石破茂政権は、2024年10月1日から2025年10月21日まで386日続きました。第1次石破内閣、第2次石破内閣、途中の農林水産大臣交代を合わせると、石破茂本人を含む24人が国務大臣を務めています。
岸田文雄政権から多くの政策を引き継ぎましたが、発足直後の衆院選で与党が過半数を失い、ほぼ全期間を少数与党で運営しました。地方創生2.0、税制・年金改革、高校授業料支援、能動的サイバー防御、AI法、米価高騰への対応、日米関税交渉が政権の主要テーマです。
まず分かる|石破政権で大臣を務めた24人
| 人物 | 主な役職 | 注目点 |
|---|---|---|
| 石破茂 | 首相 | 地方創生2.0、少数与党、日米関税交渉 |
| 村上誠一郎 | 総務相 | 地方自治・通信・選挙行政 |
| 牧原秀樹/鈴木馨祐 | 法相 | 第1次から第2次で交代 |
| 岩屋毅 | 外相 | 日米・日中・日韓外交 |
| 加藤勝信 | 財務相 | 予算、税制、課税最低限見直し |
| あべ俊子 | 文科相 | 高校授業料・大学支援 |
| 福岡資麿 | 厚労相 | 年金制度改正 |
| 小里泰弘/江藤拓/小泉進次郎 | 農水相 | 米価高騰・備蓄米 |
| 武藤容治 | 経産相 | GX・産業・関税影響対応 |
| 斉藤鉄夫/中野洋昌 | 国交相 | 第1次から第2次で交代 |
| 浅尾慶一郎 | 環境相 | 脱炭素・原子力防災 |
| 中谷元 | 防衛相 | 防衛力整備・日米同盟 |
| 林芳正 | 官房長官 | 政権全体の調整 |
| 平将明 | デジタル相 | デジタル・サイバー政策 |
| 伊藤忠彦 | 復興相 | 東日本・能登復興 |
| 坂井学 | 国家公安・防災相 | 防災・国土強靱化 |
| 三原じゅん子 | こども政策相 | 少子化・こども政策 |
| 赤澤亮正 | 経済再生相 | 日米関税交渉 |
| 城内実 | 経済安保相 | AI法・科学技術 |
| 伊東良孝 | 地方創生相 | 地方創生2.0・万博 |
この組閣は何が特徴だったのか
2024年10月1日に第1次石破内閣が発足しました。10月27日の衆院選で自民・公明両党が過半数を失い、11月11日に発足した第2次内閣は少数与党政権となります。第2次では法相が牧原秀樹から鈴木馨祐、農水相が小里泰弘から江藤拓、国交相が斉藤鉄夫から中野洋昌へ交代しました。2025年5月21日には江藤拓農水相が辞任し、小泉進次郎が後任となりました。
閣僚24人を一人ずつ見る
石破茂|内閣総理大臣

防衛相、農水相、自民党幹事長、地方創生担当相などを歴任し、2024年9月の自民党総裁選に勝利して首相に就任しました。地方創生2.0を看板に据えましたが、発足直後の衆院選で与党は過半数を失いました。その後は少数与党として野党との協議を重ね、2025年の日米関税交渉にも対応しました。参院選後の9月7日に自民党総裁辞任を表明し、10月21日に内閣総辞職しました。防衛相時代は福田康夫政権、農水相時代は麻生太郎政権の記事でも確認できます。
村上誠一郎|総務大臣

行政改革担当相経験者で、第1次・第2次を通じて総務相を務めました。地方自治、通信・放送、選挙、行政制度を担当しました。
牧原秀樹|法務大臣

弁護士資格を持ち、経産副大臣などを経験。第1次内閣で法相に就任しましたが、2024年衆院選で落選し、第2次内閣では交代しました。
鈴木馨祐|法務大臣

財務省出身で外務副大臣などを経験。第2次石破内閣で法相となり、司法制度、出入国在留管理などを担当しました。
岩屋毅|外務大臣

防衛相経験者。日米同盟を基軸に、中国・韓国との外交や第2次トランプ政権発足後の日米関係を担当しました。歴代外相の流れは歴代外務大臣一覧と日本外交史で確認できます。
加藤勝信|財務大臣

