2023年12月3日(日)18:30から、16名で「池田山公園の夜間限定公開とライトアップ」を楽しむ歴史散歩を開催しました。目黒駅近くに集合し、東五反田の住宅街と裏路地を歩きながら品川区立池田山公園へ。参加者にとっては初めて訪れる場所で、岡山藩池田家ゆかりの土地の歴史をたどりつつ、夜間だけ見られる紅葉のライトアップを楽しみました。

今回のコース概要
目黒駅近くで集合し、池田山方面の住宅街を通って池田山公園へ向かいました。品川区の案内では池田山公園はJR五反田駅・JR目黒駅からそれぞれ徒歩約15分。今回は駅前の大通りだけでなく、坂や細い道が続く住宅地の裏路地も歩き、池田山という高台の地形を感じながら進みました。

目黒・五反田周辺の地形や街の成り立ちに興味がある方は、目黒川の歴史を歩く|目黒・五反田・大崎から品川・天王洲までや、高輪ゲートウェイ〜品川・五反田の歴史散歩もあわせて読むと、低地の目黒川と高台の邸宅地の違いが分かりやすくなります。
品川区立池田山公園
品川区立池田山公園は、東五反田5丁目にある鑑賞型の公園です。品川区は、ここを旧岡山池田藩下屋敷跡を整備した公園と説明しており、高低差を生かした池を中心とする回遊式の庭園になっています。高台側には休憩できる空間があり、低地側では池や樹木を眺めながら園路を巡れます。現在の公園面積は約0.7ヘクタールで、1984年(昭和59年)に区立公園として整備されました。
この日の目的は、通常の開園時間後に行われた2023年のライトアップイベント「紅葉の燈明」です。品川区によると、2023年は11月25日から12月3日まで、17:30〜20:30に実施されました。木の大きさや葉の色に応じて照明の角度や色温度を変え、池の周囲では樹木がゆっくり闇に浮かぶような演出が行われ、園路にはLEDキャンドルライトも配置されました。


実際に園内へ入ると、赤や橙に色づいたモミジが暗い空を背景に浮かび上がり、昼間の庭園とは違う見え方になります。池田山公園はもともと高低差のある庭園のため、少し位置を変えるだけで樹木を見上げる景色と、池を見下ろす景色が切り替わるのも見どころです。


園内の案内板には、秋から初冬に見られるミヤギノハギ、クリ、カリン、クチナシ、ザクロ、カキ、キンモクセイ、イイギリ、コブシ、サクラ、ドウダンツツジ、ハゼノキ、ヤマザクラ、ヤマブキ、モミジ類、カツラ、ケヤキ、ツワブキなどが紹介されていました。紅葉だけでなく、季節ごとに樹木の違いを見比べられる公園であることも分かります。

岡山藩主池田氏
「池田山」という呼び名は、この高台に岡山藩池田家の下屋敷があったことに由来します。品川区の地名資料でも、池田山は「岡山藩池田家の下屋敷があったため」と説明されています。江戸の大名は、本拠地の城下とは別に江戸にも屋敷を持ち、上屋敷・中屋敷・下屋敷などを用途に応じて使い分けていました。池田山公園の場所は、その下屋敷の一部にあたります。
岡山城の公式資料によると、池田家が岡山城主となったのは江戸時代初期です。1603年に池田忠継が岡山城主となり、1632年には池田光政が岡山へ入り、その後は光政の子孫が岡山城主を継ぎました。つまり、現在の品川区に残る「池田山」という地名は、江戸と岡山を結ぶ大名家の活動の痕跡でもあります。
この地域をさらに歩くなら、池田山公園から白金台方面へつなぐ池田山・白金台から白金へ歩く歴史散歩もおすすめです。大名屋敷跡と近代の邸宅地、庭園が近い範囲に重なる城南の高台の特徴をたどれます。
品川区東五反田
池田山公園があるのは品川区東五反田5丁目です。「五反田」という地名は江戸時代の史料にも見え、品川区の資料では1671年の上大崎の検地水帳に「五たんだ」、1697年の下大崎の水帳に「五反田耕地」と記されています。一方で、地名そのものの由来ははっきりしないとされています。
東五反田は、五反田駅周辺の市街地から東へ進むと、目黒川沿いの低地から次第に高台へ上がっていく地形です。品川区は、東五反田5丁目付近の池田山を、備前岡山藩主池田家の下屋敷に由来する住宅地として紹介しています。駅前の商業地と、坂の上の落ち着いた住宅地が近接していることが、この地域を歩く面白さの一つです。
夜の池田山公園で紅葉と歴史を楽しむ
今回の散歩では、参加者全員が初めて訪れる池田山公園で、歴史の解説とライトアップの両方を楽しみました。街灯のある住宅街から公園に入ると、照明に照らされた紅葉が大きく広がり、歩くにつれて景色が変化します。特に池の周辺では、水面に紅葉と照明が映り込み、庭園の奥行きが強く感じられました。


2023年のライトアップは開催最終日の12月3日までで、この日はまさに最終日の夜でした。通常の池田山公園は日中に楽しめる庭園ですが、期間限定の夜間公開では、池・斜面・樹木という庭園の構成が光によって際立ちます。歴史的背景を知ってから歩くと、紅葉を見るだけでなく「なぜこの場所に庭園が残っているのか」という視点も加わります。
池田山・五反田周辺を自分で歩くならTimeWalk
今回のような街歩きを自分でも楽しみたい方は、TimeWalkで現在地から歩ける史跡を地図で探すこともできます。TimeWalkは、現在地や指定地点の近くにある歴史スポットを地図で探し、自分で歴史散歩を楽しめるWebアプリです。池田山・五反田・白金台周辺の予習や、別の史跡を組み合わせた散歩にも使えます。
まとめ
目黒駅近くから東五反田の裏路地を抜け、岡山藩池田家の下屋敷跡に整備された池田山公園へ。今回は16名で、池田山の土地の歴史を学びながら、期間限定の紅葉ライトアップを楽しみました。庭園の高低差、池に映る光、赤く照らされたモミジは、夜間公開ならではの景色です。昼の庭園散策とは違う表情を楽しみつつ、地名と大名屋敷の歴史まで一緒に知ることができる散歩になりました。

