2012年12月26日、安倍晋三は第96代内閣総理大臣として政権に復帰しました。そこから2020年9月16日の総辞職まで7年8か月。第2次、第3次、第4次と9段階の組閣・改造を重ね、その間に国務大臣を務めた人物は安倍本人を含め89人です。
政権中枢では麻生太郎が副総理・財務相、菅義偉が官房長官としてほぼ全期間留任しました。一方、経済再生、安全保障、地方創生、一億総活躍、働き方改革、東京2020、新型コロナなど政策課題が変わるたびに担当閣僚は入れ替わっています。人物と人事を追うと、長期政権の「変わらない部分」と「変わった部分」を同時に確認できます。
第1次安倍政権(2006~2007年)は別記事の「第1次安倍晋三政権のメンバー33人」で扱っています。ここでは2012年の再登板以降に絞ります。
- まず分かる|7年8か月・9つの内閣はどう変わった?
- この組閣は何が特徴だった?
- 閣僚89人を一人ずつ見る
- 第2次安倍内閣の発足時メンバー
- 2014年改造・途中交代で加わったメンバー
- 第3次安倍内閣発足後に加わったメンバー
- 2015年改造で加わったメンバー
- 2016年改造で加わったメンバー
- 2017年の途中交代・改造で加わったメンバー
- 2018年の途中交代・改造で加わったメンバー
- 2019年改造・途中交代で加わったメンバー
- 途中交代で誰が変わった?
- アベノミクス|目標・決定・結果を分けて見る
- 消費税|野田政権で成立した制度を安倍政権が実施
- 安全保障|NSCから平和安全法制まで
- 地方創生・一億総活躍・働き方改革
- 通商・外交|TPP、CPTPP、日EU・EPA、日米交渉
- 外国人材・デジタル政策
- 最後の年|新型コロナと東京2020延期
- 7年8か月を答え合わせする
- 主要出来事を時系列で見る
- 主な一次資料
まず分かる|7年8か月・9つの内閣はどう変わった?
| 段階 | 発足日 | 人事・政策のポイント |
|---|---|---|
| 第2次安倍内閣 | 2012年12月26日 | 政権復帰。経済再生を最優先に据え、麻生太郎・菅義偉・岸田文雄・甘利明らを中核に配置。 |
| 第2次安倍改造内閣 | 2014年9月3日 | 約600日ぶりの大幅改造。高市早苗、小渕優子、石破茂らが入閣し、地方創生・女性活躍などを前面に。 |
| 第3次安倍内閣 | 2014年12月24日 | 衆院選後に発足。基本政策を継続し、防衛相に中谷元を起用。 |
| 第3次安倍改造内閣 | 2015年10月7日 | 一億総活躍を掲げ、加藤勝信を担当相に起用。馳浩、森山裕、河野太郎らが入閣。 |
| 第3次安倍第2次改造内閣 | 2016年8月3日 | 世耕弘成が経産相、稲田朋美が防衛相。経済・外交・安全保障の布陣を更新。 |
| 第3次安倍第3次改造内閣 | 2017年8月3日 | 閣僚辞任後の立て直しを意識し、河野太郎、野田聖子、林芳正、小野寺五典ら経験者を配置。 |
| 第4次安倍内閣 | 2017年11月1日 | 総選挙後、直前の改造内閣をほぼ再任し政策の継続を優先。 |
| 第4次安倍改造内閣 | 2018年10月2日 | 初入閣を多数起用。山下貴司、岩屋毅、平井卓也、片山さつきらが加わる。 |
| 第4次安倍第2次改造内閣 | 2019年9月11日 | 茂木敏充外相、河野太郎防衛相、西村康稔経済再生相などへ配置転換。2020年の新型コロナ対応を担う布陣となった。 |
この組閣は何が特徴だった?
最大の特徴は、中枢を固定しながら政策担当者を入れ替えたことです。麻生太郎は副総理・財務相、菅義偉は官房長官として2012年から政権終了まで続投しました。岸田文雄も2012年から2017年まで外相を長く務め、初期の外交を継続して担当しました。
2014年改造以降は、地方創生、一億総活躍、働き方改革、人づくり革命、全世代型社会保障など新しい政策パッケージに対応して担当相を置きました。改造は単なる顔ぶれの変更ではなく、政権が前面に出す課題の変化を映しています。
同時に途中辞任も繰り返されました。小渕優子、松島みどり、西川公也、甘利明、今村雅弘、稲田朋美、江崎鐵磨、櫻田義孝、菅原一秀、河井克行が任期途中で退き、後任が政策を引き継ぎました。
閣僚89人を一人ずつ見る
第2次安倍内閣の発足時メンバー
安倍晋三

