KIST Festival 2026に11人で参加|清澄白河のインターナショナルスクール文化祭と清洲寮・干鰯場跡

K. International School Tokyo校名看板とKIST Festivalの装飾
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2026年10月24日(土)12時30分、ゆる歴史散歩会の11人で、東京都江東区白河のK. International School Tokyo(KIST)を訪ねました。目的は、普段は自由に入る機会の少ないインターナショナルスクールの文化祭「KIST Festival 2026」です。雨天にもかかわらず校門には来場者が集まり、屋外の屋台から校内のゲーム教室、体育館のステージまで、大勢の人でにぎわっていました。会場ではさまざまな国や地域にルーツを持つ人々が行き交い、流ちょうな英語の会話があちこちから聞こえてきます。さらに学校の近くで、昭和初期の集合住宅「清洲寮」と、江戸の物流を伝える「干鰯場跡」にも出会いました。

K. International School/K. International School Tokyoとは

K. International School Tokyo(略称KIST)は、東京都江東区白河1丁目5番15号にある私立のインターナショナルスクールです。1997年、江東区東砂で英語教室「K. English College」として始まり、同年には幼児教育を開始。翌1998年に小学校段階を設け、現在の校名「K. International School Tokyo」を採用しました。2000年には東京都から学校法人として認可され、2007年9月に現在の白河キャンパスへ移りました。

学校公式の沿革によると、2002年に国際バカロレアの初等教育プログラム(PYP)、2004年にはディプロマ・プログラム(DP)の認定を受けています。近年は2024年の新本館開設など施設整備も進みました。現在は幼児期から高校最終学年までを対象とし、初等段階のPYP、学校独自の中等段階LSP、IGCSE、DPへ続く教育課程を用意しています。

学校が公表した2026年卒業生のIBディプロマ平均点は45点満点中42.7点で、同年の世界平均30.9点を上回りました。文化祭の企画名にある「日本一」はイベント参加の呼びかけとしての表現です。学力水準を考える際は、対象年度・試験・評価指標を区別して読むと実態を捉えやすくなります。学校の歴史的な背景に関心がある方には、当サイトの日本のインターナショナルスクールの歴史もおすすめです。

2026年KIST Festivalの雨の学校入口と文化祭の来場者の列
雨のなかでも多くの来場者が集まったKIST Festival 2026の入口。

入口には色鮮やかな「KIST Festival」の装飾が立ち、雨にぬれた通路の先に受付と誘導用の列が続いていました。

K. International School Tokyo校名看板とKIST Festivalの装飾
KISTの校名看板と文化祭の大型装飾。

雨のKIST Festival 2026――体験型の文化祭へ

学校公式の開催案内では、文化祭は10月24日10時から15時まで、入場無料の一般公開イベントとして告知されていました。一般来場者には事前登録などの入場条件が設定されており、文化祭当日は特別な一般公開の機会でした。今回は12時30分からの参加でしたが、雨のなかでも想像以上の混雑ぶりでした。

当日の楽しみ方は、じっくり展示を鑑賞する形式よりも、ゲーム、飲食、抽選、ステージなどの体験が中心。校内の随所に企画案内があり、屋台の食べ物やゲームに参加する際はチケットを使う仕組みでした。会場の掲示では、クーポン8枚セット2,000円、ラッフル(抽選)券1枚500円、8枚セット4,000円と案内されていました。入場無料と会場内でのチケット購入は別の扱いです。

KIST Festival 2026のクーポン券とラッフル抽選券の案内
会場のチケット案内。クーポン8枚2,000円、抽選券1枚500円などが掲示されていました。

屋外のグラウンドには青と黄色の大きなエアー滑り台が登場。体育施設が祭りの遊び場へと変わり、子どもたちのためのアトラクションが設けられていました。

KIST Festival校庭の大型エアー滑り台とゲームエリア
校庭に設けられた大きなエアー滑り台。雨天でも屋外の遊び場が用意されていました。

人気を集めていたのがラッフル抽選のコーナーです。賞品紹介の掲示にはスマートフォンやタブレットなどの名前も並び、透明な応募箱の中にはたくさんの抽選券が入っていました。寄付者名を添えた賞品展示からは、学校行事を支える人々の参加も感じられました。

