2026年11月22日「王であるキリストの祭日」とは|歴史・聖書朗読・聖イグナチオ教会のミサ

2026年11月22日(日)は、カトリック教会の「王であるキリストの祭日」です。キリストを全世界の王として祝う日で、教会の典礼暦では一年の最後の日曜日にあたります。東京・四ツ谷の聖イグナチオ教会でも、この祭日の主日ミサが行われる日です。祭日の成り立ちと当日の聖書朗読を知ると、ミサで語られる「王」の意味が理解しやすくなります。

「王であるキリストの祭日」とは

カトリック教会の一年は、イエス・キリストの生涯と信仰上の出来事を記念する「典礼暦」に沿って進みます。クリスマスを迎える準備の期間を待降節と呼び、その直前の日曜日が「王であるキリストの祭日」です。2026年は11月22日が祭日、翌週の11月29日が待降節第1主日となります。

キリスト教では、イエスが神の国を告げ知らせ、人々を救うために死と復活を経験したと信じられています。王という称号は、キリストの権威と、終末に神の国が完成するという信仰を表します。聖書が描く王の姿には、正義、いつくしみ、人々への奉仕が結びついています。

祭日が制定された1925年の歴史

この祭日を制定したのは、ローマ教皇ピオ11世です。1925年12月11日、教皇は回勅『クアス・プリマス(Quas Primas)』を発表し、キリストの王権を祝う祭日をカトリック教会全体に定めました。

当時のヨーロッパは第一次世界大戦の終結から数年が過ぎても、国家間の対立や社会の混乱が続いていました。教皇は回勅で、国家や個人の生活から宗教の影響が薄れることを批判し、キリストの教えに基づく平和と秩序を求めました。祭日は、こうした戦間期の政治・社会情勢と、カトリック教会の宗教的な立場を背景に生まれました。

1925年は、325年に開かれた第1ニケア公会議から1600年にあたります。公会議ではキリストの神性をめぐる教義が論じられました。ピオ11世は回勅でも、この記念年とキリストの王権を結びつけています。

制定当初の祭日は10月最後の日曜日でした。1969年のローマ典礼暦の改定で、待降節の直前、典礼暦の最後の日曜日へ移されました。現在の位置には、キリストの再臨と神の国の完成を待ち望む意味も込められています。

王であり、羊飼いでもあるキリスト

聖書では、王は民を導く者として描かれる一方、羊飼いにもたとえられます。羊を探し、傷ついた羊を世話する羊飼いの姿は、弱い立場の人を守る統治のあり方を表しています。イエスも弟子たちに、偉くなろうとする者は人々に仕えるよう教えました。

祭日の聖書朗読に登場する「王」は、最後の審判を行う権威を持ちながら、飢えた人、病気の人、助けを必要とする人への行いを問います。地上の王権とキリスト教の王権を比較するうえで、注目したい違いです。

2026年11月22日のミサで読まれる聖書

カトリック教会の日曜日の聖書朗読は、原則としてA・B・Cの3年周期で組まれています。2026年11月22日はA年にあたり、次の箇所が朗読されます。

  • 第1朗読:エゼキエル書34章11~12、15~17節。神自身が羊の群れを探し、養い、正しく裁く姿が語られます。
  • 答唱詩編:詩編23。神を羊飼いにたとえ、導きと守りを歌います。
  • 第2朗読:コリントの信徒への手紙一15章20~26、28節。復活したキリストが死を克服し、神の国が完成するという信仰が語られます。
  • 福音朗読:マタイによる福音書25章31~46節。王が人々を羊と山羊に分ける「最後の審判」の場面です。

マタイ福音書25章|羊と山羊の最後の審判

福音書では、人の子が栄光の座に着き、集まった人々を羊飼いが羊と山羊を分けるように分けます。王が取り上げるのは、飢えた人に食べ物を与えたか、旅人を迎えたか、病人や囚われた人を訪ねたかという行いです。

王は、助けを必要とする人への行いを、自分自身に対してなされたこととして語ります。この福音書には、困っている人に向けた具体的な行動と、神の国の裁きが結びつけられています。2026年の祭日に読まれる中心的な箇所です。

初めてミサに参列するときの流れ

ミサは、カトリック教会の中心的な礼拝です。始まりの祈りと聖歌に続いて、聖書朗読、司祭による説教、共同の祈りが行われます。その後、イエスの最後の晩餐と死と復活を記念する感謝の典礼へ進み、結びの祝福で終わります。祭日の典礼色は白で、司祭の祭服にも用いられます。

カトリック信者以外もミサに参列できます。初めて訪れる場合は、受付や案内係にその旨を伝えると案内を受けられます。祈りや聖歌の文句が分からなくても、静かに耳を傾けて参加できます。ミサ中に信者が受ける聖体拝領は、洗礼を受けたカトリック信者のための儀式です。祝福を受ける際の対応は教会の案内に従ってください。

11月22日の聖イグナチオ教会|主日ミサと4つの聖堂

東京・四ツ谷駅前のカトリック麹町 聖イグナチオ教会は、イエズス会とゆかりの深い教会です。主聖堂のほか、マリア聖堂、ザビエル聖堂、地下聖堂のクリプタという4つの祈りの空間があります。

教会が公表している通常の日曜日の日本語ミサは、主聖堂で7時、8時30分、10時、18時に行われます。2026年11月22日の教会年間行事予定には「王であるキリストの祭日」「世界青年の日」、13時からの教会活動連絡会議が掲載されています。現時点の年間予定には、一般参列者向けに別途開催する特別ミサの案内は記載されていません。ミサ時刻や入堂方法は変更されることがあるため、参列前に最新情報を確認してください。

主聖堂は祭壇を囲む楕円形の建築で、12本の柱や蓮の花を思わせる天井が特徴です。祭壇は聖堂の最も低い位置に設けられ、参列者が取り囲むように座ります。ミサでは祭壇を中心に典礼が進むため、建物の構成を知っておくと空間の使われ方も理解できます。

ミサの前後にほかの聖堂を見学できるかどうかは、礼拝や儀式の使用状況によります。定例の教会案内ツアーは原則として毎月第2日曜日に行われます。11月22日は第4日曜日のため、団体で4つの聖堂を見学したい場合は教会への事前相談が必要です。ミサ中は撮影や解説を控え、祈りの時間を尊重してください。

教会の設立と戦災・再建、1999年に完成した現聖堂の建築、各聖堂のステンドグラスなどは、別記事の「聖イグナチオ教会の歴史と4つの聖堂」で詳しく紹介しています。

所在地と参列前の確認先

場所:カトリック麹町 聖イグナチオ教会(東京都千代田区麹町6-5-1)
交通:JR・東京メトロ「四ツ谷駅」から徒歩すぐ
電話:03-3263-4584(教会事務室)

2026年度年間行事予定とミサの時間は、聖イグナチオ教会公式サイトで案内されています。団体での参列や聖堂見学を予定する場合は、事前に教会へ問い合わせてください。

参考資料