主な担当:内閣総理大臣
政府全体の政策を統括し、国務大臣を任命する首相。2012年の政権復帰後、アベノミクス、外交・安全保障、地方創生、働き方改革、全世代型社会保障などを政権の主要課題として進めました。2020年8月に持病の再発を理由に退陣を表明し、9月16日に内閣総辞職となりました。
麻生太郎

主な担当:副総理・財務大臣・金融担当大臣
国の予算、税制、国債、金融行政を担いました。2012年12月から政権終了まで同じ中核ポストに留まり、消費税率の引上げ、財政運営、金融行政を継続して担当しました。
新藤義孝

主な担当:総務大臣
地方自治、通信・放送、行政制度などを担当しました。地方行政やICT分野を担い、2014年9月の改造まで務めました。
谷垣禎一

主な担当:法務大臣
司法制度、出入国管理、刑事・民事法制などを担当しました。自民党総裁経験者として政権復帰直後の法務行政を担い、2014年改造後は党幹事長へ移りました。
岸田文雄

主な担当:外務大臣
外交、条約、在外公館などを担当しました。2012年から2017年まで長期に外相を務め、日米関係、対中・対韓外交、G7、核軍縮などを担当しました。2017年には稲田朋美の辞任後に防衛相も一時兼務し、後に首相となりました。歴代外相の流れは歴代外務大臣一覧と日本外交史で確認できます。
下村博文

主な担当:文部科学大臣
教育、科学技術、文化、スポーツ行政を担当しました。教育再生や大学改革、東京2020大会に向けた準備などを担い、2015年の改造で退任しました。
田村憲久

主な担当:厚生労働大臣
医療、年金、介護、雇用、労働行政を担当しました。社会保障制度改革を進め、後の菅政権でも厚労相に再登板しました。
林芳正

主な担当:農林水産大臣
農業、林業、水産業、食料政策を担当しました。第2次内閣で農政を担い、2015年には西川公也の辞任後に再登板しました。
茂木敏充

主な担当:経済産業大臣・経済再生担当大臣・外務大臣
産業・エネルギー政策から通商・外交まで複数の重要ポストを横断しました。後半には経済再生担当として通商交渉を担い、2019年から外相となりました。
太田昭宏

主な担当:国土交通大臣
道路、鉄道、航空、住宅、観光、河川・防災などを担当しました。公明党所属として2012年から2015年まで国交相を務め、国土強靱化や観光政策を担いました。
石原伸晃

主な担当:環境大臣・原子力防災担当大臣・経済再生担当大臣
第2次内閣では環境・原子力防災を担当し、2016年に甘利明の後任として経済再生担当へ移りました。
小野寺五典

主な担当:防衛大臣
自衛隊、防衛政策、日米安全保障などを担当しました。第2次内閣と2017年改造後に防衛相を務め、安全保障政策と部隊運用の実務を担いました。
菅義偉

主な担当:内閣官房長官
各省庁の調整、政府広報、危機管理を担う官邸の中枢ポストです。2012年から2020年まで官房長官を務め、政権運営を支え続けました。安倍退陣後に首相へ就任しました。
根本匠

主な担当:復興大臣・厚生労働大臣
第2次内閣では東日本大震災からの復興を担当し、2018年改造では厚労相として社会保障・雇用政策を担いました。
古屋圭司

主な担当:国家公安委員長・拉致問題担当大臣
警察行政、防災、北朝鮮による拉致問題などを担当しました。第2次内閣で安全・危機管理分野を担いました。
山本一太

主な担当:沖縄・北方、科学技術などの担当大臣
沖縄政策、北方領土、科学技術・宇宙政策など複数の内閣府分野を担当しました。後に群馬県知事となりました。
森まさこ

主な担当:少子化対策・消費者担当大臣、のち法務大臣
第2次内閣では少子化対策、女性活力、消費者行政などを担当し、2019年には河井克行辞任後の法相として再登板しました。
甘利明