KIST Festival 2026ラッフル抽選の賞品展示と応募箱
ラッフル抽選の賞品が並ぶコーナー。大きな賞品の紹介もありました。

チケットを手に、世界の料理を探す

フード&ドリンクのブース案内には、クレープ、各学年のフード、麺料理、カフェ、すしなどが並び、食事エリアやごみ分別場所も示されていました。食べる場所を探しながら校内を移動するだけでも、文化祭ならではのにぎわいが伝わります。

KIST Festivalのフードブース配置図と飲食スペース
フード&ドリンクブースの会場案内。飲食エリアやごみ分別場所も表示されていました。

屋台には大きなターキーレッグやジャンボソーセージの掲示もあり、ターキーレッグは4チケット、ジャンボソーセージは2チケットと表示されていました。種類によって必要な枚数が違うため、どの料理を選ぶかも楽しみの一つです。

KIST Festivalフード屋台ターキーレッグとジャンボソーセージの券数表示
ターキーレッグやジャンボソーセージの屋台。料理ごとに必要なチケット枚数が示されていました。

室内では飲食の販売コーナーに来場者が集まり、テントを張った屋外にもテーブルと椅子が並んでいました。雨天でも食事を取れるよう、会場内のさまざまな場所が使われていました。

KIST Festival多国籍な来場者が集うフード販売コーナー
食べ物と飲み物を販売するコーナー。人々の交流が続いていました。
KIST Festival校庭のテント付き飲食スペースと家族連れ
屋外の飲食スペースには雨よけのテントが並びました。

教室そのものがゲーム会場に

校舎内の教室や廊下には、手描きのポスターや風船を使った装飾がいっぱい。映画をテーマにしたゲーム、スポンジを投げる遊び、縁日風のゲームなど、各部屋に異なる企画が用意されていました。親子連れや仮装姿の来場者も多く、校内を歩くたびに別の催しに出会います。

KIST Festival教室内のトイストーリーや縁日ゲームのポスター
教室前の掲示には、ゲームや水を使った遊びの案内が並びました。

カップを並べた手作りゲームや、人気のアニメーション作品をモチーフにした装飾からは、準備した人たちの工夫が伝わりました。

プロジェクターを使ったゲームでは、大きな画面を見ながら参加できます。通常は授業が行われる教室も、この日は遊びの舞台に変わっていました。

ゲーム主体の行事でしたが、教室周辺には植林、二酸化炭素回収、炭素取引、海洋雲の明るさなど、気候変動対策をテーマにした学習ポスターも掲示されていました。学校の教育活動を垣間見られる一角です。

体育館にはステージが設けられ、観客席には多くの来場者が集まっていました。学校公式の案内には生徒や教職員のステージ出演、コスチュームコンテストも予告されています。

校内では名前と手形を組み合わせた壁面作品も目を引きました。ここで生活し学ぶ子どもたちの存在を身近に感じる場面です。

映像を投影したレースゲーム、的をねらう遊び、韓国の伝統的な遊び「チェギチャギ」の紹介など、ゲームの題材にも多様な文化が表れていました。チェギチャギは羽根の付いた道具を足で蹴り、落とさず続ける遊びで、会場の掲示には遊び方と得点による景品の説明がありました。

聞こえてくる英語のほか、日本語を交えた案内や各国に由来する料理・遊びもありました。授業参観とは異なる、学校コミュニティーの交流の場として文化祭を楽しめた時間でした。

国際バカロレア(IB)――KISTの教育を知る

国際バカロレア(IB、International Baccalaureate)は、国際バカロレア機構が開発・認定する教育プログラムです。IB校は国際的な枠組みに沿って教育を行い、年齢段階に応じて複数のプログラムが設けられています。KISTが現在提供しているIBプログラムはPYPとDPで、間の学年にはLSPとIGCSEを採用しています。

