2026年9月17日、第2次高市改造内閣が発足しました。10月14日には簗和生農林水産大臣が辞任し、翌15日、高市首相は後任に武部新衆議院議員を起用することを決めました。木原稔官房長官も15日午前の会見で人事を正式に発表しています。
2026年10月15日の農林水産大臣交代まで反映し、第2次高市改造内閣の人事を時系列で整理します。9月17日の改造で加わった10人に加え、10月の交代で起用が決まった武部新氏の経歴と農政経験も掲載します。
第2次高市改造内閣はどんな内閣?
2026年9月17日、高市首相は第2次高市内閣発足後で初めて内閣を改造し、第2次高市改造内閣が発足しました。首相を除く18閣僚のうち10人が交代し、茂木敏充外相、片山さつき財務相、上野賢一郎厚労相、赤澤亮正経産相、小泉進次郎防衛相、木原稔官房長官、城内実日本成長戦略担当相、小野田紀美経済安全保障担当相の8人は同じポストに留任しました。
同日の初閣議では新しい基本方針を決定しました。経済財政運営では「責任ある積極財政」を掲げ、「日本成長戦略」の17戦略分野を中心とする危機管理投資・成長投資と、「地域未来戦略」に基づく産業クラスター計画を進める方針です。外交では法の支配などの基本的価値を共通基盤とする方針を示しています。
人事と同時に担当政策も組み替わりました。片山財務相には消費税・支援金法案担当、赤澤経産相にはAX社会実装担当が加わりました。AI、科学技術、宇宙、知的財産などは古川俊治デジタル相が担当し、小野田経済安全保障担当相は感染症危機管理と外国人との秩序ある共生社会推進も担います。
| 区分 | 人事の流れ |
|---|---|
| 発足 | 2026年9月17日、第2次高市改造内閣が発足 |
| 閣僚交代 | 首相を除く18閣僚のうち10人が交代、8人が同じポストに留任 |
| 初入閣 | 藤井比早之、関芳弘、簗和生、井林辰憲、笹川博義、古川俊治、中司宏の7人 |
| 再入閣 | 山下貴司、細野豪志、葉梨康弘の3人 |
| 基本方針 | 責任ある積極財政、17戦略分野の危機管理投資・成長投資、地域未来戦略、外交・安全保障などを継続 |
| 2026年10月14日 | 簗和生農林水産大臣が辞任。高市首相は辞表を受理し、任命責任に言及 |
| 2026年10月15日 | 後任に武部新衆議院議員を起用することを決定。木原官房長官が午前の会見で正式発表 |
第2次高市改造内閣の閣僚を一覧で見る【10月15日更新】
2026年9月17日に発足した第2次高市改造内閣では、10月14日に簗和生農林水産大臣が辞任しました。15日には武部新氏の後任起用が決まり、同日午後の認証式を経て正式に就任する予定です。
| 氏名 | 主な経歴の特徴 | 現在の主要担当 |
|---|---|---|
| 高市早苗 | 総務相・経済安全保障担当相などを歴任 | 内閣総理大臣 |
| 藤井比早之 | 旧自治省・総務省系の行政実務、外務副大臣・内閣府副大臣などを経験 | 総務、地方創生、地域未来戦略、副首都整備等推進 |
| 山下貴司 | 検事・法務省勤務を経て、2018年に法務相を経験 | 法務、男女共同参画、女性活躍、法制度検証・改革 |
| 茂木敏充 | 外相・経産相・経済再生担当相などを歴任 | 外務 |
| 片山さつき | 旧大蔵省出身、税制・金融行政に長く関与 | 財務、金融、租税特措・補助金見直し、消費税・支援金法案 |
| 関芳弘 | 経産政務官・環境副大臣・経産副大臣などを経験 | 文部科学 |
| 上野賢一郎 | 旧自治省出身、税制・地方行政分野を経験 | 厚生労働 |
| 簗和生 | 日本経済研究所研究員、国交政務官・文科副大臣などを経験 | 農林水産 |
| 赤澤亮正 | 旧運輸省・国交省出身、対米経済交渉を担当 | 経済産業、GX、産業競争力、AX社会実装など |
| 井林辰憲 | 国土交通省出身、環境政務官・内閣府副大臣などを経験 | 国土交通、水循環、国際園芸博覧会 |
| 笹川博義 | 群馬県議、環境政務官・環境副大臣・農水副大臣などを経験 | 環境、原子力防災、クマ被害対策 |
| 小泉進次郎 | 環境相・農水相などを歴任 | 防衛 |
| 木原稔 | 防衛相・首相補佐官など安全保障分野を経験 | 内閣官房長官、拉致、沖縄基地負担軽減 |
| 古川俊治 | 医師・弁護士・大学教授として医療、法制度、先端技術に関与 | デジタル、AI・デジタル改革、科学技術、宇宙、人工知能、海洋、サイバーなど |
| 細野豪志 | 首相補佐官、環境相、原子力関連の特命担当相などを歴任 | 復興、防災、防災庁設置準備、国土強靱化、国際防災協力 |
| 葉梨康弘 | 警察庁出身、法務相・農水副大臣・法務副大臣などを歴任 | 国家公安、領土、CBRNEテロ対策、沖縄北方、消費者・食品安全、アイヌ施策 |
| 中司宏 | 産経新聞記者、大阪府議、枚方市長を経て国政入り | こども、少子化、若者、規制改革、共生・共助、行政改革、国家公務員制度 |
| 城内実 | 外務省出身、経済安全保障担当相などを歴任 | 日本成長戦略、賃上げ環境整備、スタートアップ、全世代型社会保障、経済財政 |
| 小野田紀美 | 地方議員、法務政務官、防衛政務官を歴任 | 経済安全保障、感染症危機管理、外国人との秩序ある共生社会推進 |
2026年9月17日の改造で加わった10人
藤井比早之