主な担当:経済再生担当大臣
成長戦略、経済財政運営、TPP交渉などを担当しました。アベノミクス初期の中心人物でしたが、2016年1月に金銭授受問題を受けて辞任しました。
稲田朋美

主な担当:行政改革・規制改革担当大臣、のち防衛大臣
第2次内閣では行政改革・規制改革を担当し、2016年から防衛相を務めました。2017年7月、南スーダンPKO日報問題をめぐり辞任しました。
2014年改造・途中交代で加わったメンバー
高市早苗

主な担当:総務大臣
地方自治、通信・放送、行政制度を担当しました。2014年から長期間総務相を務め、2019年にも再登板しました。後に首相となっています。
松島みどり

主な担当:法務大臣
法務行政を担当しました。2014年改造で初入閣しましたが、選挙区で配布した物品をめぐる問題を受け、同年10月に辞任しました。
小渕優子

主な担当:経済産業大臣
産業、通商、エネルギー政策を担当しました。2014年改造で起用されましたが、政治資金をめぐる問題を受け同年10月に辞任しました。
塩崎恭久

主な担当:厚生労働大臣
医療、介護、年金、雇用・労働政策を担当しました。2014年から2017年まで務め、医療・介護改革や働き方改革の準備段階を担いました。
西川公也

主な担当:農林水産大臣
農政、農協改革、食料政策などを担当しました。2015年2月に政治献金問題を受け辞任し、林芳正が後任となりました。
宮沢洋一

主な担当:経済産業大臣
産業・通商・エネルギー政策を担当しました。小渕優子辞任後の2014年10月に就任し、原発再稼働を含むエネルギー行政を担いました。
望月義夫

主な担当:環境大臣・原子力防災担当大臣
環境政策、地球温暖化対策、原子力防災などを担当しました。第2次改造から第3次内閣にかけて務めました。
江渡聡徳

主な担当:防衛大臣
防衛政策と自衛隊を担当しました。2014年改造で就任し、第3次内閣発足時に退任しました。
竹下亘

主な担当:復興大臣
東日本大震災からの復興政策、被災地支援を担当しました。2014年改造から2015年改造まで務めました。
山谷えり子

主な担当:国家公安委員長・拉致問題担当大臣
警察行政、防災、拉致問題などを担当しました。2014年改造で入閣しました。
山口俊一

主な担当:沖縄・北方、科学技術、ITなどの担当大臣
沖縄・北方政策、科学技術、宇宙、IT政策など幅広い内閣府分野を担当しました。
有村治子

主な担当:女性活躍・行政改革などの担当大臣
女性活躍、行政改革、規制改革などを担当しました。2014年改造で女性閣僚5人の一人として入閣しました。
石破茂

主な担当:地方創生担当大臣
地方人口減少や地域経済の活性化を扱う地方創生政策を担当しました。党幹事長から閣内へ移り、まち・ひと・しごと創生の制度設計を担いました。後に首相となりました。
上川陽子

主な担当:法務大臣
法務行政を担当しました。松島みどり辞任後に就任し、その後も安倍政権で法相に再登板しました。後に外務大臣も務めました。
第3次安倍内閣発足後に加わったメンバー
中谷元

主な担当:防衛大臣
自衛隊、防衛政策、日米安全保障を担当しました。2014年末から2016年まで務め、2015年の平和安全法制の国会審議で政府側の中心となりました。
遠藤利明

主な担当:東京オリンピック・パラリンピック担当大臣
東京2020大会の政府調整を担う専任大臣として2015年に就任しました。大会準備の制度整備を担当しました。
2015年改造で加わったメンバー
岩城光英