厚労相、官房長官などを歴任。2025年度予算と税制改正を担当し、いわゆる「103万円の壁」見直しでは少数与党下の与野党協議を受けた制度変更に対応しました。
あべ俊子|文部科学大臣

看護師・大学教員の経験を持ち、2025年度の高校授業料支援拡充や多子世帯の大学等授業料支援を担当しました。
福岡資麿|厚生労働大臣

医療、年金、介護、雇用を担当。2025年の年金制度改正法を担当しました。高額療養費制度の自己負担上限見直し案では、患者団体などの反発を受け政府が方針を修正しました。
小里泰弘|農林水産大臣

第1次石破内閣の農水相。2024年衆院選で落選し、第2次内閣では江藤拓へ交代しました。
江藤拓|農林水産大臣

農水相経験者として第2次内閣で再登板。米価高騰への対応で政府備蓄米の放出を進めましたが、自身のコメをめぐる発言が批判を招き、2025年5月21日に辞任しました。
小泉進次郎|農林水産大臣

江藤拓の後任として就任。備蓄米の売渡しを入札中心から随意契約へ切り替え、米価高騰への政策手法を変更しました。
武藤容治|経済産業大臣

産業、エネルギー、中小企業、通商を担当し、GX政策と米国関税措置の国内産業への影響対応を担いました。
斉藤鉄夫|国土交通大臣

岸田政権から国交相を続投し、第1次石破内閣まで担当しました。公明党代表就任に伴い、第2次内閣では中野洋昌へ交代しました。
中野洋昌|国土交通大臣

第2次石破内閣の国交相として、交通・インフラ、住宅、観光政策を担当しました。
浅尾慶一郎|環境大臣

脱炭素、自然環境、原子力防災を担当し、岸田政権から続くGX政策を環境行政の側から担いました。
中谷元|防衛大臣

元自衛官で防衛相経験者。日米同盟と、岸田政権で決定した安全保障3文書に基づく防衛力整備を担当しました。
林芳正|内閣官房長官

岸田政権後半から官房長官を務め、石破政権でも留任。各省庁の調整、危機管理、政府広報を担いました。
平将明|デジタル大臣

行政DXとデジタル政策を担当し、能動的サイバー防御の制度整備にも関与しました。2025年5月にはサイバー対処能力強化法と関連法が成立しました。
伊藤忠彦|復興大臣

東日本大震災からの復興と福島再生を担当し、能登半島地震からの復旧・復興も政府横断の課題として対応しました。
坂井学|国家公安委員長・防災担当大臣

警察行政、防災、国土強靱化を担当し、防災庁構想の準備にも関わりました。防災庁そのものは石破政権中には発足していません。
三原じゅん子|こども政策・少子化対策担当大臣

こども政策、少子化対策、男女共同参画を担当し、岸田政権で始まったこども家庭庁とこども未来戦略の実施を引き継ぎました。
赤澤亮正|経済再生担当大臣

石破首相に近い鳥取県選出議員。国内経済対策に加え、第2次トランプ政権との関税交渉を担当し、繰り返し訪米しました。2025年7月の日米合意と9月の実施枠組みまで政権終盤の交渉を担いました。
城内実|経済安全保障担当大臣

