。特別講演では変形型月面ロボットSORA-Qの開発が紹介されています。

質疑応答で検討される設計条件

完成した宇宙機の展示とは異なり、衛星設計コンテストでは構想が成立するかを専門家が検討する過程を公開で見られます。質疑では、軌道、姿勢制御、電力収支、熱、通信、打ち上げ条件、観測精度、故障時の対策などが問われます。発表資料だけでは見えない設計上の弱点や、学生がどのように条件を置いているかが明確になります。

会場参加とYouTube配信

会場での一般聴講は参加登録が必要です。開催当日はYouTubeライブ配信も予定され、配信URLは決定後に公式ページへ掲載されます。会場はJR宇都宮駅東口のライトキューブ宇都宮です。

公式資料・過去開催情報