藤井比早之は東京大学法学部を卒業後、自治省に入り、金融庁、消防庁、内閣官房、彦根市副市長などを経験しました。国政では外務副大臣、内閣府副大臣、デジタル副大臣などを務めています。
改造後は総務大臣として地方自治・情報通信・消防などを所管し、地方創生、地域未来戦略、副首都整備等推進も担当します。
山下貴司

山下貴司は東京大学法学部卒業後、検事として東京地検などに勤務し、法務省では国際捜査や条約交渉を担当しました。2018年には第4次安倍改造内閣で法務大臣を務めています。
今回は法務大臣に再び就き、男女共同参画、女性活躍、法制度検証・改革も担当します。
関芳弘

関芳弘は関西学院大学経済学部を卒業し、英国ウェールズ大学の経営大学院でMBAを取得しました。経済産業大臣政務官、環境副大臣、経済産業副大臣などを経験しています。
初入閣で文部科学大臣に就き、教育、科学技術、文化、スポーツなどを所管します。
簗和生

簗和生は慶應義塾大学商学部と東京大学大学院経済学研究科で学び、日本経済研究所研究員などを経て衆議院議員となりました。国土交通大臣政務官、文部科学副大臣などを経験しています。
初入閣で農林水産大臣に就き、食料の安定供給、農林水産業、農林水産物・食品の輸出などを担います。
井林辰憲

井林辰憲は京都大学と同大学院で環境工学を学び、国土交通省に勤務しました。国政では環境大臣政務官、内閣府副大臣、衆議院財務金融委員長などを経験しています。
初入閣で国土交通大臣に就き、水循環と国際園芸博覧会も担当します。
笹川博義

笹川博義は群馬県議を2期務めた後に国政入りし、環境大臣政務官、環境副大臣、農林水産副大臣などを経験しました。
初入閣で環境大臣に就き、原子力防災とクマ被害対策も担当します。
古川俊治

古川俊治は慶應義塾大学医学部卒業後に外科医として勤務し、法学も学んで弁護士資格を取得しました。慶應義塾大学で医学と法学の教育・研究に携わり、ロボット外科医療などの先端医療にも関わっています。
初入閣でデジタル大臣に就き、AI・デジタル改革、サイバー安全保障、コンテンツ戦略、知的財産、科学技術、宇宙、人工知能、海洋などを担当します。
細野豪志

