2026年6月6日(土)18時30分から、48名で「お台場ランタンナイトと海辺の夜さんぽを楽しもう」を開催しました。今回のテーマは、見慣れた観光地を足元から見直し、海辺の新しい演出と幕末以来の歴史を一晩でたどること。フジテレビ本社屋、東京アクアシンフォニー、自由の女神像、お台場ビーチを巡り、最後にお台場ランタンを見物しました。
梅雨入り前の夕暮れ、お台場には多くの人が集まり、海風の中を歩くにぎやかな夜さんぽになりました。テレビや写真では知っていても、フジテレビの建物の下に入ったり、自由の女神像を間近で見たりした経験がない参加者が多く、身近な名所を新鮮な目で楽しめる機会となりました。
フジテレビ本社屋を足元から見上げる
最初に向かったのはフジテレビ本社屋です。上部の球体が有名ですが、今回は建物の大階段を上り、巨大な柱、空中回廊、球体を支える構造を間近で観察しました。テレビ画面越しに見ていた建物の内部へ入っていく感覚があり、自然と期待が高まります。

階段の途中で振り返ると東京港側の視界が開け、港湾施設のクレーンや臨海部の建物まで見渡せます。都市と港が隣り合うお台場らしい景色です。

外から見上げると、直線的な格子の中央に球体が浮かぶ独特の構成がよく分かります。

建物の中央では球体の真下から見上げました。四角いフレームが幾重にも重なる中に球体が現れ、普段の正面写真とはまったく異なる印象です。

帰りは長いエスカレーターを利用しました。透明なチューブ状の屋根越しに景色を眺めながら下り、建築そのものを体験する散策となりました。

東京アクアシンフォニーを鑑賞
続いて、お台場海浜公園の水域に整備された「東京アクアシンフォニー」を鑑賞しました。噴水の動きに音楽と光を組み合わせる水上演出で、東京都が臨海副都心の新たなランドマークとして2026年3月に運用を開始した施設です。海辺の暗さを背景に水柱と光が立ち上がり、昼間の浜辺とは違うお台場の表情を見せてくれました。
上演内容や時間は日によって異なり、天候によって噴水の高さが抑えられる場合もあります。見学時は東京アクアシンフォニー公式サイトの当日スケジュールをご確認ください。
自由の女神像と海辺の夜景
海沿いを進むと、お台場の自由の女神像が見えてきます。この日はライトアップの色が刻々と変わり、赤く照らされた姿から青い光に包まれた姿へと表情を変えていました。

像の背後にはレインボーブリッジと都心のビル群が広がります。近くで像を見上げた後、少し離れて橋や海と一緒に眺めると、お台場の夜景が複数の時代の象徴によって形づくられていることに気づきます。

その後はお台場ビーチを散策しました。イベント来場者や観光客でにぎわう遊歩道を、海風を感じながらランタン会場へ向かいました。
お台場ランタンの夜景を見物
この日の「お台場ビーチ・お台場ランタン」は、日本e-ランタン協会が主催し、お台場海浜公園で行われた体験型イベントです。公式案内では18時45分受付、19時30分打ち上げ準備、19時45分カウントダウン、20時15分終了の予定でした。
使用されたのは火を使わないLED式ランタンです。ヘリウムガスで浮かせ、糸を付けて回収できる仕組みで、火災や飛散、廃棄物への対策が取られていました。暗い海辺に橙色の光が一斉に浮かび、レインボーブリッジや都心の夜景と重なる光景は印象的でした。

一方、当日は風が強く、密集した会場内でランタンの糸が近くの人の糸と絡む場面が目立ちました。高く上げられたランタンは少なく、参加者が十分に楽しむには、風の状況、区画の広さ、参加者間の距離など、運営面で改善の余地があると感じました。安全を優先した仕組みであるからこそ、次回はその仕組みを生かせる会場運営に期待したいところです。

