幡ヶ谷「タンジャイミールス」で19人が南インド料理を満喫|極の上ミールス・ドーサと食後のチャイ【開催レポート】

タンジャイミールスの南インド定食ミールス ご飯と数種類のカレー 副菜 パパド

2026年1月31日(土)18時から、ゆる歴史散歩会で「極の上ミールスなど、南インド料理を楽しもう」を開催しました。会場は東京都渋谷区の南インド料理店「タンジャイミールス」。参加者は19人です。たくさんの料理を注文してみんなでシェアし、カレーやドーサ、揚げ料理など、種類の異なる料理を一度に楽しみました。食後には、高い位置からミルクチャイを注ぐパフォーマンスも。この記事では当日の写真10枚とともに、料理の特徴、店名の由来、南インドの歴史を紹介します。

南インド料理 タンジャイミールス|幡ヶ谷の店内とアクセス

今回の会場は、京王新線の幡ヶ谷はたがや駅近くにある「タンジャイミールス(THANJAI MEALS)」。住所は東京都渋谷区幡ケ谷2-7-10 松本ビル2Fです。駅から歩いて訪ねられる場所にあり、建物の上階に赤い看板が掲げられています。看板の寺院を思わせるシルエットも印象的です。

東京都渋谷区幡ヶ谷の南インド料理店タンジャイミールスの赤い看板と夜の外観
幡ヶ谷のタンジャイミールス。店名の横には南インドの寺院を思わせるモチーフが描かれています。

店内にはテーブル席とボックス席が並び、落ち着いた色合いの内装の中で食事を楽しめます。今回は19人で訪れ、さまざまな料理を取り分けながら南インドの味を体験しました。

タンジャイミールス店内のテーブル席とボックス席 南インド料理交流イベント会場
タンジャイミールスの店内。テーブル席やボックス席のある空間で料理を楽しみました。

お店は、ドーサ、ミールス、ビリヤニなど南インド・タミル地方の料理を扱う専門店です。提供内容、営業時間、予約方法の最新情報は、店舗が管理するタンジャイミールスの店舗情報(食べログ)で確認できます。なお、食べログの「アジア・エスニック TOKYO 百名店 2026」にも選ばれていますが、これは今回の開催日より後の評価情報です。

当日の料理|19人で注文してシェアする楽しさ

今回の食事会では、さまざまな料理を注文し、みんなで取り分けながら味わいました。ご飯を中心にしたミールス、大きな薄焼きのドーサ、豆の揚げ料理、香辛料を使ったおかずが食卓に並びます。料理ごとに違う形や食感、スパイスの風味を、一度に楽しめるのが大勢でシェアする醍醐味です。

香辛料をまとった料理と盛り付け

バナナの葉にのせられた赤褐色の揚げ料理には、レモンと赤玉ねぎが添えられていました。葉の鮮やかな緑とスパイスの色の対比も、食卓の楽しさを引き立てます。バナナの葉は南インドの伝統的な食事で用いられる食器代わりの素材としても知られています。

バナナの葉に盛り付けられた香辛料香る揚げ料理 レモンと赤玉ねぎ添え
バナナの葉に盛られたスパイス香る揚げ料理。レモンと赤玉ねぎが添えられています。

土鍋に盛られた料理には、複数の色合いの具材や卵料理、香草が見えます。器ごとに異なる盛り付けがあり、みんなで料理を分け合うことで、さらに幅広い味の組み合わせに出会えます。

土鍋に盛られた南インド風のスパイス料理と卵 パクチーを添えた一品
土鍋の中には彩りの異なる具材と卵料理。香草も盛り付けられています。

ミールス|ご飯を中心に複数のおかずを組み合わせる

「ミールス」は英語の meals(食事)に由来し、日本では一般に南インド式の定食を指します。写真の大きな金属皿にはご飯の周囲に複数の小鉢が並び、薄いせんべい状のパパドも添えられています。それぞれを別々に味わうほか、ご飯に少しずつ合わせるのも楽しみ方の一つです。今回のイベント名にある「極の上ミールス」を入口として、定食形式の奥深さを感じられる食卓になりました。

タンジャイミールスの南インド定食ミールス ご飯と数種類のカレー 副菜 パパド
ご飯を囲む複数のカレーや副菜、軽い食感のパパド。味を組み合わせる楽しみが詰まったミールスです。

ドーサ|生地の折り方や焼き上がりもさまざま

大きな三角形に折られた薄焼きのドーサ。ドーサの基本形は米と豆を主体にした発酵生地を鉄板で薄く焼くもので、サンバルやチャツネを添える食べ方が知られています。写真でも異なる色のソースが添えられています。

タンジャイミールスの三角形に折りたたまれた南インド料理ドーサ チャツネ添え
大きな三角形に折りたたまれたドーサ。二種類のチャツネとともに。

別の皿には細かな穴が広がったレース状の薄焼き料理も。南インドには米や豆を発酵させたドーサのほか、セモリナ粉などを使うラヴァドーサと呼ばれるタイプもあり、材料と焼き方で食感が変わります。ここでは写真の生地の違いを見比べられます。

穴の開いた薄焼き生地が特徴の南インド料理ラヴァドーサとソース
レース状の細かな穴が広がる薄焼きの一皿。食感の違いも南インド料理の魅力です。

香草とトマトを添えたスパイシーな炒め料理も並びました。香辛料は辛味に加えて、香りや色、後味を生み出し、料理全体の風味を形作ります。インド洋交易と香辛料の関係は、当サイトの香辛料の世界史でも詳しく紹介しています。