細野豪志は京都大学法学部卒業後、三和総合研究所研究員などを経て国政入りしました。首相補佐官、環境大臣、原子力損害賠償支援機構・原子力行政・原子力防災などの担当相を歴任しています。
改造後は復興大臣として、防災、福島原発事故からの再生総括、防災庁設置準備、国土強靱化、国際防災協力を担当します。
葉梨康弘

葉梨康弘は東京大学法学部卒業後、警察庁に入り、在インドネシア日本大使館や警察庁生活安全局などで勤務しました。国政では法務大臣、農林水産副大臣、法務副大臣などを経験しています。
改造後は国家公安委員会委員長として、領土問題、CBRNEテロ対策、沖縄・北方、消費者・食品安全、アイヌ施策も担当します。
中司宏

中司宏は早稲田大学第一文学部卒業後、産経新聞記者、大阪府議、枚方市長などを経て国政入りしました。日本維新の会で幹事長兼選挙対策本部長などを務めています。
初入閣で、こども政策、少子化対策、若者活躍、規制改革、共生・共助、行政改革、国家公務員制度を担当します。
第1次・第2次高市内閣の19人を一覧で見る(改造前)
| 氏名 | 主な経歴の特徴 | 現在の主要担当 |
|---|---|---|
| 高市早苗 | 総務相・経済安全保障担当相などを歴任 | 内閣総理大臣 |
| 林芳正 | 外相・官房長官・文科相・農水相・防衛相などを歴任 | 総務大臣 |
| 平口洋 | 建設省出身、法務副大臣・衆院法務委員長を歴任 | 法務大臣 |
| 茂木敏充 | 外相・経産相・経済再生担当相などを歴任 | 外務大臣 |
| 片山さつき | 旧大蔵省出身、税制・金融行政に長く関与 | 財務大臣、金融担当など |
| 松本洋平 | 銀行勤務、経産副大臣・内閣府副大臣などを歴任 | 文部科学大臣 |
| 上野賢一郎 | 旧自治省出身、税制・地方行政分野を経験 | 厚生労働大臣 |
| 鈴木憲和 | 農林水産省出身、農水副大臣を歴任 | 農林水産大臣 |
| 赤澤亮正 | 旧運輸省・国交省出身、対米経済交渉を担当 | 経済産業大臣、GX・産業競争力など |
| 金子恭之 | 総務相・国交副大臣などを歴任 | 国土交通大臣、水循環など |
| 石原宏高 | 金融機関勤務、環境副大臣などを歴任 | 環境大臣、原子力防災担当 |
| 小泉進次郎 | 環境相・農水相などを歴任 | 防衛大臣 |
| 木原稔 | 防衛相・首相補佐官など安全保障分野を経験 | 内閣官房長官、拉致・沖縄基地負担軽減 |
| 松本尚 | 救急医・大学教授、医療現場と行政DXに関与 | デジタル大臣、サイバー安全保障など |
| 牧野たかお | 報道記者、国交副大臣・復興副大臣などを歴任 | 復興大臣、防災庁設置準備、国土強靱化 |
| あかま二郎 | 地方議員、総務副大臣・内閣府副大臣などを歴任 | 国家公安委員長、防災・海洋政策など |
| 黄川田仁志 | 内閣府副大臣・衆院外務委員長などを歴任 | こども、地方創生、沖縄北方、地域未来戦略など |
| 城内実 | 外務省出身、経済安全保障担当相などを歴任 | 日本成長戦略、経済財政、規制改革など |
| 小野田紀美 | 地方議員、法務政務官、防衛政務官を歴任 | 経済安全保障、AI、宇宙、知財など |
ここからは改造前の記録です。第1次高市内閣から2026年9月17日の改造までを担った19人について、当時の担当と政策の動きを残します。改造後の現職と担当は上の「第2次高市改造内閣の19人を一覧で見る」を基準にしています。
第1次・第2次の政権中枢・外交・安全保障を担ったメンバー
高市早苗