外務省出身。経済安全保障、科学技術、AI政策を担当し、2025年に成立・施行されたAI法の制度整備を担いました。
伊東良孝|地方創生担当大臣

地方創生2.0、沖縄・北方政策、大阪・関西万博などを担当。2025年6月に閣議決定した地方創生2.0基本構想の実務を担いました。
第1次から第2次、農相交代で誰が変わった?
- 2024年10月1日:第1次石破内閣発足。
- 2024年11月11日:第2次石破内閣発足。牧原秀樹→鈴木馨祐、小里泰弘→江藤拓、斉藤鉄夫→中野洋昌へ交代。
- 2025年5月21日:江藤拓農水相が辞任し、小泉進次郎が後任に就任。
少数与党で政策はどう決まった?
2024年衆院選後、第2次石破内閣は衆議院で過半数を持たない少数与党政権となりました。2025年度予算、税制、高校授業料支援、社会保障などでは野党との協議が政策内容に影響しました。石破政権の政策は、政府案だけでなく国会での修正過程まで見る必要があります。
石破政権を決定づけた主要政策
地方創生2.0
2025年6月13日、政府は地方創生2.0基本構想を閣議決定しました。若者・女性にも選ばれる地方、産官学連携、AI・デジタル活用、都市と地方の人の流れなどを柱としました。
税制と「103万円の壁」
2025年度税制改正では基礎控除と給与所得控除が見直され、所得条件に応じて所得税の課税最低限が最大160万円となる仕組みが導入されました。全員一律160万円という制度ではありません。
年金改革と教育支援
2025年6月に年金制度改正法が成立し、厚生年金の適用拡大、在職老齢年金、遺族年金などを見直しました。教育では高校授業料支援を拡充し、公立高校相当の年11万8,800円について所得制限を外す臨時支援を実施しました。
米価高騰と備蓄米
2025年春、政府は備蓄米を放出。当初は入札方式でしたが、江藤拓農水相の辞任後、小泉進次郎農水相の下で随意契約方式へ転換しました。
能動的サイバー防御とAI法
2025年5月にサイバー対処能力強化法と関連法が成立し、重大なサイバー攻撃への対応力を高める法的基盤を整えました。同月にはAI法も成立し、AI戦略本部や政府の基本計画の枠組みが整いました。
日米関税交渉
第2次トランプ政権の関税措置を受け、赤澤亮正経済再生相が交渉担当として訪米を重ねました。2025年7月の日米合意では、自動車・自動車部品について米国側の関税率を合計15%とする枠組みなどが示され、9月に実施へ進みました。
主要政策を「決定・実施・その後」で答え合わせ
| 政策 | 石破政権での段階 | その後 |
|---|---|---|
| 地方創生2.0 | 基本構想を閣議決定 | 効果は長期検証 |
| 税制・課税最低限 | 2025年度税制改正 | 所得条件ごとに控除が異なる |
| 年金制度改革 | 改正法成立 | 段階施行 |
| 高校授業料支援 | 2025年度に拡充 | 制度拡大は後継政権へ継続 |
| 能動的サイバー防御 | 関連法成立 | 運用は段階的 |
| AI法 | 成立・全面施行 | 基本計画・運用へ |
| 防災庁 | 構想・準備 | 石破政権中には未発足 |
| 日米関税交渉 | 合意・実施枠組み | 国内経済への影響は継続 |
参院選敗北から退陣まで
2025年7月20日の参院選でも自民・公明両党は過半数を確保できず、与党は衆参両院で過半数を持たない状態になりました。石破首相は日米関税交渉などを続けた後、9月7日に自民党総裁辞任を表明。10月21日に内閣総辞職し、高市政権へ交代しました。
石破政権の主要出来事を時系列で見る
- 2024年10月1日 第1次石破内閣発足
- 2024年10月9日 衆議院解散
- 2024年10月27日 衆院選で自公が過半数割れ
- 2024年11月11日 第2次石破内閣発足
- 2025年5月 能動的サイバー防御関連法・AI法成立
- 2025年5月21日 江藤拓農水相辞任、小泉進次郎就任
- 2025年6月 年金制度改正法成立、地方創生2.0基本構想決定
- 2025年7月 日米関税交渉で合意、参院選で自公が過半数割れ
- 2025年9月7日 石破首相が自民党総裁辞任を表明
- 2025年10月21日 石破内閣総辞職、高市政権発足
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