主な担当:法務大臣
法務行政を担当しました。2015年改造で就任し、翌年の改造まで務めました。
馳浩

主な担当:文部科学大臣
教育、科学技術、文化、スポーツを担当しました。東京2020準備や教育政策を担い、後に石川県知事となりました。
森山裕

主な担当:農林水産大臣
農業・食料政策を担当しました。TPP合意後の国内農業対策を進める時期に農水相を務めました。
林幹雄

主な担当:経済産業大臣
産業、通商、エネルギー政策を担当しました。2015年改造から2016年まで務めました。
石井啓一

主な担当:国土交通大臣
交通、住宅、観光、防災などを担当しました。公明党所属で2015年から2019年まで長く国交相を務め、観光振興や災害対応を担いました。
丸川珠代

主な担当:環境大臣、のち五輪担当大臣
環境・原子力防災を担当した後、東京2020大会担当へ移りました。
高木毅

主な担当:復興大臣
東日本大震災からの復興を担当しました。2015年改造から2016年まで務めました。
河野太郎

主な担当:国家公安・行政改革担当大臣、のち外務大臣・防衛大臣
2015年改造で初入閣し、その後は外相、防衛相へと主要ポストを移りました。外交・安全保障の前面に立った人物の一人です。
島尻安伊子

主な担当:沖縄・北方、科学技術などの担当大臣
沖縄振興、北方領土、科学技術などを担当しました。沖縄選出議員として2015年改造で入閣しました。
加藤勝信

主な担当:一億総活躍担当大臣、のち厚生労働大臣
一億総活躍、働き方改革、少子化対策などを担当し、その後厚労相へ移りました。2020年の新型コロナ初期対応では厚労相として前面に立ちました。
2016年改造で加わったメンバー
金田勝年

主な担当:法務大臣
法務行政を担当しました。2016年改造で就任し、組織犯罪処罰法改正をめぐる国会審議などを担当しました。
松野博一

主な担当:文部科学大臣
教育、科学技術、文化、スポーツを担当しました。2016年改造から2017年まで務め、後に官房長官となりました。
山本有二

主な担当:農林水産大臣
農業・食料政策を担当しました。2016年改造で入閣し、農政改革やTPP関連の国内対策を担当しました。
世耕弘成

主な担当:経済産業大臣
産業、通商、エネルギー政策を担当しました。官房副長官から経産相へ移り、エネルギー政策やロシア経済協力なども担いました。
山本公一

主な担当:環境大臣・原子力防災担当大臣
環境、地球温暖化、原子力防災を担当しました。2016年改造から2017年まで務めました。
今村雅弘

主な担当:復興大臣
東日本大震災からの復興を担当しました。2017年4月、東日本大震災をめぐる自身の発言の責任を取り辞任しました。
松本純

主な担当:国家公安委員長・防災担当大臣
警察行政と防災政策を担当しました。2016年改造から2017年まで務めました。
鶴保庸介

主な担当:沖縄・北方、科学技術などの担当大臣
沖縄振興、北方領土、科学技術などを担当しました。2016年改造で入閣しました。
山本幸三

主な担当:地方創生担当大臣
地方創生、規制改革などを担当しました。石破茂の後を受けて2016年から地方創生政策を担いました。
2017年の途中交代・改造で加わったメンバー
吉野正芳

主な担当:復興大臣
今村雅弘の辞任後に就任し、被災地復興と福島の復興・再生を担当しました。
野田聖子

主な担当:総務大臣・女性活躍担当大臣
地方自治、通信・放送、女性活躍などを担当しました。2017年改造で入閣し、総務行政と男女共同参画を担いました。
齋藤健

主な担当:農林水産大臣
農業、林業、水産業、食料政策を担当しました。2017年改造で就任し、農業改革や通商環境の変化に対応しました。
中川雅治

主な担当:環境大臣・原子力防災担当大臣
環境政策、温暖化対策、原子力防災を担当しました。2017年改造から2018年まで務めました。
小此木八郎

主な担当:国家公安委員長・防災担当大臣
警察行政、防災、国土強靱化などを担当しました。2017年改造で入閣し、後の菅政権でも同分野を担当しました。
江崎鐵磨

主な担当:沖縄・北方担当大臣
沖縄振興、北方領土などを担当しました。健康上の理由で2018年2月に辞任し、福井照が後任となりました。
松山政司

主な担当:一億総活躍・少子化対策などの担当大臣
一億総活躍、少子化対策、男女共同参画などを担当しました。2017年改造から2018年まで務めました。
梶山弘志

主な担当:地方創生・規制改革担当大臣、のち経済産業大臣
2017年改造で地方創生担当に就き、2019年には菅原一秀辞任後の経産相となりました。後の菅政権でも経産相を続けました。
鈴木俊一