高市早苗は総務大臣や経済安全保障担当大臣などを経験し、2025年10月に内閣総理大臣に就任しました。日本の首相の変遷は「歴代首相と近代日本政治の流れ」でも確認できます。
第2次内閣では、危機管理投資・成長投資を軸に「強い経済」を掲げています。2026年7月21日に骨太方針2026、日本成長戦略などを閣議決定し、8月5日には給付付き税額控除の制度導入に関する基本方針を決定しました。8月25日時点では燃料価格の激変緩和措置を継続し、ガソリン価格を全国平均170円程度に抑える対応も続いています。税額控除は制度設計・法制化に向けた段階で、実施後の効果検証は制度開始後の課題です。
茂木敏充

茂木敏充は経済産業大臣、経済再生担当大臣、外務大臣などを歴任し、通商と外交の双方を経験してきました。外相は2019~2021年にも務めており、「歴代外務大臣と日本外交の流れ」の中でも位置づけられる人物です。
第1次高市内閣で外相に就任後、日米同盟、自由で開かれたインド太平洋、グローバル・サウスとの関係強化を外交方針の柱にしています。2026年にはフィリピンなどとの外交を進め、日・フィリピン国交正常化70周年の節目にも対応しました。外交は首脳・外相会談や合意形成が積み重なる分野であり、個別の会談開催と長期的な外交成果は分けて見る必要があります。
小泉進次郎

小泉進次郎は環境大臣、農林水産大臣などを経験した後、防衛大臣に就任しました。安全保障専任の閣僚経験は今回が初めてですが、衆議院安全保障委員長など国会側で防衛政策に関わった経歴があります。
防衛分野では、2026年4月に防衛装備移転制度の運用指針見直しが進み、従来の「5類型」による限定を撤廃する方向が具体化しました。小泉大臣は、同盟国・同志国の抑止力と日本の防衛生産・技術基盤の強化につながると説明しています。制度変更は決定・運用の段階に入っていますが、装備移転の個別案件は引き続き案件ごとの審査対象です。
木原稔

木原稔は防衛大臣、国家安全保障を担当する首相補佐官などを務めた安全保障畑の政治家です。内閣官房長官として各省庁の政策調整、政府広報、危機管理に加え、沖縄基地負担軽減と拉致問題も担当しています。写真は2023年の防衛大臣時代です。
第2次内閣発足時には全閣僚再任を発表し、政策継続の枠組みを示しました。2026年には中東情勢や国内災害への政府対応で官邸の調整役を担い、外国人の受入れ・秩序ある共生社会に関する関係閣僚会議でも各省庁に実施を指示しています。官房長官の仕事は個別制度を単独で所管するより、政府横断の調整を進める比重が大きい役職です。
小野田紀美

小野田紀美は東京都北区議を経て国政入りし、法務大臣政務官、防衛大臣政務官を経験しました。現在は経済安全保障のほか、科学技術、宇宙、AI、知的財産、クールジャパン、外国人との秩序ある共生社会推進を担当しています。写真は2020年の法務大臣政務官就任時です。
2026年7月14日には「人工知能基本計画」が閣議決定されました。政府は「信頼できるAI」を前提に行政、産業、暮らし、危機管理をAI前提で組み替える「日本AX」を掲げています。同日にはスタートアップなどへの研究開発支援について、令和8年度の特定新技術補助金等の支出目標額を1,444.2億円とする方針も決まりました。AI基本計画は実行段階に入った政策ですが、経済効果や生産性向上は今後の検証対象です。
経済・産業・暮らしを担うメンバー
片山さつき

片山さつきは旧大蔵省出身で、税制や金融行政の実務を経験しました。財務大臣として予算・税制を担うほか、金融、租税特別措置・補助金の見直しも担当しています。写真は2022年撮影です。
第1次内閣発足後、物価高対策を含む経済対策と補正予算、2026年度税制改正・予算編成が進みました。2026年度予算は4月7日に政府案どおり成立し、6月には中東情勢などへの対応を盛り込んだ補正予算も成立しています。税制では所得税の課税最低限を178万円へ引き上げる措置などが盛り込まれました。8月5日の給付付き税額控除の基本方針は財務分野でも大きな論点ですが、詳細制度はなお設計中です。
赤澤亮正