PYPは幼児期・初等段階で、問いを立てて調べ、教科をつなぎながら理解を深める学びを重視します。高校最終段階のDPは原則16~19歳を対象とし、言語、個人と社会、理科、数学、芸術など六つの教科群を基礎に学びます。中心となるのは「知の理論」(TOK)、自ら課題を選ぶ課題論文(EE)、創造性・活動・奉仕(CAS)の三要素です。

DPの得点は六科目の評価と追加点を合計して45点満点となります。KISTの高い平均点が注目される理由を知るには、単一のテストの順位という理解から離れ、教科の学習、独立した研究、知識の捉え方、社会への参加までを含む教育の全体像を見ることが役立ちます。文化祭で見た多様な企画も、学校の学びを考える一つの手がかりになりました。

清洲寮――1933年竣工のレトロモダンな集合住宅

文化祭の前後に目を引いたのが、白河1丁目の清洲寮きよすりょうです。1933年(昭和8年)に建てられた民間の賃貸集合住宅で、清洲橋通りに面して建っています。建築リノベーションアーカイブによると、設計・施工は大林組、全66室。約90年を経た2023年の取材時にも住まい、アトリエ、事務所などとして活用されていました。

長く横に伸びる淡い色の外壁、均等に並ぶ窓とバルコニー、建物中央を強調する立面構成が特徴です。装飾を抑えた直線的な外観からは、昭和初期に広まった都市型集合住宅の姿を読み取れます。鉄筋コンクリート造の共同住宅は、近代都市における住宅需要の変化を物語る建築の一つです。

清洲寮は、住まいとして使われ続けてきた民間の建物です。建築を見学するときは外観を公道から眺め、居住者や店舗の利用を妨げず、敷地内や共用部には許可なく立ち入らないようにしたいところです。建物の位置は東京都江東区白河1丁目3番付近。清澄白河駅から近い場所にあります。

干鰯場跡――江戸の農業を支えた魚肥の荷揚げ場

もう一つ、学校の入口近くで見つけたのが干鰯場跡ほしかばあとです。「干鰯ほしか」とは、鰯いわしなどの魚を乾燥させて作る肥料のこと。江戸時代、農作物を育てるための肥料として取引され、とくに海で獲れた魚を農村へ届ける物流が発達しました。

江東区が史跡として登録する正式名称は「干鰯場(銚子場)跡」で、所在地は白河1丁目7番付近です。銚子方面から運ばれた干鰯を、この地域で荷揚げ・集散したことから「銚子場」とも呼ばれます。学校のそばに残る記念碑は、現在の道路と校舎の風景の中に、江戸の物流拠点があったことを伝えています。

当時、小名木川おなぎがわなどの水路は江戸の内外を結ぶ物資の輸送路でした。舟で集まった魚肥は問屋の取引を通じて農業地帯へ送られ、都市と農村を経済的に結びつけました。江東区の史跡一覧には、銚子場のほか、永代場、元場、江川場の跡も記録されています。白河1丁目の一本の標柱から、魚を獲る漁業者、肥料を扱う商人、作物を育てる農家のつながりまでたどれます。

江東区観光協会による清澄白河のまち歩き企画でも、清洲寮と干鰯場跡は同じコースに組み込まれていました。今回の文化祭で偶然見つけた二つの場所は、学校とは時代の異なる地域史を伝える立ち寄り先です。

清澄白河をさらに楽しむ関連記事

周辺の江戸史に興味を持った方には、当サイトの門前仲町・清澄白河の歴史散歩がおすすめです。富岡八幡宮から小名木川まで、深川の信仰と舟運をたどれます。江戸の古地図から地域を調べるなら、嘉永5年の「深川絵図」を読み解く解説も役立ちます。近隣にある江戸深川資料館の様子は、深川お化け三昧の開催レポートで紹介しています。

TimeWalkで白河周辺の歴史スポットを探す

今回はTimeWalkを使った散策は行っていません。近くの史跡を自分で探して歩きたいときには、現在地や指定地点の近くにある歴史スポットを地図で探し、自分で歴史散歩を楽しめるWebアプリTimeWalkをご利用ください。学校の通常時の立入条件や、住宅の私有地には十分ご配慮ください。

参考資料