TOKYO ATLAS 2026とは?会場・アーティスト・見どころを台場・青海・天王洲の歴史から解説

レインボーブリッジから見た台場公園の第三台場

2026年10月10日、東京湾岸の台場・青海・天王洲を舞台に、国際美術展「TOKYO ATLAS」が始まります。会期は12月20日まで。幕末の砲台跡、海浜公園、港に接する公園、地下駐車場、再生された水辺の施設へ作品が広がります。

TOKYO ATLASは、東京全体を舞台にする文化芸術祭「ARTE TOKYO」の臨海エリアを代表するハイライトプログラムです。会場となる土地の履歴そのものが展示体験に組み込まれています。

TOKYO ATLASとは?2026年に始まる国際美術展

TOKYO ATLASは、東京都、東京国際文化芸術祭実行委員会、東京都歴史文化財団が主催する国際美術展です。アーティスティック・ディレクターは、美術評論家・詩人の建畠晢たてはた あきらと、キュレーターの三木あき子が務めます。

項目内容
会期2026年10月10日(土)~12月20日(日)
休場月曜休。10月12日、11月23日は開場し、翌火曜休
開場時間10:00~17:00
エリア台場、青海、天王洲
会場台場公園・お台場海浜公園、テレコムセンタービル、青海南ふ頭公園、同公園地下駐車場、アイルしながわ、WHAT MUSEUM
料金観覧無料。一部有料プログラム・展覧会あり

「ATLAS」は、世界を支える神話上の存在アトラスと、地図帳という二つの意味を重ねた名称です。公式のビジュアル・アイデンティティも、土地の変化と人の活動を資料やデータから調べ、それを場所ごとに変化するデザインへ置き換えています。

台場|幕末の砲台跡で現代美術を見る

台場公園の第三台場は、1853年のペリー来航後、江戸湾防衛のために築かれた砲台ほうだいの一つです。海上の軍事施設として造られた人工島が公園として残り、2026年には国際美術展の会場になります。

台場公園・お台場海浜公園では、草間彌生《Narcissus Garden》、趙要ジャオ・ヤオ《Something in the Air》、石毛健太のサウンド・インスタレーションなど、周囲の環境を生かす作品が予定されています。海、風、草地、史跡、都市景観が作品と同時に視界へ入る場所です。

お台場の水辺を実際に歩いた様子は、「お台場ランタンナイトと海辺の夜さんぽ」開催レポートでも紹介しています。

青海|港の物流空間と地下197.5メートルの展示会場

青海あおみエリアは、テレコムセンタービル、青海南ふ頭公園、その地下駐車場へ展開します。青海南ふ頭公園はコンテナターミナルに隣接し、東京国際クルーズターミナルや大井ふ頭方面まで、現在の東京港の物流と国際交通を望める場所です。

青海のテレコムセンタービル
青海のテレコムセンタービル。撮影:Ronny Siegel/Wikimedia Commons/CC BY 4.0

テレコムセンタービルのアトリウムには、草間彌生のバルーン作品《やよいちゃん》と《A Bouquet of Love I Saw in the Universe》が組み合わされます。後者は日本初公開で、この二作品を同時に見せるのも初めてです。

地上の青海南ふ頭公園では、アブラハム・ポワンシュヴァルが巨大な瓶の中で生活する《La Bouteille》、東京藝術大学の小沢剛研究室を中心とする「Goat’s Eyes」などが予定されています。地下には全長約197.5メートルの駐車場が延び、通常は一般利用されていない空間が特別会場として開かれます。参加アーティストは、潘逸舟はん いしゅ(HAN Ishu)、Ipeh Nur、Katie Paterson、Muhannad Shono、Kawita Vatanajyankurです。

天王洲|倉庫街から文化拠点へ変わった水辺

天王洲てんのうずは、物流や倉庫の機能を担ってきた湾岸部が、オフィス、文化施設、水辺の公開空間を備える街へ変わってきたエリアです。TOKYO ATLAS公式も、台場を江戸時代の砲台、青海を海運・物流の拠点、天王洲を倉庫街から文化拠点へ変化した場所として対比しています。

天王洲アイル第1水辺広場の水辺空間
天王洲アイル第1水辺広場。撮影:Yurara2019/Wikimedia Commons/CC BY-SA 4.0

アイルしながわは、旧東品川清掃作業所を暫定活用し、2022年に文化・スポーツ活動の拠点として利用が始まった施設です。TOKYO ATLASでは笹岡由梨子の映像インスタレーション、森啓太のインスタレーションなどが計画されています。

