徳丸四ツ竹踊りの歴史|四枚の竹を鳴らす盆踊りと北野神社の5月5日

板橋区徳丸には、手に持った竹片を打ち鳴らして歌に合わせて踊る「徳丸四ツ竹踊り」が伝わっています。農作業の合間に踊られてきた盆踊りの一種で、現在は徳丸四ツ竹踊り保存会が継承する板橋区指定無形民俗文化財です。毎年5月5日には、徳丸北野神社の獅子舞とあわせて奉納されます。

四枚の竹で拍子を作る踊り

踊り手は竹の板を片手に二枚ずつ、両手で計四枚持ちます。握った手を開いたり閉じたりして竹を打ち鳴らし、歌の調子に合わせて踊ります。膝と腰を少し曲げた姿勢で、手に持った竹の音と身体の動きをそろえるのが特徴です。

2024年に徳丸四ツ竹踊り保存会の木村和子会長が寄せた紹介文では、紅白の房を付けた竹板を用いること、歌い方と動きを合わせて稽古していることが記されています。竹の音は踊り手自身が鳴らすため、演奏と踊りが一つの動作に結び付いています。

伊勢音頭・ヤッサカ踊り・相撲甚句

保存会の紹介には「伊勢音頭」「ヤッサカ踊り」「相撲甚句」などの曲が挙げられています。伊勢音頭にはお伊勢参りの道中を歌う内容があり、ヤッサカ踊りには村の人々の暮らしや結婚をめぐる情景が登場します。相撲甚句は相撲に関わる歌の形式です。

曲によって言葉の内容や節回しが変わるため、踊り手は竹の打ち方だけでなく歌を覚える必要があります。四ツ竹踊りには、身体の動きとともに、地域で親しまれた民謡や言葉も受け継がれています。

徳丸北野神社の5月5日の奉納

徳丸北野神社は、江戸時代の徳丸本村と脇村の鎮守です。現在、5月5日の祭礼では三匹獅子舞と四ツ竹踊りが奉納されます。獅子舞は大獅子・中獅子・女獅子が舞う芸能で、四ツ竹踊りは竹を鳴らして歌とともに踊る芸能です。形式は異なりますが、同じ神社の祭礼で地域の人々が担ってきました。

北野神社には、2月11日の田遊びも伝わっています。田遊びは稲作の作業を演じて五穀豊穣を祈る神事で、四ツ竹踊りは農村の盆踊りに由来します。徳丸ではそれぞれの行事が異なる時期に続いています。徳丸北野神社獅子舞の歴史と徳丸北野神社の田遊びでは、神社に伝わる別の芸能を紹介しています。

保存会の稽古と郷土芸能伝承館

徳丸四ツ竹踊り保存会は、区の郷土芸能団体連合会に加盟し、祭礼での奉納や郷土芸能の公演に参加しています。2024年の保存会の寄稿によれば、板橋区立郷土芸能伝承館で月一回の練習を行っていました。踊り手は歌い方を学び、竹の音と所作を合わせて伝承を続けています。

郷土芸能伝承館は板橋区徳丸6丁目29番13号にあり、田遊び、獅子舞、四ツ竹踊り、里神楽などの地域芸能の保存活動を支えています。徳丸四ツ竹踊りと大門四ツ竹踊りは、それぞれ別の保存会が伝える区指定無形民俗文化財です。

奉納場所と関連する文化財

奉納場所の徳丸北野神社は板橋区徳丸6丁目34番3号にあります。祭礼の開始時刻や公開の方法は年によって異なるため、訪問前に主催者の案内を確認してください。徳丸の古民家や地域の学校などは、徳丸・高島平周辺の歴史と文化財で紹介しています。

参考資料