バナナの葉に盛られた南インド料理のスパイシーな炒め物 トマトと香草添え
香草とミニトマトを添えたスパイシーな炒め物。料理をシェアしながら味の幅を楽しみました。

さらに、筒状に巻かれた大きなドーサも登場。薄い生地の折り方や巻き方が変わるだけでも、皿の印象は一変します。取り分けて食べるときには、その大きさや生地の質感も話題になる一皿です。

大きく筒形に巻かれた南インド料理ドーサ サンバルとチャツネ添え
筒状に巻かれた大きなドーサ。サンバルやチャツネを添えていただく一皿です。

最後の写真はドーナツ形の揚げ料理「ワダ(ヴァダ)」。南インドでよく見られるメドゥ・ワダは豆を使った生地を輪にして揚げ、サンバルやチャツネと合わせます。この皿にも白いチャツネと黄色い汁物が添えられています。

リング形の南インドの揚げ料理ワダとサンバル 白いチャツネ
ドーナツ形の揚げ料理ワダ。サンバルと白いチャツネが添えられています。

南インド料理について|米・豆・発酵・香辛料の食文化

インドの食文化には地域ごとに豊かな特色があり、南インドでは米と豆を生かした料理が数多く発展してきました。タミル・ナードゥ州などでは、米、豆、野菜、タマリンド、ココナッツ、香辛料を組み合わせた料理が親しまれています。肉や魚介を使った料理もあり、地域や家庭、店によって味付けや献立が異なります。

サンバルとラッサムの違い

サンバルは、豆と野菜にタマリンドや香辛料を合わせて煮る料理で、ご飯にもドーサにも添えられます。一方のラッサムは、タマリンドの酸味に胡椒やクミンなどの香りを重ねた汁物として知られています。ミールスの小鉢には、こうした異なる濃さや風味の料理が並ぶことがあります。何種類もの味を交互に試せることが、南インドの定食の魅力です。

ドーサとワダの材料・調理法

ドーサでは米とウラド豆などから作る生地を発酵させ、薄く広げて焼く方法が代表的です。発酵が生地の風味を生み、焼くことで縁や表面に軽い食感が生まれます。ワダは豆を使った生地を揚げた料理で、外側と内側の食感の対比が特徴です。インド政府観光局の紹介でも、ドーサ、ワダ、サンバルは南インドの代表的な料理として挙げられています。

米や豆の使い方、発酵や焼き方を知ると、今回の食卓に並んだ料理の違いがいっそう鮮やかに見えてきます。インドの各地域には、気候や農作物、暮らしの歴史に育まれた豊かな食文化があります。東京でインドの食文化に触れた別の開催記録として、シク教の共同食事を体験したグルドワラのランガル体験レポートも紹介しています。

タンジャイ(タンジャーヴール)|店名からたどる南インドの古都

店名の「タンジャイ(Thanjai/தஞ்சை)」は、タミル語で南インドの都市「タンジャーヴール(Thanjavur/தஞ்சாவூர்)」を指す呼び方です。「ミールス」は英語の meals に由来します。したがって「タンジャイミールス」は、南インドの古都の名と食事を意味する語を組み合わせた名前です。都市名から、店の背後にあるタミル文化へ関心が広がります。

チョーラ朝の中心地として発展

タンジャーヴールは、9世紀ごろから勢力を伸ばしたチョーラ朝の重要な拠点でした。チョーラ朝は南インドから周辺海域へ影響力を広げ、寺院建築や彫刻、絵画、青銅像などの文化を発展させました。「タンジャイ」という地名には、こうした歴史とタミル地方の芸術文化が重なっています。

世界遺産「大チョーラ朝寺院群」

タンジャーヴールの代表的な建築がブリハディーシュワラ寺院です。ユネスコの世界遺産センターによると、王ラージャラージャ1世の時代、11世紀初頭に建立された寺院で、高い塔や彫刻、壁画がチョーラ朝の文化を伝えています。1987年に世界遺産へ登録され、2004年にはガンガイコンダチョーラプラムとダーラースラムの寺院が加わり、現在の「大チョーラ朝寺院群」となりました。いずれも歴史遺産であると同時に信仰が続く寺院です。

歴史あるタンジャーヴールの名を掲げるこの店は、東京・幡ヶ谷の街角にあります。幡ヶ谷の地域史に関心のある方には、幡ヶ谷から新宿へ玉川上水の新水路や暗渠を歩いた記録もおすすめです。

食後のミルクチャイ|高く注ぐパフォーマンスを動画で

食後には、ミルクチャイを高い位置から器へ注ぐパフォーマンスがありました。細い液体の流れを保ちながら注ぎ移す動きは、静止画とはまた違った迫力です。その場面を撮影した映像を紹介します。

https://www.youtube.com/watch?v=9gqF4M1aGqA

チャイはインドの言葉でお茶を指す言い方として広まり、牛乳や砂糖を加えたものも親しまれています。南インドではお茶やフィルターコーヒーを二つの器の間で注ぎ移して、混ぜたり、泡を作ったり、飲みやすい温度に近づけたりする方法が知られています。この一連の動作も食文化の一部です。飲み物が世界へ広がった背景に興味がある方には、当サイトのコーヒーの世界史もおすすめです。

これからのイベントとまとめ

2026年1月31日の「極の上ミールスなど、南インド料理を楽しもう」では、19人で多くの料理を注文し、少しずつシェアしながら幅広いメニューを楽しみました。ご飯と複数のおかずを合わせるミールス、大きく焼いたドーサ、揚げたワダ、色鮮やかなスパイス料理、そして食後のミルクチャイ。それぞれに異なる料理文化が見える時間となりました。

ゆる歴史散歩会では、街歩きに加え、実際に食べたり見たりしながら歴史や文化に触れる企画も開催しています。ほかの活動は開催レポート一覧、これからの企画はイベント一覧をご覧ください。

参考資料