東京・芝公園の増上寺では、毎月24日の夕方に「別時念仏(べつじねんぶつ)」が行われています。浄土宗の教えに基づき、特別に定めた時間に念仏を称える行事で、増上寺は一般の人も参加できる念仏会として案内しています。
増上寺の別時念仏会:開催日時と参加案内
| 項目 | 増上寺の公式案内 |
|---|---|
| 行事名 | 別時念仏(別時念仏会) |
| 開催日 | 毎月24日 |
| 時間 | 18:30~19:30 |
| 会場 | 大殿本堂(月間行事予定に記載) |
| 参加対象 | どなたでも参加できます |
| 申込・参加費・受付開始時刻 | 行事の公式案内に明記がないため、必要に応じて寺院に確認してください |
増上寺の別時念仏の公式案内には「毎月24日」「18:30~19:30」「どなたでも参加できる」と記されています。会場は月間行事予定で「大殿本堂」と案内されています。日程や会場は変更される場合があるため、参加する月の予定を確認してください。
通常の本堂参拝時間は6:00~17:30ですが、別時念仏会は18:30開始です。通常参拝と夜間の行事では利用できる時間帯が異なります。早めに境内へ着き、事前参拝も希望する場合は、17:30までの通常参拝時間を目安にしてください。
「別時念仏」とは何か
日常とは別に時間を定めて念仏を称える
別時念仏とは、場所や期間を定め、その間は専ら称名念仏に励む修行です。「別時」は、普段の生活の中で念仏を続けることに加え、特別な時間を設けて念仏に向き合うことを意味します。浄土宗の『新纂浄土宗大辞典』では「別時」「別時会」とも呼ぶことが説明されています。
浄土宗では、日常的に念仏を称える「尋常行儀」、特定の日時を定めて行う「別時行儀」、臨終の際の「臨終行儀」という三種の行儀が説かれます。増上寺の「今月のことば」(2023年1月)も、日々の念仏と別時の念仏の関係を紹介しています。
「南無阿弥陀仏」を声に出して称える
別時念仏の中心となる称名念仏(しょうみょうねんぶつ)は、阿弥陀仏の名を声に出して称える行いです。浄土宗で称える「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」の「南無」には、仏を信頼し、その導きに身を任せる「帰依」の意味があります。
浄土宗の教えでは、阿弥陀仏の本願を信じ、念仏を称えて極楽浄土への往生を願います。法然(1133~1212)は、身分や学問の有無にかかわらず実践できる称名念仏を説き、1175年に浄土宗を開きました。念仏は現在も、浄土宗の信仰と日常生活を支える実践として受け継がれています。

法然が別時念仏を勧めた理由
法然は『七箇条の起請文』の中で、日々同じ行を続けるうちに心が慣れ、念仏への気持ちが薄れやすくなることに触れ、ときどき別時の念仏を修めて心身を整えるよう勧めました。特別な時間を設けることで、普段の念仏生活へ立ち返るという考え方です。
歴史上の別時念仏は、現代の1時間の念仏会より長い場合もありました。浄土宗公式サイトの『選択集』解説によれば、法然は1198年の年初にも、恒例となっていた50日間の別時念仏に入りました。その期間に九条兼実から教えを文章にまとめてほしいとの依頼を受け、のちに『選択本願念仏集』が著されました。別時念仏は法然自身の宗教生活にも組み込まれていたのです。
浄土宗の大本山・増上寺の歴史
増上寺の正式名称は三縁山広度院増上寺(さんえんざんこうどいんぞうじょうじ)で、浄土宗の大本山です。1393年、酉誉聖聰(ゆうよしょうそう)によって、現在の千代田区平河町付近に創建されました。1590年には徳川家康と増上寺第12世・源誉存応が師檀関係を結び、徳川家の菩提寺となります。1598年に芝の現在地へ移転しました。
江戸時代の増上寺は、浄土宗の僧侶が学ぶ関東十八檀林の筆頭として栄えました。寺の歴史資料には、当時の境内に多くの学寮があり、多数の僧侶が学び、念仏を称えていたことが記されています。
現在の大殿は戦災で失われた本堂に代わり、1974年に再建されました。2階の本堂には阿弥陀如来像が安置され、その両脇には中国浄土教の祖師・善導大師と法然上人の像が祀られています。念仏会の会場である大殿本堂は、浄土宗の信仰を現在へ伝える空間でもあります。