赤澤亮正は旧運輸省・国土交通省出身で、米国留学や国際航空、物流政策などを経験しました。経済産業大臣としてGX、産業競争力、原子力経済被害に加え、中東情勢に伴う重要物資の安定確保も担当しています。写真は2023年撮影です。
高市政権発足後は、危機管理・成長投資、日米戦略的投資イニシアティブ、エネルギー安全保障が主要課題になりました。2026年春の中東情勢悪化後、燃料油や石油製品などの供給確保を確認し、A重油や塗料用シンナーなどで生じた流通の目詰まりに個別対応しています。7月21日の日本成長戦略では17の戦略分野と官民投資ロードマップが示され、政策は計画策定から投資実行へ移る段階です。
城内実

城内実は外務省出身で、外交実務を経て国政入りしました。第1次高市内閣から日本成長戦略、賃上げ環境整備、スタートアップ、全世代型社会保障改革、感染症危機管理、経済財政政策、規制改革を担当しています。写真は2024年撮影です。
担当の中心は2026年7月21日に閣議決定された「日本成長戦略」です。政府は17の戦略分野について官民投資ロードマップを示し、危機管理投資と成長投資を民間投資につなげる枠組みを整えました。同日に規制改革実施計画も決定されており、城内大臣の守備範囲は成長投資だけでなく制度改革にも及びます。現時点では、計画の採択そのものより、投資額・賃金・生産性などが今後どう動くかが成果測定の焦点です。
鈴木憲和

鈴木憲和は農林水産省出身で、農林水産副大臣も経験しています。第1次・第2次高市内閣では農林水産大臣として、米政策、食料安全保障、農林水産物輸出を担当しました。2026年9月17日の改造で退任しました。
2026年は米の安定供給が大きな課題になりました。3月には政府備蓄米の買入れ入札を進め、6月には2027年度からの水田政策に関する方向性を取りまとめ、全国説明に入りました。8月公表の2026年1~6月の農林水産物・食品輸出額は8,977億円で前年同期比10.9%増となり、上半期として過去最高です。一方、備蓄米の在庫は8月時点で約32万トンと、適正水準とされる100万トンを大きく下回っており、補充が次の課題です。
上野賢一郎

上野賢一郎は旧自治省出身で、地方行政や税制に関わった後、厚生労働大臣に就任しました。医療・介護・年金・雇用を一体で扱う厚労行政では、制度改定と現場負担の双方を調整する役割を担います。
2026年度診療報酬改定では、物価高や賃上げ、人手不足への対応として「物価対応料」を新設し、ベースアップ評価料の対象を広げるなどの改定が行われました。2月13日に中央社会保険医療協議会が答申し、6月1日に施行されています。改定率は2か年平均で本体プラス3.09%です。これは「検討」ではなく施行済みの制度変更で、医療機関の経営や職員賃金にどこまで波及するかが今後の検証点です。
行政・司法・教育・デジタルを担うメンバー
林芳正

林芳正は外務大臣、内閣官房長官、文部科学大臣、農林水産大臣、防衛大臣など幅広い閣僚経験があります。第1次・第2次高市内閣では総務大臣として地方自治・地方財政、情報通信、放送、郵政、消防などを所管しました。2026年9月17日の改造で退任しました。
2026年の総務行政では、地方財政の確保、地域DX、通信・放送制度、災害時の自治体支援が並行して進んでいます。7月には普通交付税の決定や情報通信白書の公表が行われ、熊本地震では総務省非常災害対策本部を設置しました。林大臣の経歴は特定の一分野に特化したものではなく、複数省庁を経験した調整型の経歴が、所管の広い総務省と接続しています。
平口洋

平口洋は建設省に入り、地方行政や警察行政も経験した後、法務大臣政務官、衆議院法務委員長、法務副大臣を務めました。第1次・第2次高市内閣では法務大臣を務め、2026年9月17日の改造で退任しました。写真は2018年の法務副大臣時代です。
就任後は出入国・在留管理制度の見直しが具体化しました。2026年5月には「不法滞在者ゼロプラン」の強力推進パッケージを取りまとめ、7月31日付で出入国在留管理庁の定員を226人増員する政令改正が決定。8月には永住許可や永住者の在留資格取消しに関するガイドライン案を取りまとめています。入管法等改正法の一部は2027年4月施行に向けた準備段階で、運用実績の検証は施行後の課題です。
松本洋平

