「宇宙・天文光学EXPO」は、光学・フォトニクス分野の大型専門展示会OPIEを構成する展示会の一つです。2027年は4月21日(水)〜23日(金)にパシフィコ横浜で開催され、入場は無料・事前登録制です。望遠鏡、補償光学、赤外線・可視光センサー、分光、レーザー、精密位置決めなど、宇宙開発と天文学を支える光学技術をまとめて見られます。
OPIE’27・宇宙・天文光学EXPOの開催概要
- 会期:2027年4月21日(水)〜23日(金)
- 会場:パシフィコ横浜 展示ホールA〜C、アネックスホール
- 所在地:神奈川県横浜市西区みなとみらい1-1-1
- 入場料:無料
- 入場方法:事前登録制
- 統括主催:一般社団法人OPI協議会
- 宇宙・天文光学EXPO主催:NPO法人日本フォトニクス協議会
- 同時開催:OPIC 2027(4月19〜23日)
OPIEは研究者・技術者・企業関係者を主な来場対象とする専門展示会です。一般来場を禁止する展示会ではなく、事前登録を行えば無料で入場できます。ただし、展示内容は技術者向けで、製品仕様や研究開発の説明には専門用語も多く使われます。
OPIEの歴史|1994年のレーザーEXPOから発展
OPIEの起点は1994年の「レーザーEXPO」です。光・レーザー関連分野の専門展示会として回を重ね、レンズ設計、位置決め、画像センサー、光通信、宇宙・天文など複数分野の展示会を束ねる構成へ拡大しました。
2017年のOPIEではすでに「宇宙・天文光学EXPO」が7つの専門展示会の一つとして開催されていました。同年のOPIE全体は351社・団体、472小間、来場登録者15,214人。JAXAと国立天文台による宇宙・天文光学の無料講演も組まれています。
2018年には国立天文台がTMT(Thirty Meter Telescope)と太陽観測衛星「ひので」を展示し、30m級望遠鏡の分割鏡、アルマ望遠鏡、太陽観測などに関わる技術を紹介しました。国立天文台TMTプロジェクトは2013年からOPIEへ出展しており、研究機関と光学メーカーの接点として使われてきました。
宇宙・天文光学EXPOでは何を見る?
宇宙望遠鏡や地上望遠鏡は、一枚の大きな鏡だけでできているわけではありません。光を集める鏡・レンズ、像の乱れを測る波面センサー、光を波長ごとに分ける分光器、赤外線・可視光の検出器、装置の角度や位置を制御するアクチュエータ、冷却装置などを組み合わせて観測します。
宇宙・天文光学EXPOの出展対象には、曲率センサー、シャックハルトマンセンサー、アクチュエータ、赤外線画像検出器、CCD検出器、望遠鏡、カメラ、天体自動導入装置、オートガイダー、エンコーダ、冷却CCDカメラなどが含まれます。完成品の望遠鏡だけでなく、観測装置を構成する部品単位で比較できる展示会です。
補償光学とは|大気の揺らぎをリアルタイムで補正
地上望遠鏡では、星から届いた光が地球大気を通過する際に揺らぎ、像がぼやけます。補償光学(Adaptive Optics)は、波面の乱れをセンサーで測定し、変形鏡などを高速制御して像を補正する技術です。
この技術は天文学だけに閉じていません。国立天文台先端技術センターは、補償光学を顕微鏡や地上―人工衛星間の光通信などへ応用する研究も進めています。宇宙・天文光学EXPOでは、天文学向けに開発された技術が別産業へ移る過程も見ることができます。
過去2回のOPIEを詳細比較
OPIE’26|16,152人、528社・団体、684小間
OPIE’26は2026年4月22〜24日に開催され、3日間の来場者は16,152人でした。出展は528社・団体、684小間で、前年の490社・652小間から拡大しました。2026年からは「量子イノベーションフェア」が新設され、OPIE全体の構成展示会は8分野になっています。
宇宙・天文光学EXPOの国立天文台ブースでは、TMTプロジェクト、先端技術センター、産業連携室、スペースイノベーションセンター、アストロバイオロジーセンターが展示しました。TMTでは分割鏡加工の試作品を展示し、30m級望遠鏡の構造と科学目標を説明しています。
2026年の特別セミナーでは「国立天文台を活用する研究者が語る天文コース」が開かれ、TMTで計画される太陽系外惑星観測装置などが紹介されました。展示ブースと講演を組み合わせ、部品・装置の製品展示と実際の観測研究を接続する構成です。
OPIE’25|15,658人、490社・団体、652小間
OPIE’25は2025年4月23〜25日に開催され、来場者15,658人、出展490社・団体、652小間でした。宇宙・天文光学EXPOはNPO法人日本フォトニクス協議会が主催し、JAXAと国立天文台が後援しています。
国立天文台ブースでは、TMT、先端技術センター、産業連携室が出展しました。TMTは計画概要と最新の開発状況を展示。先端技術センターは「見えない星を見る技術を社会へ」をテーマに、補償光学で像の揺らぎを補正する実動デモと、赤外線位置天文衛星JASMINEに搭載予定の近赤外線画像センサーを展示しました。
2025年4月25日の無料セミナー「国立天文台を活用する研究者が語る天文コース」では、①国立天文台の技術開発と産業連携、②補償光学の社会実装、③すばる望遠鏡・JWST・TMTによる星と惑星形成研究、の3講演が行われました。
2025→2026で何が変わった?
OPIE全体では来場者が494人増え、出展社・団体は38増、小間数は32増えました。2026年には量子イノベーションフェアが加わり、宇宙・天文光学と量子センサー、通信、精密計測など隣接分野を同じ会場で見られる範囲が広がっています。
国立天文台ブースも、2025年のTMT・先端技術センター・産業連携室から、2026年はスペースイノベーションセンターとアストロバイオロジーセンターまで参加分野が増えました。望遠鏡・検出器だけでなく、宇宙利用や生命探査に関わる研究まで展示範囲が広がっています。
2027年はOPICと同時開催
OPIE’27は2027年4月21〜23日、隣接会場の国際会議OPIC 2027は4月19〜23日に開催されます。OPICは研究者による学術発表、OPIEは企業・研究機関による製品・技術展示を担い、同じ期間・会場で研究と産業をつなぐ構成です。
2027年も「宇宙・天文光学EXPO」「量子イノベーションフェア」を含む8展示会が予定されています。宇宙・天文光学EXPOの個別出展社・講演プログラムは、開催時期が近づいてから公開される項目があります。
展示で確認できる技術分野
完成した人工衛星やロケットの大型展示を中心にする宇宙イベントとは性格が異なります。見る対象は、鏡材、検出器、分光器、位置決め装置、レーザー、コーティング、冷却、画像処理などの技術です。
各社・研究機関の展示では、分割鏡、赤外線検出器、補償光学、宇宙用光学部品などについて、製品仕様、試作品、実装例、観測・通信への応用を確認できます。