主な担当:東京オリンピック・パラリンピック担当大臣
東京2020大会の政府調整を担当しました。2017年に就任し、2019年には櫻田義孝辞任後にも再登板しました。
2018年の途中交代・改造で加わったメンバー
福井照

主な担当:沖縄・北方担当大臣
江崎鐵磨辞任後の2018年2月に就任し、沖縄振興や北方領土政策を担当しました。
石田真敏

主な担当:総務大臣
地方自治、通信・放送、行政制度を担当しました。2018年改造で就任しました。
山下貴司

主な担当:法務大臣
元検事・法務官僚として法務行政を担当しました。2018年改造で就任し、新たな在留資格「特定技能」を盛り込む入管法改正を担当しました。
柴山昌彦

主な担当:文部科学大臣
教育、科学技術、文化、スポーツを担当しました。2018年改造から2019年まで務めました。
吉川貴盛

主な担当:農林水産大臣
農政、食料政策を担当しました。2018年改造で就任し、後に菅政権期に政治資金をめぐる事件で議員辞職しました。
原田義昭

主な担当:環境大臣・原子力防災担当大臣
環境、気候変動、原子力防災を担当しました。2018年改造から2019年まで務めました。
岩屋毅

主な担当:防衛大臣
自衛隊、防衛政策、日米安全保障を担当しました。2018年改造から2019年まで務め、日韓防衛当局間の問題にも対応しました。
渡辺博道

主な担当:復興大臣
東日本大震災からの復興を担当しました。2018年改造から2019年まで務めました。
山本順三

主な担当:国家公安委員長・防災担当大臣
警察行政、防災などを担当しました。2018年改造で初入閣しました。
宮腰光寛

主な担当:沖縄・北方担当大臣
沖縄振興、北方領土政策などを担当しました。首相補佐官から2018年改造で入閣しました。
平井卓也

主な担当:IT政策担当大臣
政府のIT政策、デジタル化、サイバー関連政策などを担当しました。後に菅政権でデジタル改革担当相となり、デジタル庁発足を担いました。
片山さつき

主な担当:地方創生・女性活躍担当大臣
地方創生、規制改革、女性活躍などを担当しました。2018年改造で入閣しました。
櫻田義孝

主な担当:東京オリンピック・パラリンピック担当大臣
東京2020大会の政府調整を担当しました。2019年4月、自身の発言の責任を取り辞任し、鈴木俊一が後任となりました。
2019年改造・途中交代で加わったメンバー
河井克行

主な担当:法務大臣
法務行政を担当しました。2019年改造で就任しましたが、妻の参院選をめぐる問題が報じられ同年10月に辞任しました。
萩生田光一

主な担当:文部科学大臣
教育、科学技術、文化、スポーツを担当しました。大学入試改革や学校教育、コロナ禍での一斉休校後の教育対応を担いました。
江藤拓

主な担当:農林水産大臣
農業、林業、水産業、食料政策を担当しました。2019年改造で入閣し、豚熱対策などを担いました。
菅原一秀

主な担当:経済産業大臣
産業、通商、エネルギー政策を担当しました。2019年改造で就任しましたが、公職選挙法をめぐる問題が報じられ同年10月に辞任しました。
赤羽一嘉

主な担当:国土交通大臣
交通、住宅、観光、防災などを担当しました。2019年から菅政権まで続投し、コロナ禍で大きく落ち込んだ観光・交通分野にも対応しました。
小泉進次郎