WHAT MUSEUMの関連企画「座標」

WHAT MUSEUMでは、TOKYO ATLASの関連企画「座標」が10月10日から12月20日まで開催されます。東京都や東京都歴史文化財団の支援を受けてきた若手アーティスト、キュレーター、アートマネジメント人材の現在地を紹介する企画です。1階では海外派遣プログラム経験者による企画、2階ではTOKASなどのプログラム参加作家による展示が展開され、エントランスでは公開制作、会期中にはパフォーマンスやトークも予定されています。

「座標」は入場無料です。通常は10時から17時までで最終入場は16時30分、10月10日・11日は20時まで開館し、最終入場は19時30分です。WHAT MUSEUMの「ARCHI-DEPOT」へ入る場合は別途チケットが必要です。

二人のアーティスティック・ディレクターが異なる場所を編む

展示は建畠晢たてはた あきらと三木あき子の二人のディレクターが分担します。建畠は台場公園・お台場海浜公園、テレコムセンタービル、アイルしながわを担当し、三木は青海南ふ頭公園と地下駐車場を担当します。

幕末の史跡では地形と海、巨大アトリウムでは建築と作品のスケール、港では物流インフラ、地下では閉鎖空間そのものが展示条件になります。

TOKYO ATLASとARTE TOKYOの違い

TOKYO ATLASはARTE TOKYO全体の一部です。ARTE TOKYOは2026年10月10日から12月31日まで、臨海、日比谷・丸の内、代々木・渋谷を核に、美術、舞台、音楽、映画、都市体験などを都内各地へ広げます。TOKYO ATLASはそのうち臨海エリアを代表し、現代美術を中心に台場・青海・天王洲をつなぐ国際美術展です。

ARTE TOKYO全体の構造や、日比谷公園・KK線・代々木公園・浜離宮まで含めた見どころは、ARTE TOKYO 2026の総合解説で整理しています。

アクセス|台場・青海・天王洲で最寄り駅が異なる

会場主なアクセス
台場公園ゆりかもめ「お台場海浜公園」駅から徒歩約15分/りんかい線「東京テレポート」駅から徒歩約18分
お台場海浜公園ゆりかもめ「お台場海浜公園」駅・「台場」駅から徒歩約3分/りんかい線「東京テレポート」駅から徒歩約10分
テレコムセンタービルゆりかもめ「テレコムセンター」駅直結
青海南ふ頭公園・地下駐車場ゆりかもめ「テレコムセンター」駅から徒歩約4分
アイルしながわ東京モノレール「天王洲アイル」駅南口から徒歩約1分/りんかい線「天王洲アイル」駅B出口から徒歩約3分
WHAT MUSEUM東京モノレール「天王洲アイル」駅から徒歩約5分/りんかい線「天王洲アイル」駅B出口から徒歩約4分

台場・青海・天王洲はそれぞれ最寄り駅が異なります。複数エリアを同日に巡る場合は、展示を見る時間に加えて移動時間も見込むと回りやすくなります。

料金・休場日・回り方で押さえたい基本情報

基本の観覧料は無料で、一部のプログラムや展覧会に料金が設定されます。開場は10時から17時。月曜休で、祝日にあたる10月12日と11月23日は開場し、その翌火曜が休場です。

会場は台場・青海・天王洲の三つのエリアに分かれています。作品や関連プログラムの開催日時は個別に異なる場合があるため、訪問日の公式スケジュールとアクセス情報を確認すると動きやすくなります。

東京湾岸の歴史が「地図帳」になる

台場は幕末の海防施設、青海は港湾と物流、天王洲は倉庫と水運の街から文化拠点へ変化してきました。TOKYO ATLASは、異なる土地の時間を作品の条件として使います。

第三台場の土塁、青海のコンテナや地下空間、天王洲の倉庫と運河。作品を結ぶ移動の途中にも東京湾岸の歴史が残っています。「ATLAS=地図帳」という名称は、会場を巡る体験そのものに重なります。

参考文献・公式資料

  1. 国際美術展 TOKYO ATLAS 公式サイト
  2. TOKYO ATLAS 公式「展示・会場・アーティスト」
  3. TOKYO ATLAS 公式「開催概要・企画体制」
  4. TOKYO ATLAS 公式「アクセス」
  5. TOKYO ATLAS 関連企画「座標」
  6. ARTE TOKYO 公式「ABOUT」
  7. 東京都「国際美術展の名称『TOKYO ATLAS』」