それでも、夜景を背景に多数のランタンが灯る時間には独特の美しさがありました。風に揺れる光を眺めながら、今回の夜さんぽを締めくくりました。

お台場ランタンの概要と今後の予定
お台場ランタンは一度きりの催しではなく、季節を変えて年に複数回企画されています。2026年には3月20日、5月9日、6月6日、7月4日の開催案内が確認でき、7月29日時点のイベント案内には8月1日(土)と8月22日(土)も掲載されています。予定は天候などで変更されることがあるため、参加時は主催者やお台場公式サイトの最新情報をご確認ください。
今回の6月6日回は、雨天・荒天の場合に7月4日へ振り替える予定とされていました。ランタンは1基または2基の券が用意され、打ち上げ区画へ入れる人数が定められていました。体験参加には事前申込みや受付時間の確認が必要です。
フジテレビ社屋について
フジテレビ本社屋は、お台場を代表する現代建築です。設計を手がけたのは建築家・丹下健三が率いた丹下健三・都市・建築設計研究所で、フジテレビが新宿区河田町からお台場へ移転した1997年に本格稼働しました。
最大の特徴は、直方体の建物群を巨大なフレームと空中回廊で結び、その中央に球体を配置した構成です。球体部分は25階の球体展望室「はちたま」として知られています。放送局の各機能をまとめながら、都市に開かれた象徴をつくる考え方が表れています。
建物の下を歩くと、正面からでは分かりにくい柱の太さや回廊の高さ、球体の位置関係を体感できます。遠景では一つのマークに見える建築も、近づけば多数の部材と空間の組合せで成立していることが分かります。
お台場の歴史について
「お台場」の名は、江戸時代末期に築かれた砲台場に由来します。1853年、アメリカ東インド艦隊司令長官のマシュー・ペリー(Matthew Perry)が率いる艦隊が来航すると、江戸幕府は江戸湾の防備を急ぎました。海上に複数の砲台を築く計画が進められ、品川沖に台場が造られます。「台場」に敬意を表す「お」を付けた呼び方が、現在の地名として定着しました。
計画された台場のすべてが完成したわけではありませんが、第三台場と第六台場は現在も国指定史跡「品川台場」として残っています。東京都文化財データベースは、品川台場を西洋の軍事技術と日本の伝統的な石積技術を組み合わせた、日本最初の大規模海上構造物と説明しています。第三台場は陸続きの台場公園として歩くことができ、第六台場は保存のため立入りが制限されています。
その後、東京港の整備と埋立てが進み、臨海副都心としての開発が本格化しました。1990年代にはレインボーブリッジ、ゆりかもめ、フジテレビ本社屋などが相次いで登場し、お台場は観光・業務・居住の街へ変化します。現在の華やかな夜景の足元には、外国船への危機感から始まった海防の歴史が眠っています。
自由の女神像、フジテレビ、東京アクアシンフォニー、LEDランタンは、それぞれ異なる時代に生まれました。一晩の散歩でこれらをつなぐと、お台場が新しい観光地であるだけでなく、幕末から現代まで東京湾の役割に応じて姿を変え続けてきた場所であることが見えてきます。
まとめ
48名で歩いた今回の夜さんぽでは、フジテレビ本社屋を建築として体験し、新しく始まった東京アクアシンフォニーを鑑賞し、色を変える自由の女神像と海辺の夜景を楽しみました。最後のお台場ランタンでは強風による難しさもありましたが、レインボーブリッジを背景に灯りが浮かぶ景色を見ることができました。
知っているつもりの場所でも、歩く高さや時間帯を変えると印象は大きく変わります。初心者でも参加しやすいゆる歴史散歩会では、これからも現在の風景と歴史の背景を結びながら街を歩いていきます。
TimeWalkのご紹介
今回はTimeWalkを利用していません。TimeWalkは、街に残る歴史や見どころをスマートフォンで確認しながら、自分のペースで散策できるサービスです。対応コースや使い方はTimeWalk公式サイトをご覧ください。