松本洋平は銀行勤務を経て国政入りし、経済産業副大臣や内閣府副大臣を経験しました。第1次・第2次高市内閣では文部科学大臣として学校教育、大学、科学技術、文化、スポーツを担当しました。2026年9月17日の改造で退任しました。写真は2019年の経済産業副大臣時代です。
2026年4月には「人材育成システム改革ビジョン」を取りまとめ、研究人材育成の新事業を進めました。6月には高校教育改革促進基金の採択や、学校教育等に関する移動の安全確保の取りまとめを公表。8月には日本語教育支援総合パッケージも策定しています。教育行政は制度改定から現場実装まで時間がかかるため、現時点では採択・通知・事業開始の段階にある施策が多く、学力や研究成果の変化は今後の評価対象です。
松本尚

松本尚は救急医療を専門とする医師・大学教授を経て国政入りしました。デジタル大臣として行政DXを担い、デジタル行財政改革、国家公務員制度、サイバー安全保障も担当しています。
医療DXでは、2026年6月、200床以上の急性期病院について電子カルテの概ね100%導入目標を2030年から2028年度へ前倒しする方針が示されました。クラウド型電子カルテやサイバー対策も含め、厚生労働省と連携して実装を進めています。医療現場の経験は、デジタル化による業務改善と安全性を同時に考える現在の担当と直接つながります。
黄川田仁志

黄川田仁志は内閣府副大臣、衆議院外務委員長などを歴任しました。現在は沖縄・北方、消費者、こども・少子化、若者、男女共同参画、地方創生、アイヌ、共生・共助、地域未来戦略など、内閣府の広い政策群を担当しています。
第1次内閣発足後、DV防止法改正法の成立・施行、第6次男女共同参画基本計画、第12次交通安全基本計画、新たな就職氷河期世代等支援プログラムなどが進みました。こども政策では物価高対応子育て応援手当や保育士の処遇改善を実施。地域未来戦略は7月21日に閣議決定され、産業クラスター形成などを含む政策パッケージが計画段階から実行段階へ移っています。
国土・環境・防災・復興を担うメンバー
金子恭之

金子恭之は国土交通副大臣、総務大臣などを務めました。現在は国土交通大臣として道路・鉄道・航空・物流・住宅・観光を所管し、水循環、国際園芸博覧会も担当しています。
2026年7月には水循環、首都圏、土地、観光、交通に関する法定白書が閣議で了承されました。物流分野では効率化に向けた調査・制度対応が続き、リニア中央新幹線など大型インフラの工程管理も所管します。国交行政は複数年にわたる事業が多いため、白書や計画の公表と、工事・輸送量・観光需要などの結果は分けて追う必要があります。
石原宏高

石原宏高は金融機関勤務を経て国政入りし、環境副大臣などを経験しました。環境大臣と原子力防災担当大臣を兼ね、脱炭素、資源循環、自然環境、公害・廃棄物、原子力災害対策を担います。
第1次内閣発足後、環境省では脱炭素・循環経済・生物多様性の施策を継続し、2026年も閣議後会見を通じて制度実施を進めています。日本成長戦略ではGXが成長投資の一角に位置づけられ、経産省と環境省の連携領域が広がりました。環境政策は排出量や投資の統計がまとまるまで時間差があるため、2026年9月時点では新施策の長期的な削減効果は測定途上です。
牧野たかお

牧野たかおはテレビ局の記者・編集職、静岡県議を経て国政入りし、国土交通副大臣や復興副大臣を経験しました。復興大臣に加え、福島原発事故からの再生総括、防災庁設置準備、国土強靱化を担当します。
2026年度から東日本大震災の「第3期復興・創生期間」が始まりました。防災庁については、設置に必要な関連法が2026年7月に成立・公布され、組織設計や人材確保など開庁準備の段階に進んでいます。法律成立は制度化の大きな節目ですが、防災庁が実際に発足し、災害対応の改善効果を検証するのはその後です。
あかま二郎