初めて参加するときに知っておきたいこと
予約・参加費・受付方法は事前確認が確実
日程変更の有無は当月の行事予定で確認できます。初めて訪れる場合は、入堂時刻と受付場所を寺院に尋ねてください。
増上寺の代表電話は03-3432-1431、電話受付は9:00~17:00です。公式案内には、10人程度のグループを対象とする人数制限や予約基準の記載はありません。団体で訪れる旨を伝え、入堂方法や席の案内について相談しておくと当日の進行がスムーズです。
念仏会の具体的な進行は当日の案内に従う
増上寺の公式行事案内は開催日時と参加対象を中心に記載しており、毎月の念仏会で唱える回数、読経の順序、木魚などの法具の使用、着席方法といった詳しい式次第は公表していません。入堂後は僧侶や係の人の案内に従ってください。撮影、録音、途中入退堂についても、希望する場合はその場で許可を確認してください。
通常参拝については、増上寺のよくある質問が、御本尊の前で合掌して一礼し、「南無阿弥陀仏」を十遍称え、再び一礼する作法を紹介しています。これは日常の本堂参拝の案内です。別時念仏会では、行事ごとの進行が優先されます。
大人数で集まる行事なのか
毎月24日の別時念仏会について、通常の参加人数や定員は公式案内に記載されていません。参加規模の目安を知りたい場合は、寺院に問い合わせてください。
日曜大殿説教や璽書伝授道場との違い
毎週日曜日9:00から約1時間行われる「日曜大殿説教」は、僧侶による説教を聞く行事です。これに対し、別時念仏会は「南無阿弥陀仏」と声に出して称える称名念仏を中心に行います。説教を聞く時間と、念仏を自ら称える実践では、参加のあり方が異なります。毎月14日の「写経会」(7・8月を除く)は経典を書き写す行事で、受付や冥加料について別途案内されています。
また、増上寺の月間予定に「璽書伝授道場(じしょでんじゅどうじょう)」が掲載されることがあります。こちらは一定の資格を備えた浄土宗の僧侶が、宗派に伝わる教えを授かるために入る道場です。一般参加可能な別時念仏会とは対象者も目的も異なります。
増上寺へのアクセスと参拝の準備

増上寺の所在地は東京都港区芝公園4-7-35です。都営三田線の御成門駅・芝公園駅から徒歩約3分、都営浅草線・大江戸線の大門駅から徒歩約5分、JR・東京モノレールの浜松町駅から徒歩約10分です。一般車両用の駐車場はないため、公共交通機関の利用が案内されています。
本堂にはエレベーターがあり、車いすの貸し出しについても公式FAQに案内があります。移動に不安がある場合は、夜間の行事での利用方法を事前に確認してください。
公式のアクセス案内で駅からの経路を確認できます。念仏会の前に歴史散歩を組み合わせる場合は、日中の通常参拝時間と、念仏会の開始時刻の間に余裕を設けるとよいでしょう。
よくある質問
仏教に詳しくなくても参加できますか?
増上寺は「どなたでも参加できるお念仏会」と案内しています。初めて参加する人は「南無阿弥陀仏」が浄土宗の中心的な称名念仏であることを知っておき、当日の案内に従って参加できます。
毎月必ず同じ時間と会場で行われますか?
定例の案内は毎月24日18:30~19:30です。寺院は行事の変更や中止について月間予定などで告知すると案内しているため、参加予定月の公式発表を確認してください。
参考資料・公式確認先
- 増上寺「別時念仏」(開催日時・参加対象)
- 増上寺「年間の行事」/「今月の行事」(定例行事・会場・変更告知)
- 『新纂浄土宗大辞典』「別時念仏」(定義・法然の教え・歴史的な実践)
- 増上寺「今月のことば」2023年1月(尋常行儀・別時行儀・臨終行儀)
- 浄土宗「はじめての浄土宗」(「南無阿弥陀仏」の意味)
- 浄土宗「心ゆくまで味わう 法然さまの『選択集』第1回」(法然の別時念仏と『選択集』)
- 増上寺「歴史」/「境内散歩」(寺史・大殿)
- 総本山知恩院「璽書伝授道場」(僧侶向けの伝授行事)
- 増上寺「よくあるご質問」/「アクセス」(参拝方法・参拝時間・交通・問い合わせ)
- アイキャッチ写真:増上寺大殿と東京タワー(2018年)。撮影:Ymblanter/Wikimedia Commons、CC BY-SA 4.0(改変なし)。