主な担当:環境大臣・原子力防災担当大臣
環境、気候変動、原子力防災を担当しました。2019年改造で初入閣し、後の菅政権にも続投しました。
田中和德

主な担当:復興大臣
東日本大震災からの復興を担当しました。2019年改造から政権終了まで務めました。
武田良太

主な担当:国家公安委員長・防災担当大臣
警察行政、防災などを担当しました。後の菅政権では総務大臣に移りました。
衛藤晟一

主な担当:一億総活躍・少子化対策・沖縄北方などの担当大臣
一億総活躍、少子化、沖縄・北方政策など幅広い内閣府分野を担当しました。
竹本直一

主な担当:IT政策・科学技術担当大臣
IT政策、科学技術、知的財産などを担当しました。デジタル行政が政策課題として急速に重みを増す時期に担当しました。
北村誠吾

主な担当:地方創生・規制改革担当大臣
地方創生、規制改革などを担当しました。2019年改造で初入閣しました。
西村康稔

主な担当:経済再生担当大臣
経済財政政策、成長戦略などを担当しました。2020年には新型コロナ対策担当も担い、緊急事態宣言や経済活動との両立をめぐる政府調整の中心となりました。
橋本聖子

主な担当:東京オリンピック・パラリンピック、女性活躍担当大臣
東京2020大会の政府調整と女性活躍を担当しました。大会が2021年へ延期された後、菅政権期に東京2020組織委員会会長へ転じました。
途中交代で誰が変わった?
2014年10月には小渕優子経産相が辞任し宮沢洋一が後任となり、同じ日に松島みどり法相が辞任して上川陽子が後任となりました。2015年2月には西川公也農水相の辞任後に林芳正が再登板。2016年1月には甘利明経済再生相が辞任し、石原伸晃が後任となりました。
2017年は今村雅弘復興相の辞任後に吉野正芳、稲田朋美防衛相の辞任後には岸田文雄外相が防衛相を一時兼務しました。2018年には江崎鐵磨の辞任後に福井照、2019年には櫻田義孝の辞任後に鈴木俊一が五輪担当へ戻りました。
第4次安倍第2次改造内閣では発足直後の2019年10月に菅原一秀経産相と河井克行法相が相次いで辞任し、梶山弘志と森まさこがそれぞれ後任となりました。
アベノミクス|目標・決定・結果を分けて見る
第2次安倍政権は経済再生を最優先課題に据え、「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「民間投資を喚起する成長戦略」を組み合わせました。2013年1月には政府と日本銀行が共同声明を公表し、日本銀行は物価安定の目標を消費者物価前年比2%としました。4月には日本銀行自身の政策決定として量的・質的金融緩和が導入されました。
政府側では甘利明らが成長戦略を担い、2013年6月に日本再興戦略を閣議決定しました。雇用情勢や企業収益、株価など改善した指標がある一方、2%の物価目標を短期間で安定的に達成するという初期想定は任期中に実現しませんでした。金融政策は日本銀行の独立した政策決定なので、政府の政策と日銀の政策は分けて確認します。
消費税|野田政権で成立した制度を安倍政権が実施
消費税率は2014年4月に5%から8%へ引き上げられ、10%への引上げは二度延期された後、2019年10月に実施されました。税率引上げの根拠となる社会保障・税一体改革関連法は野田佳彦政権で成立しており、安倍政権は施行時期の判断と実施を担った形です。
安全保障|NSCから平和安全法制まで
2013年に国家安全保障会議(NSC)が設置され、国家安全保障戦略が策定されました。2014年7月には政府が安全保障法制に関する閣議決定を行い、2015年9月に平和安全法制関連法が成立、2016年3月に施行されました。中谷元防衛相、岸田文雄外相、菅義偉官房長官らが国会・外交・政府調整を担いました。
地方創生・一億総活躍・働き方改革
2014年改造では石破茂が地方創生担当相となり、「まち・ひと・しごと創生」が制度化されました。2015年改造では加藤勝信が一億総活躍担当相となり、子育て支援、介護離職対策、働き方改革へ政策領域が広がりました。