あかま二郎は神奈川県議を経て国政入りし、総務大臣政務官、総務副大臣、内閣府副大臣などを経験しました。国家公安委員会委員長として警察行政を担当し、領土問題、防災、海洋政策も所管しています。
防災担当としては、2026年の地震・豪雨などで政府の被災地対応を担い、8月には千葉豪雨の現場視察を行いました。国家公安委員長としては警察行政、海洋政策担当としては海洋基本計画に基づく政策推進も担当します。災害対応は被害把握、応急対応、復旧・復興で段階が異なり、現地視察や会議開催だけを成果とせず、支援の実施状況まで追う必要があります。
第1次→第2次→改造で何が変わったのか
第1次高市内閣から第2次高市内閣への移行では、19閣僚が全員再任されました。第2次では2026年度予算、診療報酬改定、防衛装備移転制度の見直し、防災庁関連法、人工知能基本計画、日本成長戦略などが決定・実施の段階へ進みました。
2026年9月17日の改造では人事が大きく変わり、首相を除く18閣僚のうち10人が交代しました。総務、法務、文科、農水、国交、環境、デジタル、復興・防災、国家公安、こども・規制改革などで担当者が替わり、財務、経産、経済安全保障などでは担当政策の追加・組み替えも行われました。
給付付き税額控除など制度設計・法制化が続く政策と、日本成長戦略や地域未来戦略の実施状況は、改造後の担当閣僚へ引き継がれます。改造前までの決定事項と、改造後に進む実施・法制化を分けて追うと、政策の継続と人事変更の両方を確認できます。
高市政権の主要政策と内閣の動きを時系列で見る
- 2025年10月21日 第1次高市内閣が発足。
- 2026年2月18日 第2次高市内閣が発足。閣僚19人は全員再任。
- 2026年2月20日 施政方針演説。強い経済、危機管理投資・成長投資、外交・安全保障などの方針を提示。
- 2026年4月 防衛装備移転制度の運用指針見直しが具体化。2026年度当初予算も成立。
- 2026年6月1日 2026年度診療報酬改定を施行。物価対応料の新設などを実施。
- 2026年7月 防災庁設置関連法が成立・公布。設置準備が法制度の段階へ進む。
- 2026年7月14日 人工知能基本計画を閣議決定。
- 2026年7月21日 骨太方針2026、日本成長戦略、地域未来戦略、規制改革実施計画を閣議決定。
- 2026年8月5日 給付付き税額控除の制度導入に関する基本方針を決定。制度設計・法制化へ。
- 2026年8月25日 中東情勢を踏まえた燃料価格の激変緩和措置継続を表明。ガソリン全国平均170円程度を維持する方針。
- 2026年9月17日 第2次高市改造内閣が発足。首相を除く18閣僚のうち10人が交代し、8人が同じポストに留任。同日の初閣議で「責任ある積極財政」、17戦略分野の危機管理投資・成長投資、地域未来戦略、外交・安全保障などを盛り込んだ基本方針を決定。
政権シリーズ:小泉純一郎|第1次安倍晋三|福田康夫|麻生太郎|鳩山由紀夫|菅直人|野田佳彦|第2次~第4次安倍晋三|菅義偉|岸田文雄|石破茂|高市内閣(現在の記事)
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主な一次資料
- 第2次高市改造内閣 閣僚等名簿(首相官邸、2026年9月17日発足)
- 第2次高市改造内閣の発足(首相官邸、2026年9月17日)
- 第2次高市改造内閣 基本方針(首相官邸、2026年9月17日)
- 第2次高市改造内閣 初閣議案件(首相官邸、2026年9月17日)
- 高市内閣(第1次)閣僚等名簿(首相官邸)
- 第2次高市内閣の発足(首相官邸、2026年2月18日)
- 官房長官記者会見(2026年2月18日)
- 2026年7月21日閣議(首相官邸)
- 給付付き税額控除の制度導入の基本方針(2026年8月5日)
- 物価高・燃料価格対策についての会見(2026年8月25日)
- 2026年度診療報酬改定に関する厚生労働大臣会見(厚生労働省)
- 出入国在留管理政策に関する法務大臣会見(法務省)
- 松本洋平文部科学大臣 記者会見(文部科学省)
- 経済産業大臣記者会見(経済産業省、2026年4月17日)
- 小野田内閣府特命担当大臣記者会見(内閣府、2026年7月14日)