働き方改革関連法は2018年に成立し、時間外労働の上限規制、同一労働同一賃金、高度プロフェッショナル制度などが段階的に施行されました。幼児教育・保育の無償化は2019年10月に始まりました。
通商・外交|TPP、CPTPP、日EU・EPA、日米交渉
TPP交渉では甘利明が経済再生担当相として中心を担いました。米国のTPP離脱後は、茂木敏充らが残る11か国でのCPTPP成立を進めました。日EU・EPAや日米貿易協定もこの時期に進み、外相は岸田文雄、河野太郎、茂木敏充へ交代しています。
対米、対中、対韓、対ロ、北朝鮮など外交課題は長期にわたり続きました。ロシアとの北方領土交渉では首脳会談を重ねましたが、安倍政権中に領土問題の解決と平和条約締結には至りませんでした。
外国人材・デジタル政策
2018年の入管法改正で、新しい在留資格「特定技能」が創設され、2019年4月に制度が始まりました。山下貴司法相が国会審議を担当しました。
デジタル政策ではSociety 5.0、デジタルガバメント、キャッシュレスなどが成長戦略に組み込まれ、平井卓也、竹本直一らが担当しました。後の菅政権でデジタル庁創設へ進む政策の前段階に当たります。
最後の年|新型コロナと東京2020延期
2019年9月に発足した第4次安倍第2次改造内閣は、2020年に新型コロナウイルス感染症への対応を担いました。加藤勝信厚労相、西村康稔経済再生相、菅義偉官房長官らが、検疫・医療、緊急事態宣言、経済対策の政府調整に当たりました。
東京2020大会は2020年3月に延期が決定され、実際の開催は菅義偉政権下の2021年となりました。安倍政権では遠藤利明、丸川珠代、鈴木俊一、櫻田義孝、橋本聖子と五輪担当相が交代しながら準備を進めました。次の政権での開催までの流れは「菅義偉政権のメンバー23人」で続けて確認できます。
7年8か月を答え合わせする
第2次安倍政権発足時の中心目標だった経済再生は、雇用、企業収益、株価など複数の指標で変化がありました。一方、日本銀行の2%物価目標は政権在任中に安定的な達成には至りませんでした。制度面では安全保障法制、働き方改革、幼児教育・保育の無償化、特定技能、CPTPPなどが成立・施行され、後継政権へ残りました。
憲法改正は安倍政権中には実現しませんでした。地方創生も政策・交付金の枠組みは継続しましたが、人口減少や東京一極集中という課題自体は残りました。東京2020大会は延期され、開催は次の菅政権へ持ち越されました。長期政権の評価は、政策ごとに「目標」「制度」「実施」「結果」を分けて確認すると実態をつかみやすくなります。
主要出来事を時系列で見る
- 2012年12月26日 第2次安倍内閣発足。
- 2013年1月 政府・日本銀行が共同声明。2%の物価安定目標を確認。
- 2013年6月 日本再興戦略を閣議決定。
- 2013年12月 国家安全保障会議(NSC)発足、国家安全保障戦略を策定。
- 2014年4月 消費税率8%へ引上げ。
- 2014年7月 安全保障法制に関する閣議決定。
- 2014年9月 第2次安倍改造内閣発足、地方創生担当相を新設。
- 2015年9月 平和安全法制関連法成立。
- 2015年10月 第3次安倍改造内閣発足、一億総活躍を掲げる。
- 2016年3月 平和安全法制施行。
- 2018年 働き方改革関連法、改正入管法が成立。
- 2019年4月 特定技能制度開始。
- 2019年10月 消費税率10%、幼児教育・保育の無償化開始。
- 2020年4月 新型コロナ対応で緊急事態宣言。
- 2020年8月28日 安倍首相が辞任の意向を表明。
- 2020年9月16日 内閣総辞職、菅義偉内閣発足。
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主な一次資料
- 首相官邸「第96代 安倍晋三」(第2次安倍内閣・改造内閣の閣僚名簿)
- 首相官邸「第97代 安倍晋三」(第3次安倍内閣と各改造の閣僚名簿)
- 首相官邸「第98代 安倍晋三」(第4次安倍内閣と各改造)
- 首相官邸「歴代内閣」
- 内閣官房「平和安全法制等の整備」
- 日本銀行「物価安定の目標」

